雪の岩手から・・・

2013年2月26日
タグ:

全国津々浦々、ゆったりじっくり多読を楽しむサークルができるといいと願っています。

NPO多言語多読はそういうサークルの立ち上げと活動発展の手伝いを活動の
一つに考えていますが、その原型は愛知県をはじめとする図書館多読、
武蔵野三鷹のサークル活動、そして岩手県紫波町のサークルがあります。

つい数日前、雪の岩手からほっこりと暖かい頼りが届きました・・・

*********************************

 多読の皆様、
多読クラブの面々の報告です。
冬期の夜の7時。なぜか雪が降ることが多い多読の日。路面凍結の
ツルツル転(私のゴム長はすりへって滑る)。こんな悪天候だと、昼間の
活動だったら・・・とも思ってしまうのですが、働いたうえに集う仲間の
熱気に溶かされて公民館へ。
以前に、酒井先生にも報告したのですけど、最高年齢の70代の方の変化について。
気管支炎が長引いて欠席が続いてました。多読本を受け入れなかった新設図書館では英語絵本を何冊か入れてありますが、それを利用することにしました。その中で、Mr. Gumpy's Outing (John Burnigham)を読みながら、「いやあ、面白いですね。船にのせてもらいたい人間や動物が頼むとき英語が全部違うんですから」と、英語で発音されたのです!
彼は、2010年、11年と5回だけの多読講座に参加されたのですが、クラブに
入ってからSpringboard を読み、高校や中学のサイドリーダーを見ているようでした。いつか、クラブをやめるって言われそうで、前日や当日に電話したりしてきました。私の気持ちが伝わってしまうのか、「絶対に脱会しませんよ」と声に励まされてきました。またまた頭をもたげる、基本語彙集みたいなもの、必要かなあ?のおせっかい病に襲われそうになったことも。
でも、Burningham が息を吹き込んだ船が、彼を「ふなあそび」に引き込んだのです。
すごくうれしくて。その日は気落ちしていたのですが、ポッと悲しみのろうそくに明かりが灯ったような気持ちになりました。
次に、オルグ活動っていうのでしょうか。昨日の読書クラブに参加した部員の一人。
「CATCH-22を辞書なしで、3章まで読み、概要をつかめました。読みこなれているんですかね。これって多読の成果だと思うんです」と。「易しい英語から始めるってことに、プライドが傷つけられて、この程度ならわかるって思ってそれっきりになるのがいけないんですよねー」とも言いました。さらに「CATCH-22に恐れをなして、2名やめた方こそ、多読で救えないでしょうか?ジェフのクラスのあと多読会とかできないかなあ・・・」と。
これを聞き、熱くなって、ちょいとお酒の助けを借りないと眠れませんでした。
北風と太陽。味噌をつけた樽に山菜を保存すると、味が浸み込んでおいしい。
きっちりと寒いと大根の味がいい。りんごも同様。「ありがたがんす」と農家の主婦が編み物しつつ公民館でおしゃべり。多読もそうだよな・・・。
三陸の方言しか話せない私が、ここ紫波町でつぶやきます。
多読の皆さんのおかげで、クラブが続いています。ありがたがんす。
愚円

なんとも言えません・・・

愚円さんは中学校で英語を教えていて、最近退職されてご自分の蔵書と、
多読支援メーリング・リストに参加しているみなさんからの寄贈を使って、
公民館で多読サークルをはじめました。2年前のことだったでしょうか。

参加されているみなさんの様子を知って、いちばんおだやかな、ゆったりした、
しかしたゆむことのない多読が雪の岩手に根付きそうなきがします。
そしてまもなく春。きっと新しい芽を吹くのではないかな?

愚円さん、本を持ってうかがいます! 
勝手な夢ですが、ストーブを囲んでお話をうかがいたいので、
3月に行けるといいんだけど・・・