高専3年生の書いたミステリー!

2010年6月 1日
カテゴリ : 多読, 多読的ライティング, をさなごのやうに, 学校訪問, 多読支援
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このところ多読仲間がライティングへどんどん進出していますね。
具体的には思い出せませんが・・・(汗)

多読普及初期から、書くのが速くなったとか、和英を引かなくても書けるとか、
文で思い出せるとか、いろいろ多読の影響について報告がありました。

一気に飛んで最近では鴎友学園のOさんのファンタジーという金字塔もありました。
マドリード大学の日本語多読では、「雫」という絵本が生まれました。
そこへ、今度は高専生が書いた!

その高専3年生を支援してきたA先生がSくんの紹介を送ってくださいました。

東海地方の高専3年生のSくんが、英文でミステリーを書き始めました。
Sくんは高専で多読に出会い、2年生の後期で100万語通過し、
現在は130万語くらいです。

本人曰く、中学のときから英語が嫌いで、文法や単語の暗記は大嫌い。
多読ならいけそう、と思って続けてきましたが、
未だに「英語」(というか、購読の授業)は嫌い、だそうです。
テストでは「語彙」「文法」は悪いけど「読解」では点が取れるとのこと。

これはまた、なんとも典型的な多読っ子の点数ですね!

ORTは好きじゃなかったので、あまり読まず、GRを中心に読み始めたそうです。
ミステリーが大好きなので、読んでいるのはほとんどミステリー。
たまには違うものを読もうと思っても、手に取るとなぜかミステリー、だそうで。

2年生の英語の授業でノートに自由に英文を書くという課題があり、
ほとんどの学生が教科書を写している中、彼はオリジナルのミステリーを書きました。
今回の作品は2作目で、ノートに書いた作品を、Wordに打ち直し、若干練り直したものです。
半年間かけて少しずつ書き溜め、4000語の作品になりました。

Oさんの場合も、マドリード大学の場合も、多読にはなぜか「わたしも書いてみよう!」
と思わせるものがあるようですね。

多読読み物を読んで劇にしてしまうこどもたちもおなじように刺激されたのではない
でしょうか?

彼曰く、英語の方が間違いとか気にならないので、思いきりよく書ける、そうです。
日本語で考えて訳すというわけではなく、英語が浮かんでくるようになってきたとのこと。
読むときは辞書を使いませんが、書くときは紙の辞書を使っているそうです。
(電子辞書より、紙の辞書の方が使いやすいとのこと。)
スペリングは、勘。でも、勘があたってきているようです。
punctuationも、さすがに何万?回も見ているので覚えた、とのこと。

これも典型的ですね。勘が次第に当たるようになる!

Wordに直した段階で、文法とスペリングの修正が入っています。
Wordで書くと都度修正が入るので、書くときはノートの方が筆が進むそうです。

これはなんだか、かっこいい!

よくLL教室に遊びにきてくれるので、後輩に声をかけてくれたりしています。
先日も残ってWritingをしていた後輩に、こういうときは、こう言えばいいんじゃない?
と簡単な英語に言い換えるアドバイスをしてくれました。
社会人講座のイブニングセミナーにも来てくれて、
参加者の人も、Sくんの話が興味深かった、と言っていました。

うーん、すごい・・・
おそらく英語が嫌い、単語の暗記も文法も嫌いだったという「生い立ち」が
話に説得力を持たせるのだろうと思います。
「あ、この人は上から物を言ってない、体験から話している」というのが
伝わるのではないかな?

ちなみに、今も新しい作品を書いています。(課題でも何でもないのに)
最新作は、なんと3日で3000語の作品を書き上げました!
構想が浮かんだら、すぐ書けたそうです。
日本語だったら、こんなに早く仕上がらなかっただろう、と言っています。
他にも、推定1万語?の大作も執筆中で、彼の創作意欲は続いています。

Aさん、Sくんの作品は多読村で独占公開させてくださいと、伝えてくださいな。

楽しみです!

で、その作品は NEW GIRL AT THE SCHOOL by S.pdf