肚裡さんから来たこの話題、決しておかしな質問ではないのです。
実はこのあたりに たくさん英語に触れて、たっぷり吸収しているかどうかの分かれ目がある・・・
言い換えると、たくさん触れていてもたっぷり吸収していない場合があるのですね。
もちろん吸収を妨げるのは・・・
ちょっとおかしな質問かもしれませんが、
How long have you been living in London?という文は日本語で考えれば、どのくらい長くロンドンに住んでいるのかと、この英語文じたいを理解してしまいますが。。。
ちょっと話をずらして、他県から東京に出て来た人に、いきなり東京にはどのくらい長く住んでいるかを尋ねることは、あるようであまりないというか自分はそういう状況にいままで出会った覚えがありません。そうすると、僕にとってはHow long have you been living in London?は学習するようなロールプレイング的英語ということになるのでしょうか?
「普通の文」 にはいろいろな側面があるでしょうけど、これも一つ大事な切り口だと考えています。
つまり、ある文があったとして、(英語、日本語に限らず何語でも)その文が普通に耳にする文かどうかは
その文が使われる状況をすぐにいくつ思いつけるかどうかだと、わたしはずいぶん昔から(たぶん20年は前から)
考えています。
つまり 普通の文 と 普通ではない文 をきれいに分ける一線などはなくて、
どのくらいすぐに思いつけるか という程度の差なのですね。
そこでktbさんが一口で言えるという How long have you been living in London? という文はどの程度
普通の文か、考えてみます。
肚裡さんはこの文が使われる状況は限られているようだという勘が働いたのですね。
そこでこの文が使われる状況を考えてみたようです。
その結果、少々限られるのではないかという結論になったのでしょう・・・
もう今の時代ではないのかも知れませんが、なまりを全然感じないから、東京のいろいろな場所に着いて詳しいから、などならどのくらい長く住んでいるのかと尋ねることはありそうですよね(でもなまりのことを話題するのはかなり親しい間柄になってからでしょうか)。
How long have you been living in London?の How longを想起させるものが無い人にとってはHow long have you been living in London?は意味の無い文または勉強英語になってしまうのでしょうか?
「ロンドンに住んでいます」
「ロンドンにはどれくらい長く住んでいますか?」では勉強英語ですよね?
実はわたしもこの文を読んですぐにそれを考えました。
わたしが思いついた状況も肚裡さんが考えた「なまり」のことです。
How long have you been living in London? は 「この人、スコットランド出身と言ってたけど、
全然スコットランドなまりじゃないぞ?」という疑問からこの質問が出てきたと考えると
この文は 普通の文 ということになるのではないでしょうか?
(もちろんここでは 出身地となまり に疑問がある場合だけではなく、
出身地とロンドンに関する知識の量 に疑問が生じたなんていう場合でもいいでしょう。
たまたま肚裡さんもわたしもなまりのことを考えたというだけです。
話の中で相手が「スコットランドで育って・・・」などと言い出して、「じゃ、ロンドンには
長いのかな?」などと疑問に思った場合もこの質問が出てくるでしょう。)
なんかうまく伝えることができませんが。思うのはことばの完成の仕方は人それぞれということくらいです。
変な質問ですいません。肚裡
いや、変な質問ではないです。大事です。
Bitesize の大きさを確かめるために 普通の文を実例にしようと考えた のでしたが、
その続きで出てきた英文が 普通の文 の別の側面を見せてくれたわけです。
ただ 「ロンドンに住んでいます」 と言われただけで、すぐに
「ロンドンにはどれくらい長く住んでいますか?」 と質問するのでは、
まさに勉強英語あるいは学校英語あるいは英作文スピーキングですね。
注 普通ではない文について
そこで、もう一つ付け加えると、普通ではない文 というのは
「その文が使われる状況が思いつきにくい文」ということになります。
けれども日本では絶対に使われる状況を思いつけない英文が英語学習書にはいくらでも
見つかります。というより、使われる状況を思いつける文は滅多にありません。
それは伊藤和夫や竹岡広信という人の参考書がその例でしたね。
なぜ状況を思いつけないかというと、どこかで見たり、観たり、聞いたりしたことのない文を
作っているからですね。まだ自分から書けるほど英文に触れていないし吸収していないのに、
「借りる・盗む・真似する」段階をすっ飛ばしてしまったのです。
注の注
伊藤和夫さんの英文については 「どうして英語が使えない? 学校英語につける薬」を
見てください。竹岡広信さんの英文については こちらの記事 を見てください。