原稿執筆中・・・

2009年6月26日
カテゴリ : 多読的シャドーイング, 多読亭日乗
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ご無沙汰しております・・・

学研からまた映画でシャドーイングの本が出ます。
3月に出た「ローマの休日」が評判良かったと見えて、早々の続刊です。
3月の出版後、あちこちのオフ会で、買いましたよと言って本を見せてくれる
人たちがいました。ご協力ありがとうございました。

おかげで、2冊目が出ます。巻数を重ねれば次第にわたしが考えている
映画で「多読的鑑賞」に近づいた本になっていくと期待しています。

ブログの記事が書けないのは、2冊目の本の原稿を書いているためです。
前回の中断も同じ本の原稿書きでしたが、今回は量が遙かに多いのです。
おそらく来週の月曜日午前中までたっぷりかかると思われます。

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今回はディズニーの「ふしぎの国のアリス」--150年以上も前に書かれた本
ですが、あまりに常識外れ、いや常識を越えているので、今読んでも驚くばかりの
話の展開です。

しかもその意外さな展開やとんでもないやりとりがおかしくておかしくて、
40年前に非常勤講師をしていた高校の卒業生と一緒に読書会で取り上げて、
みんなで大笑いしながら読んだのでした。

    (毎回国立駅北口の喫茶店で読書会、そのあとみんなであてどなく歩いた
     のでした、何駅分も。掲示板に登場するある人の家のすぐ近くに高台が
     あって、その人が生まれる直前のころはここが東京?というくらいむかしの
     ままの田舎でした。いまは某女子大が鎮座坐す。)

原作にくらべるとディズニーのアリスは全体に甘くなっているし、せっかくの理屈を
越えた理屈のおもしろさは減じています。それでも Cheshire Cat は良くできて
いるし、最後のトランプの舞う場面はアニメならでは、です。

そして、多読的シャドーイングのためにはどんな音声素材でも役に立つので、
まずは店頭で本を手にとっていただけませんか? それでわたしが担当した解説を
ちらっと読んでください。それで、興味を引かれたら・・・

児童向けに書かれた本で、「アリス」ほどおとなが真剣に大人向けの注釈をつけた
本はおそらくないでしょう。掘ればいくらでもおもしろい話が出てきます。

「みちる」さんが送ってくれた「アリス本」のリストをご覧ください。

酒井先生、こんばんは。
アリス情報を少しお送りしようと思っていたのでメールしますね。

注釈版のアリス(邦訳)は
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4489012195

http://www.amazon.co.jp/新注-不思議の国のアリス-ルイス・キャロル/dp/448900446X/
http://www.amazon.co.jp/新注-鏡の国のアリス-ルイス-キャロル/dp/4489004478/

などですね。
いずれも絶版のようですが、一番上のは中古は結構安く売っているので、
一冊買ってみました。英語版とあわせて読んでみたいと思います。

もう一冊、とてもきれいな本で(買ってはないのですが、昔見た覚えがあります)
http://www.amazon.co.jp/不思議の国のアリス・オリジナル-全2巻-ルイス・キャロル/dp/4915999106/
もあります。

ルイスの絵も、なかなか面白いですよね。

英語版の注釈版は、私も買ってみました。
http://www.amazon.co.jp/Annotated-Alice-Definitive-Lewis-Carroll/dp/0393048470/

最後の1冊はわたしも Puffin Books のペーパーバック版で持っています。
ページの左右にコラムがあって注釈がびっしりですが、注釈も非常におもしろい!

注釈は「ゲーデル、エッシャー、バッハ」を書いたダグラス・ホーフスタッターさんの
前にScientific American 誌に数学パズルのコラムを書いていた Martin
Gardner さん。教え子と読書会で使ったのはこの本でした。挿絵がまたペーパ
ーバックにしてはとても鮮明で、いまもセロテープで補強して大切に取ってあり
ます。(いまのPuffin版は鮮明ではありません、念のため・・・)

それだけではありません。いままで日本の英語教育、英語産業では「発音」を重視
してきましたが、「個々の発音から、文のシャドーイング」へと考えを変えるための
ヒントをたくさん盛り込みます。その意味で、「ローマの休日」に続いて「アリス」の
本も常識をくつがえす本になるはずです。

というわけで、わたしの解説はいまほぼ半分まで来ましたが、まだまだあと半分・・・ 

がんばります!