とどのつまり、わたしの書くことはほとんど全部「脱学校英語」についてなのですね。
ま、それはしょうがない。
世の中のほとんどは学校英語の被害を受けている人なので、
学校英語を洗い流すことができるだけ自然な英語になじむための一番近道ですからね。
で、学校英語の音にすっかりとらわれていた人が、突如抜け出しました。
以下はその報告です。
酒井先生
こんにちは。
17日の金曜講座で聞き読みシャドーイングを先生に聞いていただいたら、
「前回(12月20日)と比べてすごくよくなった」と言われ、私自身とてもびっくりす
ると同時にうれしくなりました。
シャドーイングが苦手で、はじめて講座でやった時も、
本当に一音も声を出す事ができなかったことをよく覚えています。
その後も先生の勧めで劇薬シャドーイングもやってみましたが、
頑固な耳が開かなかったのか、正直言って手ごたえを感じることができませんでした。
シャドーイングを「始められない」ことはよくあります。
速い速度で襲ってくる耳慣れない音に固まってしまうようです。
金曜日のYさんもきっとそうだったのでしょう。
でも、手応えを感じないのにしばらくやってみて、劇薬シャドーイングから
速い英語に移りました。
早いスピードの英語のシャドーイングに移りましたが、
先生に聞いていただくと、「英語でない音が含まれている」とのこと。
たしか英語30パーセント、そうでない音70パーセントという悲惨な評価だったよう
な。
大学で習ってきたのは何だったの?「英語でない音っていったい何!?」
シャドーイングを面白いと思うことなく、しだいにfade outしていきました。
講座のほかのメンバーさんたちはシャドーイングの練習を続けているのを横目で見つつ、私は好きな本さえ読めればいいわ・・・とあきらめムードでした。
それは無理もありません。おもしろくなくて、手応えも感じないのでは
続ける気持ちになれないのは当然です・・・
でもそのままにさせておいてくれないのが酒井先生。
12月に入ってから、強制的に聞き読みシャドーイングが始まりました。
ORTのstage 6から選んでやってみましたが、簡単な文なのにCDと同じように読めない私。
ところどころつっかえてしまいリズムよく読めないのです。
先生は、『マクドナルドの法則』や『なんたらマティーニの法則』(すみません、正
確に思い出せません)を説明してくれましたが、
法則は理解することができても、自分の読み方のどこがその法則に沿っていないのかピンと来ない始末。
ふ~、ため息が出るほど頑固者なのです、私。
こちらも頑固者です。あらゆる方法でcrackしようとします。
(そういえばかつて「半田くん」に「せんせーは強情だから」と言われたのを
思い出します。そうなんだ、ぼくは強情なのか・・・と心に残りました。)
でも事件はその直後に起きたのです。
look
looked
はどう聞こえるか?
両方ともlookなんだって・・・え~うそでしょ!
try
tie
はほとんど同じように聞こえるって、本当なの?
耳障りな音sの音が弱いと指摘され
何度stopって発音しても先生からOKをもらえず・・・
Couldn’tの発音に注意するように言われても
40年くらいこの発音でやってきたんですけど、私・・。
などなど。
とにかく次から次へといろいろな例を聞かされて、頭をがぁんと一発やられたぐらい
の衝撃を受けました。
家に帰って早く音を出してみたくてしょうがなくなり、湯船につかりながらひたすら
発音し続けました。
それから3日間くらいは、何かにとりつかれたように常にぶつぶつtie try die
dry・・と声に出していたように思います。
その時やっと、子音と子音との間に母音を挟んでしまっていた自分の癖に気付いたのです。
お見事! それはなかなか気づきにくいのです。
それも当然ですよね。stop の s の音が出ていない!なんてことは
だれも言われたことがないでしょう。s の音なんて、注目する先生は
いませんからね。
でも、Yさんの場合、 この S の音が転換点だった・・・
そして再度ORT Stage 6を聞き読みシャドーイングしてみました。
子音と子音が繋がっているところがあると、なんだかうれしいという変な感覚。
そしてCDについていけないところやリズムに乗れないところは、思い切って発音するふりだけにしてみました。
以前よりもらくに読めることに気づき、一気に聞き読みシャドーイングが楽しくなり
ました。
文を見ながらのシャドーイングなので、どの部分をとばしたらよいかが分かるように
もなりました。
以上が、お正月休みに起こったことです。
英語らしく読むことに対し、少し欲が出てきたところです。
次回講座で、「あれはやはり幻だったのか」と先生に言われないことを切に願っています。
Yさんの変化はあまりに劇的だったのです。それで、わたしは
「これは夢かもしれない。次回は前のようにカタカナ音70%に戻っているかも
しれない」なんていう、ひどいことをYさんに言ったのです。
いや、もちろんそうはならないという確信はあります。
けれども、不思議なことが起きたという気がします。
シャドーイングではkatobushiさんがひどくはまって先頭を走っていましたが、
先週の金曜日には一気にkatobushiさんに追いついたと思いました。
わたしはYさんに、「なぜこの人に劇薬シャドーイングを勧めたのだろう?と思うくらい
英語の音になっています」と言ったくらいでした。
わずか3週間ですよ! こんなことがあるんですねえ・・・
まだよくわかりませんが、Yさんの場合、劇薬シャドーイングは効かなかった。
速い英語のシャドーイングも効かなかった。そこへ「強制的に」
聞き読みシャドーイングをやってもらって、ついでに英語の音と日本語の音の
違いについてひとくさり蘊蓄を挟んだ・・・それがよかったようです。
(水曜多読講座では、Uさんに劇薬シャドーイングの道を、
Nさんに蘊蓄の道を歩んでもらっています。)
だれにでも「強制聞き読みシャドーイング+日英の音比較」が効くとは
思えませんが、この組み合わせで劇的な変化があることもあると・・・
これはぜひ覚えておきましょう。
さあ、残るは金曜講座の強者Aさんです。
どうやってAさんを攻略するか・・・ わたしは強情ですからね。
まだまだ頑固に攻めます!
でも、どうやって・・・?