多読的スピーキング

多読的ライティング やさしい英語が荒々しく溢れるとき・・・

多読的ライティング という題名で中学2年生の男子たちの書いた英文を紹介しました。
それにモーリンさんが自分の「書きたい衝動」について書いてくれて、
もう一つ、体に溜まった英語が溢れた時のことを綴ったメールが来ました。

そういえば、電通大に研究室があったころ、たくさんの人が研究室を訪ねてくれましたが、
たまさか来訪希望の日時にわたしが大学にいないことがありました。

そういう時、わたしはたいがい「どうぞ来てください。ただ、ぼくはいないから下の事務室で
鍵を借りて、勝手に入って好きなようにしてください」と返事をしたのでした。
で、「終わったら鍵は6階のメール・ボックスに入れておいてね」と・・・
事務室の人は次の日、メール・ボックスから鍵を回収して鍵箱に戻したのでした。

はは! のんびりしたものでしたね。そういうある日の思い出とともに紹介します。

電通大のあの本がいっぱいの研究室に、ひとりで、朝から晩まで居座らせてもらって、かたっぱしから本を手にとり、よみつづけた夏の日のことを、おもいだします。せんせいも留守で、本とわたし以外、ほんとに誰もいなくて。その帰り道でした。モーリンさんのメールにあったみたいに、わたしの頭のなかも、みじかい、たくさんの英語がぐるぐるしてました。それが、あふれだそうとしているみたいに、書いたり、話したり、したくてしたくてしょうがなくなって。帰ってから、一気に英語でメールを書いた。楽しかった。あれは、宝物の一日でした。

ゆっくりと外国語に浸って、物語を静かに味わって、急がせることなく体の奥にしまっていくと、
逆にこういうことが起きるのかもしれませんね。わたしも時々そうやって、何の邪心もない
愉しみ方をしてみたいものだ。

マクドナルドの法則 日本語と英語は音の繋がり方がちがう

この話題の一つ前の記事のお題は・・・

1. 日本語で マクドナルド をできるだけ速く言ってください。

2. 英語で McDonald’s をできるだけ速く言ってください。

でした。

出来るだけ速く言おうとすると、おそらくマクドナルドの、
 も  も  も  も  も  も、一つ一つ全部短く、
速く言ったのではありませんか? つまり・・・

ゆっくり言った

  マクドナルド

に対して、

マクドルド

という風に言って全体を速く言ったはずです。
それが日本語の音の繋がり方の特徴だからです。

それに対して、英語の音の繋がり方は日本語と違うので、ゆっくり言うと

  McDonald’s

ですが、速く言うと

McDonald’s

(どうしてもこの記事の中では Don だけを大きく表示することができませんが、
速く言った Don は、ゆっくり言った Don と同じ大きさ(=長さ)だと思ってください。)

日本語は文字をすべて同じ短さにして、全体を速く言います。
これを 音節平等主義 というなら、
英語の特徴は 音節弱肉強食 とでもいいましょうか。
強い音節である Don の長さはどんなに速く言っても変わることはなく、
かわりに前後の音節を犠牲にして極端に短くしたり、消したりして速く言います。

これはとても大きな違いで、わたしたちが英語を聞いて何を言っているかわからない、
英語を言ってなんと言っているか分かってもらえない、そのいちばん大きな原因だと
わたしは考えています。

日本語の音節平等主義をそのまま英語に持ち込んだ学校英語がどんな風に
現実の英語と離れているか、そのためにわたしの聞く・話すにどんな影響が
あらわれているか、引き続き考えていきましょう。

離陸の図解のために 朝令暮改--昨日の晩の今日の朝でもう?!

たとえというのは気をつけなきゃいけませんね。

「離陸」というのは多読にぴったりのたとえだと思うんですが、
(その点は変更の必要はない。なにしろ「独り立ち」が目的だから)
離陸する飛行機というのはいわば一直線に昇っていきますが、
多読でみなさんが学校英語から自由になる経路は決して一つではない!

それこそぴ~ママさんやakoさんのように、多読の途中で絵本に引っかかって
ずーっと絵本を読む人、児童書に引っかかって当初のペーパーバックを楽しむ
という目的を忘れたYYYさん、本は読まずに俳優の追っかけに英語を使っている
YYYさん、ロマンス本にはまったYYYさん(多数)、XXXさん(一人)、
BLにはまったYYYさん(複数)、翻訳に向かっているYYYさん(複数)などなど、
「完全に離陸」したあとはいろいろ楽しみ方があるわけです。

従って、離陸を図解するとしても、各段階を・・・

1冊の語数やラベルの色 で決めつけてはいけない!

そんなものは本棚から本を取り出すまでの目安に過ぎない!

逆に言うと、語数も色ラベルも気にしないで好きなものを好きなように楽しむことが
本格的離陸ですね。楽しめないものを一言「いまのわたしには合わない!」
と切り捨てる自由さえ手にする!

反省とともに、語数や色ラベルに囚われない図解を考えることにします。

離陸の図解のために

最近こういう一文のあるメールをもらいました。

さかぺんに報告出来る事は、Tadokuから完全に離陸して、大空を飛び回っているって事かな!

これ、実はわたしが考える「完全な離陸」のたとえと同じなのです。
最初は飛行場の滑走路のように、ある程度レールの敷かれたコースを、
Stage 1 から Stage 2 、Stage 3、Stage 4 というように助走します。

そのうちスピードもスタミナもついてきて、離陸態勢に入る。
前輪、後輪と滑走路を離れて、機体はふわっと air-borne になる。
これが「不完全な離陸」ですね。まだ地面を離れただけ、空の旅には先がある!

この段階の離陸を多読でいうと、絵本から挿絵入り本に移るあたり、
NPOの色ラベルでいうと黄色、1冊あたりの総語数でいうと5000語から1万語くらい。
挿絵は間遠になり、挿絵だけ見たのでは話はさっぱりわかりません。

で、飛行機はふわっと浮くとすぐに車輪をしまいます。黄色ラベルの厚い本、
1万語くらいの本を気持ちよく読めるようになるのがこのあたりでしょうか。

でも、まだ飛行機は急上昇を続けていて、わたしなどはまだ息を詰めて、
この高さなら墜落してもかなりの確率で助かるのではないか? などと
気休めを思いつつ、街の俯瞰図を楽しんでいるあたり。

多読支援する人にとってもこのあたりは伸びについていちばん気を遣う
ところですね。無理に機首を上げると失速します。それに黄色ラベルになると、
それ以上上昇しなくても十分おもしろい本があるので、
ゆっくり時間をかけたいところでもあります。

そうやって息を詰めていたのが、少し楽になるのは、シートベルト着用の
サインが消えた時。トイレに立つ人、頭上の荷物置きから何か取り出す人、
なんとなくざわざわしてきて、客室乗務員が飲み物の用意をする音も
聞こえてきます。さあて、ここからの数時間をどうすごそうかと、
上昇よりも楽しみの方向へ気持ちが向き始める。
(絵本にはまってずっと絵本を楽しむ人もいるのだから、ラベルの色なんて
ほとんど意味がありませんが、字ばかりの本でいうと、そうですね、
緑ラベルに入ったあたりでしょうか。)

けれども最初のメールの人がいみじくも書いた「大空を飛び回る」のは
もう少し先かな? それは水平飛行に移って巡航速度で進み始めたあたり。
それが完全な離陸ですね。青いラベルまたは1冊の語数にして
3万語から5万語くらいの本を気持ちよく読めるようになったら、
このあたりですね。

1万メートルの上空からはどこへでも行けます。近い外国、遠い外国、
遠い国内もおもしろそう! 外国語の本を選ぶにしても、もう語数は
どうでもいい。好きな作家を見つけに空を飛び回ります。
飛び回るうちに今まで好きになるとは夢にも思わなかったものが
好きになるかもしれない!

追記 ついでに次の記事も必ず見てください。短いです。

それは絵本作家かもしれないし、何かの専門分野かもしれないし、
外国の友だちかもしれないし、ブログを外国語で書くことかもしれない。
Skypeで新しいことを始めるかもしれない・・・

大事なヒントをありがとう、ぴ~ママさん!

いま多読について書いたことは聞く、話す、書くについても言えます。
要するにすべて、簡単なところからはじめて、少しずつ複雑な方へ・・・
支えありから支えなしへ・・・

いわゆる4技能は読了語数や色ラベルと同じで、目安にすぎませんが、
聞く、話す、書くについても、具体的に離陸を図解できたらと考えています。