なりきりシャドーイングについて Tさんの録音に想う

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

シャドーイングを聞かせてもらうときには、聞きながらたくさんのことに注目します。
今回聞いていただくNPO多言語多読の講座受講生 Tさんのシャドーイングについても
ポイントはたくさんありますが、全部言ったら話の焦点がぼけるので、
今回はただ1点についてだけ書きます。それは「なりきりシャドーイング」!
わたし自身に大きな影響を与えそうな話題です。

まず、昨年11月のTさんの録音を聞いてください・・・

シャドーイグを聞かせてもらって、わたしはときどき「分厚い音が出ている」と、
感想を言います。上の録音で、Tさんの声の出方に注意してもう一度聞いてください。

分かりにくいかもしれないので、声の出方が対照的な2年前の録音を聞いてください。

 

とてもはっきりちがいますね。二つ目は口元だけを使っていて、控えめな声ですね。
(カタカナ英語がほとんどないところはすごい・・・)
最初の録音はおなかまで行かないかもしれないけれど、
胸くらいから声が出ているようです。

そのせいか、英語らしい音が出ている。
たとえば最初の録音の最初に出てくる Home なんていうよくある語の、
最初の h の音が日本語ではありえないくらい激しく出てますね。
ほかにも s や sh の音が耳障りなくらいに強く出ていて、
その迫力にわたしはびっくりしたのでした。。

(いつもいつもそんな風に強いわけではないですが、
元の音が強いところでちゃんと激しい音が出ている!)

で、わたしはどう影響されようとしているか・・・

夏から秋にかけて、わたしは英語で講演するためにわたしは海外ドラマの
シャドーイングに励みました。速くしゃべりたいからでした。
(それはある程度うまく行きましたが、時間が短いことをよく考えずに
臨んで、大失敗!)

ドラマの速いセリフについていくうちに、きがついたことがいくつかあります。
*わたしは喉を締め気味に英語を話している。
*おなかから声を出さないと出ない音がある。
(どういう音か、まだ確かめていません。)
*聞こえてきた音を頭を通して確認しながらシャドーイングしている。
(いつもみなさんに「耳と口を直結」と言っているのに自分ではできていない!)
*そのせいか、一語一語を意識していて、bitesizeを一息で繰り返してはいない
(これもふだん自分が言っていることと違う!)

というような実情を知って、わたしはどうしたものかと考えていました。
そこへ Tさんの分厚い音! どうしてあんなに分厚い音になったのか知りたくて、
Tさんに講座のときにいろいろ尋ねました。

その結果なりきりシャドーイングのためかな?と今は考えています。
なりきりシャドーイングは前から考えていました。
けれどもシャドーイングの最後の段階から始めるものだと思っていました。
どうもそれがひっくり返って、最初からなりきりシャドーイングをやった方が
いいのかもしれません。

Tさんの例を見ると、なりきりシャドーイングで得られる
いいことはいっぱいありそうですね。
子音が強くなるなんていうのはごくささいなことで、
ほかにも母音のこまかいちがいがそのまま繰り返せたりするのですが、
いちばん大きなところではメロディーやリズムが英語の特徴を持ち始める!

いま気が付いたのですが・・・

そうか! なりきりシャドーイングもトップダウンだ!
まず大きく英文のメロディーやリズムが英語の特徴を獲得して、
それから次第に細かい特徴が口から出るようになっていくのかな?

(字幕なし多観もリスニングの最後の段階かと思ってましたが、
なんといまは最初からやったほうがよさそう。そもそも多読だって、
日本語に訳さないで読むのは最後の最後と思われていたのをひっくり返したのですが。)

わたしはそれから、海外ドラマを見ながら、無線のヘッドホンをして、
立ち上がって弁護士や検事や被告や判事のまねをしよう。
成果についてはまた報告します。

Tさん、きっかけをありがとう!
お礼に一言助言・・・ まだ声の出し方に力が入っていますね。
おなかを楽に使えるようになって、力を入れずにおなかから声が出るように
なるといいかもしれません--ただし、これは自分でもできていないことを
助言しているので、どこまで信用していいか、わかりません!
ま、一緒に実験していきましょう・・・

ここからはみなさんのことです。

それで、ひょっとするとシャドーイングは「なりきり」から始める方がいい
かもしれないと思い始めたのです。

1月29日のシャドーイング特別セミナーでも、
参加のみなさんになりきりをやってもらうことにします!)

とりあえず以上です。

******************************

みなさんからもシャドーイングの録音を送ってもらって、
それで助言したり、Skypeで聞かせてもらって助言するなどなど、
いろいろ考えていますが、とりあえずは1月29日に
シャドーイング特別セミナーに来てくだされば一人一人助言します!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る