TOEIC対策 外資系企業の英語事情 その二
2010年7月18日
カテゴリ : 多読, 多読的シャドーイング, 多読と受験, 多読のパラドックス
タグ: 多読と受験, 多読の先にあるもの, 試験
「その三」についてはある人に報告をお願いしようと思っています。
「ちなつ」さんの報告は村人の「TOEIC観」をすっかり変えるだろうと予想しており、
こうした報告を積極的に記事にしていこうと考えています。
みなさん、おなじような経験をお持ちの方はどんなに小さなことでもお知らせください!
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わたしは木曜日から夏風邪を引いております。
はげしいくしゃみ、のどがかゆくてたまらずはげしい咳。
熱も少々あったのですが、きのうは友だちと会食、あまりの楽しさにしばし
風邪を忘れておりましたが、帰り際に悪化の兆候が表れ、
夜は37.6度の熱でよく眠れませんでした。
37.6度なんてたいしたことないとお思いかもしれませんが、
年齢が関係あるようで、身体は動かないわ、動かすと節々が痛いわ、
無理して動くと天地が鳴動するわ・・・ 一人で大騒ぎしておりました。
メールの返信もろくろくできない有様です。
(今朝は熱もかなり引いて、全体に症状が薄めになっております。
このまま一日静かにしていれば、あしたにはひさびさの 国立スタバ会 が
できるのではないかと・・・ きょうの夜の様子で改めて掲示板で表明します!)
でもTOEICの話はこの際まとめてぐわーっとやっておきたい。
(変な英語熱はいよいよ燃えさかるでありましょう。
その中でどうやって平静を保ち、ことばの根っこを捉えて揺るがないで
いられるか・・・)
グリーン@TOEIC受けたことがないのが自慢(?!)です。
ちなつさんの報告にな~~にも異存はありません。そうです、TOEICなんて
「まったく見ていません」
そうなんでしょうね。
外資系の企業ではTOEICが使われていないという話は数年前にも一度耳に
していましたが、具体的な話は今回初めて聞きました。
ちなつさんの衝撃の報告に、グリーンさんは「何も付け加えることはない」と
ということでしたが、滔々たるTOEICの流れを考えると、複数の人から証言があった
方が説得力があると思い、ブログの記事にする許可をいただきました。
外資系の場合、日本語版と英語版とResumeは2つ提出しますが、
TOEICのスコアはまず書いていないんじゃないかな?
少なくとも英語版に書いてあることはない。ポジションにもよりますが、
部長クラス位になると(直属上司がCEOやGenaral Managerに なるくらい)
だと、TOEICのスコアが書いてあったらちょっと恥ずかしいかも・・・
(と、私は思う)確かに採用条件に英語はありますよ。でもTOEICのスコアを要求しているところはまずないと思うんですけど。
ではなぜ日本の企業ではTOEICがあんなに重要視されるのか?
これについてはあるIT系大企業につとめる多読仲間が、「さかいさんのいうように、
人事担当者がアメリカ製の試験に丸投げしているのだろう」という意味のコメントを
くださいました。(前便を参照してください。)
「verbal and written fluency in English」云々はあります。
これってみんなこう書くんですよね・・・私だってなんの臆面のなく書いてる!
まさしく自己申告ですが、外人面接があれば1分もかからずに判断されますから、まあ、書かないわけにもいかないので(笑)、決まり文句として書くだけです。TOEICを見る会社というのは、採用する側が、判断できないから書かせる-はい、そうだと思います。TOEICのスコアが当てにならないということを、日本企業の採用担当がわかっていても頼るのか、そもそもわかっていないのかは、私は知りませんが、実際に今まで業務の中でどれくらい、どんな場合に英語を使っていたかを見るほうがまだ当てになる。
なるほど。
そういう視点はないのでしょうかね、日本企業の採用担当には。
会社の採用はとにもかくにも、募集しているポジションのQualificationを見るのであって、英語はあくまで業務を遂行するためのコミュニケーションがとれるかどうか、だけです。よほどのポジションでない限り、相手はNativeレベルの英語も正確な英語もま~~~~たっく期待してませんって。。。まあ、仮にそれに近い英語力があっても、”英語は上手だね”で終わりです。”こいつと仕事ができるか?”ということがポイントですから、一番まずいのは、しゃべらないことです。
ここは上記IT大企業の多読仲間が大きくうなずくことでしょう。
「とにかくしゃべり続けること」という助言がいちばん役に立つそうです。
その点はわたしの授業でもおなじです。
沈黙に時間を作ってはいけない、あー でも うー でも、
とにかく何かを伝えようとしていることは相手にわかってもらうこと、
それが多読的スピーキングの第一歩ではないかな?
(ことばなんか出てくる前に大事なこと!)
最近は外人面接対策があるそうですが、それはホントに無意味だと私は思う。想定問答や模範解答など意味はないのです。だって、面接は初めて会う人と会話することですから、その場で「会話」をするしかないのです。外人面接って大概相手が7~8割喋ってます(本当にみんな話し好きというか、親切というか・・)だから、上手に相槌をうって、合間に口を挟むしかないのですが、これって受験みたいに直前ドーピングでどうにかなるもんでしょうか?出たとこ勝負でひたすら話す以外に策はあるのだろうか?日本にある程度の期間滞在している外人であれば、日本人に合わせて喋ることを心得ていてくれるし(第一声でこいつの英語はこの程度と判断したら、それにあわせて喋ってくれます)、面接を受ける方もどんな会社かくらいはわかっているので、言っていることはまず大体わかります。だから相手の言っていることに対してどれだけ反応できるか(相槌が打てなければ、最低うなずくとか)そしてとにかく話そう、話そうと頑張ってみれば、相手も反応してくれます。あうん、の呼吸や暗黙の了解を期待できない環境で、喋らないということは、なにも考えていない、積極的でない、仕事する気がない、と受け取られかねないし、そもそも何も始まらないし。。。別にカッコいいこと言わなくても、人間同士、短い会話でも案外わかるもんです。
過去問がある試験は準備できることが問題だと前回書きました。
インタビューは準備できないのですね、なるほど・・・
(考えてみれば、準備できない試験でなければ本当に受験生の「対処能力」は
計れないわけか?
それでも準備の仕方を計ることはできて、それは「対処能力」をある程度は
表すのだろうか?)
私は幸運にもいままでTOEICと関わりなく生きてこられたので、そもそも巷のTOEIC熱がよくわかっていません。TOEICの試験問題ができるより、英語で本が読めたり、映画が楽しめるほうが余程すごいんじゃないかと思いますよ。
そうですね。そのほうがすごい、そしてそれがいちばん幸せですね。
人に計られるのではないし、人と比べられるのでもない・・・
グリーンさん、ありがとうございました。
そして、みなさんの感想や意見をお待ちします!