716室 guestbook
2009年7月10日
カテゴリ : 多読亭日乗
タグ: 研究室便り
きのうの公開時のタイトルは 「きょうのお客様 716室奇人録」でしたが、
これではきょう来てくださった方が「奇人」ということになってしまうので、
このようなタイトルに改めました。Bさん(下を参照)ごめんなさい!
・・・で、次の行からは改名前と同じです。
わたしの研究室は「電気通信大学東1号館716室」にあります。
ここには実に奇妙な人たちが集います、なぜか・・・
で、きょう研究室を訪れた三人の人たちを軽く紹介しましょう。
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まず最初に紹介したいのは Aさん。
この人は電通大の長期滞在者で、716室に現れるようになって4年目。
はじめは Penguin Readers のいちばんやさしいレベル Easystarts (使用語の
種類は200語)が読めなかったという人ですが、長い停滞、「進歩なし」の時代を
経て、最近のすごいこと!
きょうも来るなり、4冊の本をわたしに見せてくれました。
Darren Shan の第11巻、
Animorphs の第3巻、
Goosebumps を2冊、
ほかに読みかけの本があるとかで、合計10万語を超えています!
7000語を超える本は読めない・・・と嘆いていたのはつい1年ほど前ではなかったか?
そしてこの人は読むのが速い!
2ヶ月ほど前に、 単位に関係なく出席しているクラスで読む様子を見ていて
驚きました。読み始めた児童書があっという間に20ページを超えていた・・・
おそらく1分間に200語をはるかに超えているのではないか?
そういえばきょうもクラスでは Cambridge English Readers の Level 6 を
聞き読みしながら、少し遅いと首を傾げていた。
分速120語から150語のわたしはうらやましくてならない・・・
次ははじめてお目にかかった Bさん。この人も変わった人です。
去年の11月から突如思い立って、ORT を Stage 1から1冊100回ずつ
1.5倍速でシャドーイングしてきたとのこと。
「いま Stage 4 まできましたが疲れました」 と・・・
そして「わたしはどうもお勉強しているのではないか」と考えたそうで、
昨日の夜メールをくださった・・・
さっそくどうぞ来てくださいと返事して、きょうお会いしたわけです。
で、シャドーイングを聞かせてもらうと、実に英語らしい音が出ている!
そばで聞いていたCさんが「そのまま海外に行っても通じる」と断言したほど。
ところが多聴ができないとのこと・・・
聞いても話がわからないのだそうです。
1冊100回だなんて・・・
とんでもない人です。そんな人は聞いたことも見たこともない・・・
まったく世の中にはいろいろな人がいるもんだ!
一人としてだれかと同じという人はいない・・・
で、かなり長い間お話ししたので、かいつまんで助言だけ覚え書き程度に
書いておくと・・・
* シャドーイングは分速300語から400語(倍速再生でもいい)の素材を
意味を考えずに繰り返してみましょう。
いまは繰り返す英文をすべて意識しているので、それをやめてみましょう。
* 水曜日の一般向けクラスに来て、やさしい絵本を読みましょう。
(Bさんは高校のとき偏差値60を超えていたとかで、高速和訳をやっていると
自覚があるとのこと。訳さずに読めるゼロから絵をよく見てね、です。
なお、絵本の仕掛けはまだほとんど気づいていませんでした。)
* 家には少しレベル上の本を持って行って、様子を見ましょう。
場合によっては聞き読みかな?
三番目はCさん。在英語国5年というSEG以来の教え子です。わたしのお目付役
といってもいい。実に鋭い子で(といってももう20歳を超えていますが)
この子の目を通すと世の中のほとんどの嘘は暴かれてしまう・・・
だからCさんがBさんに「英語国で通じる」と言ったのはお世辞でもなんでもない、
額面通り受け取っていいのです。
うーん、でもこれ以上は細かい個人情報になるので、Cさんについてはこの程度に
しておきます。またきっとこのブログに登場してもらうことになるでしょう。
ま、そういうわけで、研究室の主であるわたしはこういう人たちに比べると
フツーの人です。フツーだからこそ回りの一風変わった人たちを冷静に観察できる
のですね。なるほど・・・