最近(というのはここ5年くらい?)講演でよく言うのは、
*日本の英語教育、英語学習が役に立たなかったのは
触れる英語の量が少なくて、しかも質が悪いからだという話です。
量の少なさはわたしの「マウス・アート」で説明します。
質の悪さはOxford Reading Treeシリーズのごくやさしい絵本で説明します。
(「さよなら英文法 多読が育てる英語力」にくわしく書いてあります。)
そのOxford Reading Treeシリーズの絵本は A Cat in the Tree で、
この1冊で目から鱗が何枚も落ちるのですが、中でもみなさん驚くのは
はしごを下りてくる様子を climb down the ladder と表現している二個所。
これを発見して以来、わたしたちが学校英語に寄せる信頼を崩すのに
この絵本は大活躍なのですが、SSSの掲示板で climb は登るではないと
書いて以来たくさんの人が「そういえばこんな例がありました」と報告を
寄せてくれます。
たまたまつい最近二人の人がとても示唆に富む例を報告してくださったので
紹介します・・・
climbに関して:YouTubeの日本で地震を体験した家族の感想を聞いてみた!EARTHQUAKE IN JAPAN
2:28 頃テーブルの下に潜る、または隠れる(このユーチューバーが作った字幕は「テーブルの下に行こう」となっている)話で、 climbが出てきます。climbってwalk, crawl系の言葉で、英語には登るって概念?がないのでは。
climb under と言っていますね。なお、これは東日本大震災の揺れを経験した
北米出身者の感想だということも聞き所です。
1冊は Winnie-the-Pooh で、プーさんが蜂蜜をなめすぎて木のうろから
出られなくなる場面
broke a hole big enough for Mowgli to climb through や、
tさんの引用の最後にあるように、「climb は walk, crawl 系のことばで「登る」
という概念はなさそうですね。
つまり「on=上に」はまちがい、というのと似ていますね。
その人はそれが間違いだと聞いてびっくり、わたしは大学で英語を教えているのに
びっくりしているというので、びっくりだったことがあります。
楽しみです。tさん、Sさん、ありがとうございました!