決まり文句に文句!? islaverdeさんからのお便り

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わたしには暴走を止めてくれる人たちが何人もいるのです。
これまでわたしはその時々の思いつきで後先や回りを考えずに突っ走ることがよくありました。

最近印象的だったのは、「外国人英語教師の賞味期限」事件です。
ひどい言い方だと、すぐに「賞味期限とは何事だ!」と抗議のお便りが来てやっと、
考え方がよくなかったと反省したのでした。
(「誤解させたとすれば申し訳ない」ではなくて、正真正銘わたしの根本的考え違いでした)

今回は九州のお目付役 islaverdeさんが、厳しいブレーキをかけてくれました。
言い訳も含めて、続きでお話しします・・・

先生こんにちは。

先生が決まり文句の話題を出されてから
ずーーっと何かが心に引っかかっていました。
とにかく、決まり文句と、そうでない(普通の?)語句との違いがわからない。

そこがわたしの「決まり文句論」の最大の弱点でありまして・・・

ものすごく理屈っぽくいうと、
例えば、
I haveと始めると、後に続く言葉はその時点で、既にかなり限定されていると思うのですよ。
「文法的に正しいかどうか」という基準で見ると、かなり何でもありになるでしょうが、
「実際に使われているかどうか」「違和感を感じないか」という基準にすると、ぐっと数は減るはず。
そして、どういう場面でI haveと言っているか、というところまで絞り込むと、もう、数えられるくらいになるのでは?
と思うのです。
なので、決まり文句の基準とは?というのが正直なところです。いや別に基準なんて要らないし、決める必要もないのですが、
「これは決まり文句だ!」というのが出て来なかった。。。

いやいや、たくさんの人に決まり文句の大事さを納得してもらうには、
基準とまでは言えなくても、「ああ、そういう感じね」くらいには手応え(?)のある
説明ができないといけません。いろいろ考えてはいますが、まだすっきりと、
はっきりと、説明できていません・・・

そんなことを思いつつも、
先日、とある用事で昔のメールや、過去の掲示板を見ていて
決まり文句なのかは分からないのですが、むかし、英語ではこういう言い方をするんだ。面白いなと思った表現を思い出したので、
メールしてみます。
両方とも多読前に知った例です。

*do the dishes
“wash”とは言わないんだと思ったこと。theが付いている理由が当時は分からなかった。今だとしっくり来ます。
(シンクを眺めて、ああ、とため息をつくにはtheが付いていないといけない)
(脱線して、文法的にOKだからと複数形になると全て冠詞を省いてある英文をちらほら見かけますが
文法から入る弊害がここに、といつも思います。今さらですけど。こんな表現を知ってたらとても変に感じてしまい、まともに読めない。)

*call in sick
今でも、この言い方は、知らなければ何のことか分からないと思います。
ちなみに、この表現を知った当時はcallしかなかったですが、今では
mail in sick とか言うのか、是非知りたい。

もうひとつ、これは多読をしていた時に見つけたお気に入り表現で、
むかしむかしブログに書いていた例なのですが、
“He has a good sense of humor.”
これがほめ言葉ではないところが、何ともイギリス。

もしかしたら、趣旨とずれているかもしれませんが、その場合はそっと黙殺してください。
では〜。
islaverde

いえいえ、文句をつけてくださったところは趣旨にぴったりです。
でも、実例が始まったあたりからはぼくの言う決まり文句とは多少ずれているかも!?

挙げてくださった例はどれもこれまで「熟語」と呼ばれていると思われます。
じゃあ、熟語と決まり文句はどう違うんだ?っていうことですね、今度は。
たったいま、思いつくままに違いを挙げてみます。

*熟語は短くて bitesize に達していない。決まり文句はたいていbitesize。
(じゃあ、bitesize ってなんだ?)

*熟語から場面は思い浮かばない。決まり文句からは思い浮かぶ。
(短いから当然とも言えますが・・・)

*熟語はそれらしい「目を惹く」特異さがあります。
たとえば do the dishes がそれで、日本人ならたいてい「何これ?」となります。

*決まり文句はたいてい目を惹きません。地味!
たとえば Get out! や Stay with me. なんていうのは特異ではありません。
特異ではないし、目は惹かないけれど、使われる場面はパッと思い浮かびます。

それ以上は思いつかないな。おかしいな?

決まり文句については「さよなら英文法 多読が育てる英語力」にもかなり
長い説明があります。図書館で見つけて(なければリクエストして!)参照してください。

islaverdeさん、とりあえずこんなところで議論を続けましょうか?
またいずれメールをくださいな。楽しみにしています。

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