劇薬シャドーイング再訪 「GRの功罪」にも関係あり?
2013年4月29日
タグ: 劇薬シャドーイング, 学校英語批判
ニュース、報道番組 から ドラマ、映画 へ --ちょっとした方向変換のつもりでしたが、続けるとこれまでとは大きく違ったところに到達するかもしれません・・・
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T さんからこの話題にお便りをいただきました:
私も、ニュースやら、音読用のCDを使ったリスニングの練習にはとても懐疑的です。おお!ずっとそこつついてほしかったです!!もちろん初心者には必要だと思いますし、有効と思います。でも、いつまでもそれじゃ意味ないですよね。
TOEICや,テストのためにも有効かもしれませんが、実際の英語とは違いすぎます。ニュースのキャスターだって、はっきりしゃべりすぎ。(もちろんスピードはものすごいけど)生の英語はあんなにみんなはっきりなんて誰もしゃべってくれません。
もちろん、手加減してくれるネイティブさんならOKですが。そうではない生の英語に、どうくらいついていくか!!そこをもっと追求したいんですよね!それにはやっぱり、いつまでも学習素材で聞いてたらだめだなって思います。
慣れてないと聞こえない音も、もっと状況の中で勘を磨くこと、経験をすることで脳が理解するようになる。この辺をもっと磨いていきたいなって思うこのごろです!
それから、そこにつながるけど会話でのシャドーイングって、スロさんが言うようにもしかして普通のより楽しいんじゃないかな!私は英語でしかしたことない からまったく初めての言語のシャドーイングはわからないけど、最近洋画見ながらシャドーイングのほうがCDより楽しい^^
ニュースや音読用のCDは問題があるかもしれない、とはっきり意識したのはつい最近で、実はわずか2週間前。NPOのお手伝いの人たちが「劇薬シャドーイング 6カ国語版CD」を作ってくれた時なのです! T さんの方がわたしよりはるかに鋭かったということです。
ちょっとだけ言い訳をすると、GRに対する疑念は前から持っていました。また、VOA Special English を英語の獲得に利用することにはだいぶ前から疑問を持っていました。どうも、あれを聞き続けたということで英語がわかるようになったという人に会ったことがない。つい最近、年間50冊のペーパーバックを読み、毎日数時間CNNのニュースを聞いているというとてつもない勉強家に会いましたが、どうもその人の話す英語は音も流れも全体もかなりわかりにくかった・・・
もう一つ。「手加減してくれるネイティブさんならOKですが」については、以前に「いわゆるネイティブの賞味期限は3ヶ月」と書いたことがあります。来日直後は新鮮な、「わけのわからない英語」を話しますが、滞日3ヶ月を越えると日本人には通じないとわかってきて、日本人向けに
修正するわけです。その典型はNHKの英語番組ですね。日本語の少ない番組では普通の英語を話していることもありますが、「基礎英語」になると、もうあまりに日本向けになっていて、不自然ですね。
で、一気に当座の答に行ってしまうと・・・ (そのうち変わるかもしれませんが)
* わたしは「質より量」、「量から質へ」と言ってきたけれど、お勉強の姿勢で量をこなしても質がよくなるとは限らない? (質から入ったら、質がよくなることはもっとむずかしい。)
分かりにくいですね。
要するに「量」というのは多読的な吸収、多読的な溢れ方で、
「質」というのは、単語を暗記したり文法で分析したり、試験でよい点を取ったり
ということだとしましょう。
* GR (Graded Readers 段階別読み物)も、VOA Special English も、CNNのニュースも、「お勉強」になりがちで、「勘を育てない」のではないか?
* そういうお勉強をしている場合は、「100%理解」、「正しい」、「試験でいい点を取りたい」、「資格を取りたい」、「継続は力なり」、「おもしろくなくても続ける」--を追求している可能性があり、そのために体に力が入って、ことばを吸収しにいのではないか?
* そういう場合は自分を外の基準に合わせようとするあまり、自分を見失い、「流される」傾向が強くなるのではないか? つまりこの話題は「学校英語批判」や「流されないために・・・」の話題にも通じている? T さんは「流されないために・・・」にも返信をくださっているけれど、そこにつながっている?
いくら「当面」の結論とはいえ、だいぶ話が飛躍しました。ここまで・・・