水曜多読講座の報告です! facebook+録音!

2013年7月 5日
カテゴリ : 多読, 多読的リスニング(多聴), 多読的おしゃべり, 多読のパラドックス
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いつものようにNPOの講座の報告をfacebookでしました。

http://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=569018726482526&id=173891809328555

facebookでは録音をどう添付するのかわからないし、
録音などの資料はブログにまとめたいので、添付します。 

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上のリンクのfacebookに報告した記事のうち、録音に関する部分は次の通りです。

もう一つ、book talkで英語不得意組の「多読的スピーキング」にどうも大きな変化の予感があります。いや、あまり大きな期待をしてはいけないと思いますが、電気通信大学の「だれでも多読サークル」以来3年以上になるSさんと、昨年9月にほぼゼロから講座を受け始めたYさんが複文を使いはじめたのです。(二人に余計なプレッシャーを与えないためにわざわざ「複文」という専門用語を使っています。実例は録音つきでブログに紹介します。)

二人とも、メモを作ってきて、book talkをしたのですが、一部の複文についてはメモを見ていませんでした。メモを作ったことで、頭に残りやすかったのか? Skypeでも、メモを作ることでより複雑な構造を使った例はありました。はたしてこのまま二人は複雑な構造を使い続けるのか? メモなしの世間話でもそうした複雑な構造を使うのか? Yさんについてはいくらなんでも早すぎないか? それとも複雑な構造は簡単な構造よりもあとから理解できるようになる、使えるようになる、という「序列」は大人の外国語獲得の時にはどの程度言えるのか? NPO多言語多読の講座は実に豊かな実験場になっています。

それで、Sさんはもう3年以上も多読・多聴をしているので、複雑な構造が口から出てきても
当然かもしれません。それで、Yさんの語った文の注目すべきところを聞いてください。

20130704 YさんThe Flying Chair.zip

0:38秒 から His friends ran to see what was happening. 
原文は They ran to see what was happening.

0:57秒 から Top of the Wall Street is safe to play.
原文は The top of the street is a safe place to play.
なお、この小路の名前は原文では Wolf Street ですが、Yさんの
book talk では Wall Street とわたしには聞こえました。
(The top of the Wolf Street is safe to play in. の方が言い換えとしては
ふさわしいかもしれません。)

3:40秒から Mr Wat, he had been dead several years.
原文は He's been dead for a few years.

うーん、こうして改めて、原文と比較しながらYさんの book talk を細かく見ていくと、
なんだかとんでもないことが起きているような気がします。
こんなことがゼロに近いところから10ヶ月で、可能なのだろうか?

どこがとんでもないのか、思いつく点を挙げておきます。

*言葉の出てくる速さ。たしかに流暢ではなく、外国語で話し始めたばかりの
わかりにくさもあります。その分多少聞く人に負担はかけますが、たとえばわたしの
場合はこういう話し方を山ほど聞いているせいか、じっくり聞けば分かる話し方に
なっています。分かれば、内容はかなり複雑です。

*複雑な(と普通考えられている)構造の文がなんと、原文を変えた形で出てきている!
これが一番の驚きでしょうか、今回は。0:38秒からの文でいえば、They を
His friends に言い換えているところ、そしてなんといっても、原文の現在完了を
過去完了に変えている3:40秒からの文・・・!

(複文や過去完了といった「専門用語」が分かる人は、「そういうのが言えるように
なろう」などと意識しないように!)

*ちょっと細かいので、たいしたことはないと思うかもしれませんが、
  3:40秒からの文は、原文の a few years を several years に変えている!
これはしっかり内容を捉えて、しかも a few と several が近い役割を持っている
ことが身についていないと言い換えられないと思われます。10ヶ月で、この速さで、
こんな風にsummaryができるとは・・・

*この録音ではメモは参照していません。

うーん、このまま行くのだろうか、Yさんは!?

今後の変化に注目してください!

なお、今回準備がどんな風だったのか、聞きそびれました。
音自体は全体にリズムが学校英語ではないし、全体としてカタカナ英語ではない
ものの、一部カタカナになっています。そこで、シャドーイングをやってもらっています。
その変化にも注目を!

そして来週へ向けて、ある企てがありますが、それは来週の報告をお楽しみに!