決まり文句の復活! bitesize が呼び出した・・・

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考えてみれば当然のことで、こんなことになぜ気がつかなかった
のだろうとがっかりしますが・・・

前からわたしが言ってきた「決まり文句」は(たぶん)全部 bitesize
なのですね。

わたしの相も変わらぬ鈍さを少し嘆かせてください・・・

わたしの決まり文句への興味は古いです。
そもそも1998年から1999年にかけて(だったかな?)
オックスフォード大学に研修に行ったのは、決まり文句の研究の
ためでした。

オックスフォード大学は当時大英図書館などと協力して、
British National Corpus (BNC) という「全文データベース」を作っていて、わたしが行った時はすでに完成していて、そのデータベースの
中身がどんくらい現実の英語の使われ方を反映しているか、
たくさんの学者がよってたかった確かめているところでした。

今もそうですが、この全文データベースは日本からは直接接続する
ことができなくて、1年間かけてでもデータベースを見たかったのは、
「決まり文句」は一体現実の英語使用の中でどんな姿をしているか、
ということでした。

ところが行って実際にデータベースを使いはじめてしばらくして、
それは叶わぬ望みだということがわかりました。
BNCは一つの検索に対して2万件のヒットまでしか表示できないのです。
(今もそうかどうかはわかりませんが)
わたしが検索したかったのは、ごく日常的な語、基本的な語、
いわゆる「やさしい語」を使った決まり文句だったので、
2万件ではとても足りなかった・・・

BNCは総語数1億語のデータベースです。その中から
What’s the matter with you?
なんていう決まり文句を探すとすると、KWIC (Key Word in Context)
として、what で検索することになります。2万件ではとても済みません。

ま、簡単に言うと、BNCの中心人物だった人といろいろ検討しましたが、BNCのプログラムを書き直さなくてはならないということになり、
それはできないということになりました。もう2,3年早かったら、
仕様を変更してもらって決まり文句の研究ができたかも?

(決まり文句については「さよなら英文法 多読が育てる英語力」
(ちくま学芸文庫)を読んでください。力作です!)

いやいや、わたしの決まり文句研究は頓挫して幸いだったのです。
わたしはこの時のイギリス滞在1年間で、小学生と中学生のこどもたち
がゼロから英語を獲得する様子を見て、帰国後、多読を研究の
中心にするようになったわけです。

そんなに関心の中心だったなら 「決まり文句は(ほぼ?)bitesize」
ということはもうちょっと早く気がついていいはず!
ずいぶん時間がかかりました。けれども、それはしょうがない。
頭の鈍さを嘆いても始まらない・・・

NHKの「シゴトの基礎英語」が、二つを結びつけるきっかけをくれました。
禍福はあざなえる縄のごとし・・・どちらの研究もだいぶ進みそうな気が
してきました。

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