これから紹介するお便りは個人を特定できないようにあちこち伏せ字になっています。
こういうこどもが(そしておとなも)平気で、「ぼくは文字が苦手」と言えるようになるといいと思います。
今までの文化(?)は文字に偏りすぎ!
(そんなもんとうてい「文化」とは言えないと思うのですが、
なにしろ古来文字の働きはあまりに大きかったので・・・)
現在小6のこの男の子はちょっと不思議ちゃんです。
絵本(和書)を読んでもらうのが大好きで、赤ちゃんの頃からお母さんはたくさんたくさん読み聞かせしたそうです。でも文字には興味をみせず、就学前に慌ててひらがなの名前を教えたそうです。
私の娘たちが通った自由保育の同じ幼稚園で勉強なし。でも友だちとのやり取りやお手紙ごっこでいつのまにか覚える子が多いようです。
この子のじゃんけん嫌い,勝ち負けのあるトランプなどのゲーム嫌いは学校に入っても続きました。
小学校入学後は漢字が覚えられなくて親子で苦労。ありとあらゆる“~式”を試みてもこの子に合う方法に出会わなかったそうです。
利発で物知りなので、学校の先生にはサボってると思われるそうです。
[ひとつだけ合った~式があったそうですが、上の理由でリンク省略]
この子は音声習得に長けた子です。小4の時、学校で受験させられた漢検は信じられないことに98%正解だったそうです。あっという間に忘却も起きるとお母さんは笑ってます。
実はこの子が準1に合格した私の生徒なのです。生英語と日本語抜きおしゃべりレッスンであっという間にペラペラに。学校英語には汚染されていません。
3-6才の時、○○○で英語オンリーの体遊び。家ではなにもしていません。○○○の教材が日本語と英語交互で疑問に思ったお母さんは聞かせなかったとのこと。
小1で私の所に入会しORTで多聴スタート。What’s your name?にも沈黙する子でした。MagicTreeHouse48巻聴破した小3で突然カタコトでアメリカ人講師に話しかけたのを鮮明に覚えています。交通博物館でのアメリカ人講師との課外授業の帰りのバスの中のことでした。
その後一気に英語のおしゃべりがブレイク!!
ジュンク堂に通い本人が読みたがる本を購入し続けたおかあさんに依るところが大きいと思います。教室の蔵書が追い付かなかったもので。
書くのが苦手 、スペルも苦手。いまだに自分の名前のかみをcameとかcamiとか書いています。これってネイティブ同じ間違いと私は喜んでますが、親は英検直前必死にローマ字の名前の特訓をしたそうです。解答用紙は申込みの時と同じスペルにしないとだめだそうで。
英検って、ばかですね!
もっとも英検の試験自体が文字を使えなければ受験できないもの。
うーん、日本の「教育」は遅れている、いや「遅れている」が
悪ければ、「いろいろな人がいること」を考えていない。
準1はエッセイがありますが、採点者はネイティブで彼の間違いは許容範囲???それなりに得点してましたので。
「いろいろな人がいること」を当然と考える人は、
わたしの知る限り日本より英米に多いように思います。
表面的な違いよりも深いところを見ようとする人が多いようです。
そこで、表面的な綴りや文法の間違いで減点するのではなく
言いたいことを表現できているかどうかを採点する!?
(以前に電通大の英語ライティングの採点方法について書きました。
たぶん今でもこうした採点方法だろうと推測します。)
漢字の話が英語になってしまいましたが何かお役にたつのでしたら嬉しく思います。
知恵後れのこどもの文字習得(読む)の臨界期は2才と耳にしたことがあります。こどもによって、最適の時期って様々なのでしょうね。
世間や文科省や学校は「知恵遅れ」の一言で片付けるのでしょうが、
それは絶対おかしい。人それぞれの得意不得意、うれしいこと
悲しいことがあるのだから、とにかく一人一人を見なきゃ。
世間や文科省や学校が経済のための「人材」を育てようとするなら、
わたしたちは徹底的にそれに抵抗します。
この男の子はYさんの教室に通って、とても幸運だったと思います。
Yさん、お便りをありがとう!