まんじゅうこわい・・・

2010年10月18日
カテゴリ : 多読, 日本語多読研究会
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じゃなかった・・・ 文字がこわい、です。

日本語多読の話ですが、英語がこわかった人も「そう、そう」と頷くのではないかな?

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ウクライナから来て日本に10年住んでいるMさん。

ご主人は日本人で、18歳のお嬢さんがいます。

日本語は家で話すくらいは身に付けている。
7年前に日本語学校に行って、半年会話を勉強した。
そのとき漢字の本を1冊使って、500字覚えようとしました。
目を通して、書いてはテストを受けを繰り返したが、覚えられなかったそうです。

回りに漢字はいっぱいあるけれど、一切無視。

そのうちにこどもは大きくなり、自分のレストランも持ちたいし、ということで、
日本語をもう一度勉強しようと昔の本を引っ張り出して、
今度こそどうにかしなければと思いながら、あとまわし、あとまわし・・・

そのうちにコンプレックスが生まれて、
自分は何か半人前で頭の悪い人間だと思いはじめていた。

そうこうするうちに今年の春になり、Mさんがウェイトレスをしているロシア料理店に、
日本語多読研究会のメンバーがお客に来て、日本語多読のことを知り、
「よむよむ文庫」で多読をはじめた。

今年の4月からはじめて2、3ヶ月たった頃から、徐々に漢字に目が行くようなった。
前はこども向けの絵本も開いて字を見た途端に こわい と思ったのに、
いまはこわくなくなった。そして携帯で日本語のメールを打つようになって、
娘さんが喜んでいる。

日本にいる外国人はみんな読み書きできないことでコンプレックスを持っていますか?
とたずねられて、「みんなじゃないですか?」と答えました。

今振り返ると、なぜ こわい と思っていたのか、わからなくなっている。

じゃ、その大きな一歩が踏み出せたのはどうしてだと思いますか?
とたずねられて、いちばんやさしいところからはじめたので、何の苦労もなく、
プレッシャーもなく進められて、少しずつた、のだそうです。

英語多読を続けているある日本語の先生は、英語ができるようになりましたか?
と、たずねられて、「前は新聞やなんかの英語を無視していたけれど、いまは
ふっと読むようになった」とのこと。

英語に対してなんらかの「コンプレックス」を持つ人はたくさんいると思いますが、
日本にいる外国人も、(考えてみれば当然ですが)文字が読めないことに
同じような気持ちでいるのですね。

日本人、外国人を問わず、多読でそういう気持ちから解き放たれる人が
増えますように・・・!