GR

韓国語多読の会+GRの功罪

最近やっっとフォーラムに登場したみやさんは実はNPO多言語多読では長い間ボランティアとして日本語多読用読み物(GR)を作ってくださっています。
で、表題の話題で報告を送って下さいました・・・

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「モーリン」さんからメール!

このブログのいくつかの記事に感想を寄せてくれました。

モーリンさん、いつもありがとう。これからもなんでも意見/感想/疑問/注文
なんでも聞かせてください!

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いわゆるGRについて パピイさんの意見にメールが届きました。

この話題の前便に賛成意見が届きました。

酒井せんせい

GRとビジネスについて、私も売り買いや説明を読んだり、さらに学術論文を読んだりする力をつけるのであればGRはいいのではないかと思っています。

何をいくらで何個納入する、とか取扱説明書を読んだり書いたり、それから旅行のガイドブックや海外旅行先の美術館で説明を読んだり、どんな実験を行ったか、結果はどうだったか、を疲れずに読むこと、これらはGRだけでも身につく能力だと思います。
実用書、How to本、自己啓発本などの原書も読めるようになるかと思います。小説ならシドニーシェルダンは読めるでしょう。

それができるようになるだけでも、従来の英語学習と比べるとはるかにすばらしいことなので、その点ではGR多読を否定するつもりはありません。
また、テストのスコアを上げるのに有効ですから、それを必要としている場合、読みやすいGRをたくさん読むほうが多読をしないで文法や単語学習ばかりするよりずっといいはずです。

それだけできれば十分、であれば本当にGRだけでもいいのだと思います。そしてそれで十分の方はたくさんいらっしゃると推測します。

そこでパピイさんは、GRは多読が企業向けに打って出る一つの突破口だと言うのでした。
まったくその通りだと思います。その点はわたしだけでなくこの人も賛成なのだけれど、
GRについてはもう一言言わずにはいられないようです。

GRだけの多読でもつく能力に共通しているのは「感情を読み取る」必要が少ないこと、「共感」「想像力」をあまり必要としないことです。

自転車の補助輪になぞらえて早くはずしたほうがいい、と言ったのは
本当に読みたい英語の本があって、それが読めるようになりたくてGRの本をたくさんたくさん読んだのに結局読めない、あんなに読んだのに、という悩みを聞いたことが今までに何回かあったからです。

わたしもそういう悩みを持つ人にかなりたくさん会っています。

私の印象では、GRばかり読んでいると多読自体を結局やめてしまうことにもつながりやすいようです。(学校の「多読」で嫌いになるのもこの感じ。友達や知人から、お子さんが学校で英語多読をやっていて、でも機械的にGRを読まされてちっとも楽しくないという話を聞くようになりました。)

はい、その点も同感です。これからは「多読があるから英語は嫌いだ」というこどもたちが増えると
予想しています。その一方で、多読は robust and resilient (したたかにしてしなやか) なわけで、
素朴な多読の底力と、変形多読の毒と、どちらが強いかで、数年後の多読に対する評価が
決まるでしょうね。

そろそろ、「多読をはじめた人のその後」の追跡調査をする時期なのでしょう。10年続けて当たり前になっている人、どんどん世界を広げている人、途中で挫折した人、百人百様だと思われます。
例えば、電気通信大の先生の学生さんたちのその後はどうなのでしょう?

多読を始めた人のその後を追跡調査! うーん、なんという発想・・・
なるほど、です。そうですね、そろそろそういう調査が必要かもしれない。
NPO多言語多読のフォーラムやわたしの周りには「うまくいった人」が集まる傾向があります。
「うまく行かなかった人」について調べたいのはやまやまなのですが、
そういう人たちのことは伝わってきにくいのです。

ただ・・・、ただ・・・、わたしがブログなどで「うまく行かなかった人」の様子を見たところでは、
やはり多読のよいところを邪魔するのは、学校英語、試験、理解度、正しい/間違っている、
「お勉強」、単語暗記、文法問題集といったところのように見ています。

そしてGRはそうしたものにきわめて近い・・・ように思える。
でも、そのあたりをもっとしっかり確かめたいし、
わたしの感触は間違っているかもしれないので、
まだまだGRについてみなさんの意見を知りたいです。

連絡先は次の通り!twitter: kunisakai
Facebook: 酒井邦秀
Skype: skunihide
メール: info atoma-ku tadoku.org

よろしくお願いします!

いわゆる「GR」の功罪について NEOさんから・・・

NEOさんもまた古い仲間です。非常に勘が鋭くて、というより勘だけで
生きているのでは?と思うくらいです。(失礼!) でもその鋭さには
驚くことが多くて、いままでにも何度もブログに登場しています。

先日NEOさん状況の折、フォーラムでもお知らせしたように、新宿
南口で歓迎オフ会を開催。その時にGR(段階別読み物)について
とてもおもしろい話が出たので報告を書いてくださいとお願いしたのでした。
ほぼそのまま引用します。 続きを読む

字幕なし多観について キャラクターが鍵?

やはり字幕なしで映画やドラマやアニメを楽しんでいる人はあちこちにいる
と見えて、きょうも報告がありました。

実に示唆的なので、字幕なしに関する部分をそのまま引用します。

字幕なし多観が楽しく続けられるかどうかは
どれだけ(言葉がわからなくても)登場人物の気持ちを想像し共感できるか
それと
お気に入りの(または気になる)登場人物がいるか
にかかっているように思います。

この登場人物(キャラクター)というのが
見続けるのに
けっこう大事なんじゃないか、と思っています。

これが面白ければ、それだけで目が離せなくなって
ストーリーさえわからなくても見続けてしまうのが
人間の特性かもしれません。

私の姪は2才くらいから「相棒」が大好きでしたし
娘も3才のとき「渡る世間は鬼ばかり」の
再放送にはまっていました。
息子の友だちは2才の頃、まだ片言のときに
「はぐれ刑事純情派」が大好きで
藤田まこと演じる主人公が出ると
「ハグレ、ハグレ」と興奮して見入っていました。

2歳や3歳のこどももドラマの世界や物語に惹かれるのでしょうか?
おそらく惹かれるのでしょうね。

彼らが殺人や鑑識結果や店の経営や嫁姑問題などが
わかっていたわけではないけれど、
1時間ちかくずっと鑑賞していられたというのは
お気に入りの人物が笑ったり困ったりののしりあったりすると
もう目が離せなくなってしまったからだと思います。
危険な目に合うと自分もドキドキしていたみたいです。
(ちなみに、これら国民的ドラマを酒井先生は
知らない可能性がかなり高いと推測します・笑)

それにしても2歳の頃に、藤田まことの威力が分かる?!
わたしたちは世界について、歴史について、人間について、とんでもない
理解力や吸収力を持っているのでしょうね。
まだだれもどれほど広く深く高いのか、知らないのでしょうけれど。

私も昨年の秋から思うところあって多観を始め
12月にメリッサさんとお会いしてからは
ますます字幕なし中心になりました。

連続ドラマなら、登場人物になじんできて
その人の癖とか習慣とか性格がわかってくると
その回のストーリーが大した話でなくても
キャラクターの魅力で楽しめます。

あの世界的な、近頃また現代に現れた探偵さんも
頭脳明晰だけどコカイン中毒だったりするキャラ、
口ぐせ、決め台詞、あの挿絵の造形(帽子、コート、パイプ)
がストーリー以上に人々をひきつけるものだから人気者なのでしょう。

機関車トーマスだって汽車なのに
それぞれの性格や癖がはっきりしているのを
子どもたちはちゃんと見分けています。

そういえば、魅力的なキャラクターのいないヒット作はないような?

今回、先生のブログで
受講生のBさんのDesperate Housewives のメモと
パピイさんのコメントを興味深く拝見しました。
私もこのドラマにはまったことがあるので
なおさら、なるほどと思ったのかもしれません。
10%しかわからない、というのは話されている英語のことでしょうが
このドラマを最初から見ていれば
登場人物設定と展開が、たぶん英語が全くわからない方でも
わかると思います。
それぞれがどうなっていくのか、次々新しい人も出てくるので
興味が尽きることもないし
わからない部分があっても、どうなっていくのか楽しめるはずです。

それと、このキャラクターへの思い入れ、共感、というのと
例のGRの弊害の話は実は関係があると思っていますので
そのうちお話ししますね。

場面と展開と表情と声音(言っていることの「理解度」ではないです)について
パピイさんと同じ感想と言っていいのでしょうね。

さらに長くなってしまいそうですので
劇薬?多観についてもまた次回に。
私、20年以上前は何も考えず平気でやっていました。
知らない土地の映画館に入って知らない言葉の映画を見るのが楽しかったです。
香港で広東語の映画を見るとか。

ひとつヒントになりそうなのは、NPOにもあるピングーです。

次回を 非 常 に 楽しみにしています!

それから、段階別読み物(GR)の弊害についても、ぜひ意見を聞かせてください。
わたしは実は1年半くらい前からその話題についてブログに下書きを貯めています。
それで、実はまもなくそれを記事として公開しようと考えていたのです。
ご意見を楽しみにしています!

追記
字幕なし多観のよさと、GRの弊害は同じコインの裏表だと、わたしは考えています。
その意味でも、この人の次回の報告は楽しみです。