をさなごのやうに--物語に浸る

2010年5月27日
カテゴリ : 多読, 聞き読み, をさなごのやうに
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おとなでも自然にシャドーイングをしてしまう人がいますね。

わたしがたくさんの人の前で絵本の読み聞かせをすると、
かならず吸い込まれるように一緒に口を動かす人がいます。
中には小さな声でシャドーイングする人も見かけます。
ノリのいい人になると、わたしの手の動きまでシャドーイングです!

ましてこどもは・・・

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XXくんは日本人のおとうさんとフランス人のおかあさんがいます。
おとうさんとおかあさんはどちらも仕事があるので、小さいころはもっぱら
おばあちゃんが昼間は相手をしていました。

XXくんはインターナショナル・スクールで飛び抜けて日本語ができるのだそうですが、
さもあらんと頷けることがあります。

それはおばあちゃんが日本語多読研究会の多読読み物を何度も何度も読み聞かせ
したことです。しかもXXちゃんは気に入った本はおばあちゃんを相手に劇にして
演じたのだそうです。

こどもが本の世界に入るというのはそういうもののようです。

もう一つ、これは小学校3年生のYYちゃんの話。
おかあさんとおとうさんと一緒に半年ほど前に中国から来ました。
それでここ一月くらい、家庭教師について日本語の勉強をはじめました。
YYちゃんの場合も日本語多読読み物の読み聞かせです。

YYちゃんは家庭教師の先生によるとちょっと幼いそうで、
なんと読み物の筋の運びがわかると全部自分で演じるのだそうです。

たとえば、蟻が列を作って砂糖の山に向かっている場面では、
椅子からさっと立ち上がって、床に手で砂糖の山を描いて、
自分が蟻になって砂糖の山に向かってえっちらおっちら進んでいく様子を演じるのだ
そうです。

おとながなんとか、そんな風に物語にはいりこむ方法はないのでしょうかね?
アリスが落ちたウサギの穴のようなものが?