TOEIC対策 外資系企業の英語事情

2010年7月17日
カテゴリ : 多読, 多読と受験, 多読のパラドックス
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ちょっと大きな件名ですが、外資系企業の現場からの貴重な報告です。

「ちなつ」さんについてはすでに一度ブログに載せていますが、
わたしがひどいことを言ったのです・・・

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さかいさん こんにちは。
ちなつ@偏差値40からの生還者、ひらがな英語からの生還者(笑) です。

わたしがちなつさんのシャドーイング対して言ったひどいこととは・・・

http://tadoku.org/sakai-note/archives/2010/06/07_0126.html

をご覧ください。

(せっかく記事にしてもらったのに、最近自分のブログ更新が停滞していて申し訳ない・汗
 そのうちシャドーイングについて書きたいことがたんまりあるので書きます!)

ちなつさんのブログは http://cndiary.exblog.jp/ です。

  (シャドーイングの話は ちなつさんのブログと「町の名前をひとつ」の
  協同プロジェクトということで・・・!)

ここのところ さかいさんのブログに、TOEICについての記事が複数あるので、
私もTOEICについて思うことを少しばかり。。。

日本の学校や、日本企業までもが、
TOEIC結果を重視していますが、一方外資系企業はどうなのか、と。

答え= まったく見ていません
重視とか軽視のレベルではなく、「見ていない」です。

気づけばもう外資系金融に10数年、さまざまな方の履歴書を見せて
いただくことがありましたが・・・

1.人事部から候補者を紹介されるとき英語レベルの話でTOEIC何点、
  という記述はみたことがない
2.たまに履歴書にTOEIC何点、と書いてあるものもあるが、目に留まらない
3.英語が使えるか使えないかの判断は、社内の外人と英語でインタビュー
  してもらえばすぐ分かる

といった感じです。

これを読むと、みなさんの中に残滓として残っていた TOEIC熱のほとぼり が
一気に冷めるのではないでしょうか?

TOEICの点数なんかいらない、インタビューですぐにわかる、という実際に
ついては「グリーン」さんも言っていたような・・・

外資系企業では 重視とか軽視ではなくて、「見ていない」 のに、
日本の企業ではなぜあんなにもてはやされるのか?

わたしが昔から推測していたことは、

  日本の企業の採用担当者は自分の英語に自信がない。

  (これは当然です。ひとりひとりの担当者が責めを負うべきものではない。
   責任者出てこい! で出てくるのは(出てこないのは!)文部科学省です。)

  だからアメリカの 教育試験委員会 という「れっき」としたところが作って
  いるTOEICに頼るしかない・・・

では、履歴書や職務経歴書で逆に何を見るか、というと、
「verbal and written fluency in English」 
と書いてあるかどうか、です。そう、自己申告制です。
その自己申告は事実か否かを確かめるのは簡単で、外人とのミーティングを設定するのです。

以前さかいさんの記事で、Fluency か Accuracyか、というのを見かけたことがあったのですが、
はい、この場合、まさに Accuracy じゃなくて Fluency がポイント。
そういえば、英語での人材募集の応募要綱に、
「verbal and written accuracy in English required」 と書いてあるのはみたことない

かも。

最後の「かも」というところが奥ゆかしいのですが、
accuracy が問題になるというのは、ちょっと考えられません。

問題になる部署があるとすれば、契約部 とか、法務部とか、かなあ・・・?
あとは、直接面談やemailで、何度もやりとりすれば誤解は解けていく・・・

なお、fluency は途切れずにことばが出てくること(書くのも話すのも)
accuracy は文法や語の使い方が正確なことをいうと考えていいでしょう。

TOEICをはじめ、試験というのは Accuracyを測定するもので、
Fluencyを測定するものじゃないと思います。
だから、英語が必須のグローバルなビジネスにおいては、
TOEICの点数はあまり意味がありません。少なくともうちの会社では。
なので、日本の学校や企業は グローバルな人材が育てたいなら、
Fluencyをあげるための工夫をしないといけない。
Accuracyを測定する試験を重要視するのはいかがなものか、
と思いますね。。。

それでは~

せっかくだからこのメール、自分のブログにも載せておこう、っと。

ちなつ

うーん・・・

ちなつさんのメールで、TOEIC熱の問題に答えが出てしまったかもしれませんね。

えらいことだ・・・

TOEICは日本の中でしか通用しない!
(あ、日本を含めた東アジアでは通用するかも!)
反論のある方もいらっしゃるでしょう。

わたしが一生懸命準備してきたTOEICになんということを!とお怒りの方が
いらっしゃることは当然です。

ぜひ、ちなつさんやグリーンさんに質問を!
わたしが仲立ちをしますので・・・

ちなつさん、あ・り・が・と・う!!!!

これはみなさんのTOEIC観を一変させるかもしれない内容でした。
今後永く使わせてもらいます。

そして、シャドーイングの話も、お願いします!!!!!