トリハダ 続
2009年10月25日
カテゴリ : 多読, 多読的リスニング(多聴), 聞き読み, 多読的シャドーイング
タグ: お勉強, 多読と受験, 多読的シャドーイング
きのう東京絵本の会で、ある方が肌に粟を生ずる報告を聞かせてくださって、
お願いしたところ、さっそく同じ内容をメールで送ってくださいました。
「多読と試験・・・」という話題を採り上げたとたんに、なんというタイミングのよさ!
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酒井先生、昨日はお疲れ様でした。毎回絵本の会は刺激が多く、もうアドレナリンが出っぱなしでした。
そうでしたね! よくまあみなさんあんなに刺激的な絵本を探してくるものですね。
早速報告いたします。
聞き読み多読 vs テスト勉強
中3の生徒を2人レッスンしています。
Aちゃんは1年生の終わりごろの英語は平均点ぎりぎり。(女子の平均点より10点下)英語が苦手になって多読クラスにきました。ORTを3回ずつ(1回目聞く、2回目聞き読み、3回目シャドーィング)レベル6までからスタート。CD付きのYL1以下の本、100 English、SB、Cambridge Storybooksなど簡単な本ばかりしていました。多読1年で約10万語ほど。2年生の時は定期テスト前はドリルをしていました。ところが、3年生になって(多読1年経過)テスト勉強を本人が断るようになり 私のところでは多読を1時間するのみ。依然学校の英語は嫌い。(授業はつまらないし、先生がとても意地悪らしい)。多読を始め半年経過したころのAちゃんのコメントはクラスのみんなの発音が変で気持ちが悪くなってきた、でした。
* 元々学校の英語の勉強は嫌いだった。
ORTなどの聞き読みシャドーイング1年で、
* 試験直前の「ドーピング」も拒否するようになり、
* 回りの友だちのカタカナ英語を意識するようになった!!
3年生になってもまたORTやり直しORT8までを一気に。するとよくわかったと本人の感想。以来、Curious George、ICR2まで、 Fundation reading library,(結構長いが簡単に理解できたことで自信に)Primaryの昔話をひたすら一人でブツブツと聞き読みするのみ。シャドーィングは次第に上手になります。しかし結構適当で言えないところはぬかしつつも、イントネーションは真似しながら、速さについていけるようになっています。
これはわたしのいう多読的シャドーイングですね。
きちんと繰り返せなくても気にせずに、まずはメロディーとリズムを途切れずに繰り返す。
3年生のテストは80点代。英検3級楽々合格。夏の模試では長文読解が簡単に思え、満足の得点。最近行われた二学期の中間テスト直前もテスト勉強より多読の方がいいと、一人で淡々と聞き読みしていました。その結果はクラス1番の90点台。(テスト勉強をどの程度家でしたかは知りません。)夏前15万語から10月現在25万語と加速。Nateがおもしろく読めたので、来週からMagic tree houseに入るのを楽しみにしています。お母様に聞いたところ、家でもDVDを見ながらシャドーィングをよくするようになったそうです。今では英語が大好きになり、高校では留学もしたいと夢を膨らませました。お母様にとってもテストの成績が上がる以上にうれしい結果です。
これまでもこういう報告はいくつかあります。
そうした報告から、わたしは「多読の結果が学校英語に反映するには1年半待ちましょう」などと言っているわけです。
それが大外れの例は「多読と試験・・・ ・・・」に書きました。
2年経っても学校の定期試験では最低線の成績だとか・・・
でも「外部試験」ではすばらしい点数な訳ですが、中にはAちゃんのように、
学校の定期試験に早めに反映する場合もある・・・
かたやBちゃんは内申書が気になる優等生。が、英語が少し苦手になり(意地悪な先生のせい)3年生から来るように。多読のみではだめなので、問題集+多読30分。2年生末の時点でテストはAちゃんもBちゃんも大差ないほど。まじめで与えた課題はちゃんとします。ところが、今回の中間テストのテスト勉強を問題集でやったBちゃんは60点台。テスト前のチェックではだいたい間違えることなくできていたにもかかわらず。
この対照的な2人を前にレッスンをする難しさを実感しています。やはり酒井先生がおっしゃっていることが現実となったという思いです。学校の文法勉強をすることが多読のブレーキになってしまう。2人だけで判断はできませんが、中学英語なら多読だけのほうが結果がでるということでしょうか?
Aちゃんとは喜び合い、Bちゃんとは暗い気持ちになった1週間でした。(運よく時間がずれたので助かりました。)
さきほどの「多読と試験・・・」でも「ほんっとに英語は勉強していない」高校生の例が
ありますから、少しずつ多読と試験の関係は明らかになってきていると思います。
けれども、気をつけなければいけないのは、わたしのところに来る報告は多読の
効果があったという報告ばかりです。
多読が足を引っ張った例も知りたいのですが、なかなかそういう報告は来ません。
ま、それは仕方ないかもしれませんね。でも多読でうまく行った例がたくさんに
なれば、それはそれで説得力を認める人たちがいることでしょう。
そういう人たちの参考になるように、これからも実例収集に努めます。
みなさん、ご協力を!!