「英語育児」ヒント集 虞や虞やなんじを如何にせん

2009年11月14日
カテゴリ : 多読, 多読的リスニング(多聴), 聞き読み, 多読的鑑賞, をさなごのやうに
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こどものことはなににつけなんとも悩ましいものであります。

こどものためになることはなんでもしたい・・・
一方で、できることは限られている・・・
できることも(陰であれ陽であれ)押しつけにならないようにしたい・・・
そんな微妙な一線を親は生涯踏み続けなければいけない。

せめて、いままでの人が通った「英語育児」で害の少なそうな一線が見えていれば・・・

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これまでに見たり聞いたりした多読(読み聞かせ)の中から、
「うまくいっている」と思われる例から、特徴をいくつか並べてみます。
すべてがこうなっていなければいけないわけではありません。

胸に響く項目があったら、どうぞ参考にしてください。

* 「英語身につけろオーラ」を消す

生まれたばかりのこどものいちばんの仕事は「親に気に入られること」のようです。
親にかまってもらわなければ命を長らえることはできませんからね。

そこから、こどもは親の気持ちに対してきわめて敏感なように思われます。
ときには親に気に入ってもらおうと、たくみな作戦を使うことさえあります。

ところがしばらくすると、こどもは「自分を主張」し始めます。
こどもはいつか親が目の前からいなくなることを本能的に知っているかのようです。
親がいなくても生きていけるように、自分の足で歩もうとします。

この時期には親の言うことになんでもかんでも逆らいます。
親の言うことが正しいか、まちがっているかなんぞは関係ありません。
親の言うとおりにしていたら(親がいなくなっても生きていくための)
「自立」ができない! そこで、とにかく親の言うことには従いません。

こうした傾向は早いこどもだと歩きはじめた頃から現れるようです。
(我が家でもこどもたちは「自分でやる」を省略した「ぶんで!」を連発したことが
ありましたが、たしか1歳から3歳くらいまでではなかったでしょうか?

この時期に親が英語を押しつけようとすると、こどもはすぐにそれを察知して、
親の支配を逃れようとします。そこで、「英語を身につけろオーラ」を発しないように、
慎重に隠す必要があります。

そこで、

* 親自身が英語を楽しんで、それを後ろ姿で見せる。

わたしが若いおとうさん、おかあさんにすすめるのはたいてい ↑ これです。

親自身が英語の本を楽しんでいると、遅かれ早かれこどもはやきもちを焼きます。
「いままでわたしと遊んでくれていたのに、このごろおとうさん(おかあさん)は
よく一人でじっとしている! おかしい、わたしより夢中にさせるものってなんなんだ?!」

そこで、英語の本を読んでいるおかあさん(おとうさん)の膝の上に乗ってきたら、
チャンス到来です! 何度かは「おとうさん(おかあさん)は本を読んでるんだから、
あっち行ってなさい!」と、邪慳にします。

それでもおかあさん(おとうさん)と本の間に割り込んできたら、
そこではじめて、「しょうがないねえ、じゃ、一緒に読もう」とのたもうて、
読み聞かせをはじめましょう。できれば Oxford Reading Tree やLongman
Literacy Land Story Street のようなごくごくやさしい絵本がいいでしょう。

この作戦がうまく行った例があります。

おかあさんから相談を受けたのですが、英語の本を一緒に読もうとおかあさんに
迫られて、3歳くらいの子が「えいごきらい!」と言い出したのだそうです。

わたしは「これからはその子の前で英語という言葉をいっちゃいけません。
その代わりおかあさんが絵本(ORTでした)を読んでいる後ろ姿を見せてやって
ください」と言いました。

こどもは回復が早いですね。わずか3ヶ月後には、その子の方から「これ読んで」と
英語の本を持ってきたそうです。

* 読み聞かせがよいようです。

わたしのまわりにはたまたま「CDかけ流し」をやったという人はいません。
(たまたまそういう報告がなかっただけでCDかけ流しをした人はいるのかも
 しれません。でも、CDかけ流しに疑問を持っているということはだれにも
 言っていませんから、そういう人たちがわたしに遠慮して報告しなかった
 ということも考えにくいのですけどね。)

たとえば「リボン」ちゃん、「XXX」くんという男の子、「YYY」ちゃんという女の子、
などです。

数は少ないのですが、CDかけ流しをしなくても読み聞かせと、英語のアニメや
映画でバイリンガルに近い現象が起きることはたしかだと思われます。

* すっきり、自然に、フツーに・・・

受験勉強についてもそうですが、多読・多聴は単純ですっきりしています。
受験勉強は多読・多聴と過去問だけでよいと思われますし、
「英語育児」は読み聞かせだけでいいようです。

したがって、このヒント集もここまで・・・ (というより、ただ思いつかないだけ!)
もっとあったら、どうぞ知らせてください。

あ、あとは楽しくアニメや映画を見るくらいかな?