TOEIC対策 豊田高専の蓄積から・・・
2010年7月14日
カテゴリ : 多読, 多読と受験, 多読のパラドックス
タグ: ドーピング, 多読と受験
きのう予告した件です。
どうぞどうぞというメールをいただきました。
なんといってもTOEIC対策ではいちばんサンプル数を多く持っていて、
しかも統計的分析もお強いと思われる西澤さんからの提案です。
これをブログの記事にできて、幸運だと思っています!
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ただ、多読と受験については、もちろんまだわかっていないことがいっぱいあります。
それはむしろわたしは「楽しく困っている」わけで、謎は深い方がいい、
多読はシンプルな方がいい、のであります。
で、以下は西澤さんとわたしのメールのやりとりとほぼそのまま再掲します。
西澤さん、メールをありがとうございました。
炯眼です。
「炯眼です」はちょっと偉そうでした・・・
> 酒井先生 西澤です
>
> TOEIC対策について
>
> 数百万語の多読・多聴と公式問題集をお勧めされていましたが、
これは1回だけ受験して高得点を取らなければいけない人向けの助言では
ないでしょうか?その通りです。
ぼくは社会人の複数回受験にはきわめて懐疑的なのです。
この点については、別の記事で書くことになるかもしれません。
> もし、そうではなく、自らの英語運用能力の向上を測定するために
TOEICを受験する人への助言だとしたら、少し違うような気がします。したがって、これもその通りです。
> TOEICを複数回受験する人への助言として大切なことは、
> 1)ドーピングをしないこと
> だと思います。なぜなら、ドーピングによりかさ上げした得点は、同量以上のドーピングを続けないと下がりますから、以降は止められなくなります。
TOEICを受験するたびにドーピングをするのは、つらいのではないでしょうか?
> ドーピングをしないことにすれば、後はTOEIC得点が勝手に上がっていくのを静観すればいいわけですから、気が楽です。
> また、今までドーピングで比較的高得点を取っている人には、ドーピングの効果が消えるまで待ってから受験して、スタート時点の得点を確認しておくのも大切かと思います。
十人十色とはいえ、こういうわたしが自分では考えもしなかった観点を見せて
いただくと、実にうれしいものです。そして、この場合、納得します。
とくにドーピングを繰り返すことについての西澤さんの意見は、なるほど、です。
こういう考え方はしておりませんでした。
ぼくが考えていたのは単にときどきふっと受験する程度
ということでしたが、西澤さんのご意見ときわめて近いようです。
> 2)頻繁に受けないこと
> ドーピングをしない場合、TOEIC得点が急上昇することは無いので、
例えば年に数回以上の頻度で受験するのは無駄です。測定誤差もある
ので、プラスマイナス20~30点は上下するので、できれば、受験する
たびに100点くらいは上昇する予定で受験しないともったいないです。> 豊田高専のデータ(十代の学生)では、百万語達成後は、平均的には百万語で40~50点くらいしか上昇しませんから、前回受験から二~三百万語読んでから受験するのがよいと思います。
これもまた大賛成です。
ぜひみなさんに知ってほしいガイドラインですね。ただちがう理由もあります。
ブログや掲示板の報告をざっと見ると、「定期的に」受験している人は
ほとんどみな点数が上がらなくて悩んでいるように見えます。> 3)受験時の質的な変化を観察し、書きとめる(自己評価)
> 例えば、リスニングに試験で、音声が流れる前に質問文を先に読み、
問われていることを知った上で、リスニングをするということが、得点向
上のために行われていると思いますが、これを止めることができるか、が
一つの視点になると思います。すなわち、音声を聞くときには、
想定質問を知らない状態で聞き、その後に質問を読んで答えることが、
楽にできるかどうかは、リスニングの得点以上に、聞き取り能力の測定
に有効かと思います。
また、これができるようになれば、TOEIC受験は止めてよいと思います。これはまったく考えたことのない視点でした。(聴点?)
なるほどと思います。
この最後の点などは、すぐには消化できないほどの洞察を含んでいると思います。
わたしとしてもしばらく考えます。
西澤さんはほかにもたくさんの鋭い意見をお持ちではないかと察します。
少しずつ、時間のあるときでいいのですが、お知らせくださると、ありがたい!
あした横浜絵本の会に行くので、きょうはここまで・・・
あしたの夜はTOEIC受験の 特異な例 について、書きます。
お楽しみに!
西澤さん、ありがとうございました!!!