2013年 10月 の投稿一覧

学校英語を洗い流す as のいちばん大事な役割ってなんでしょう?

というわけで、学校英語の常識をもう一つ俎上に・・・

今回は手強いですよ・・・

as の意味といってもいいです。

as を辞書でとあまりにたくさん項目があって、読むのがいやになります。

けれども、そういうたくさんの項目を束ねる(?)大本の役割(意味といってもいいです)は
あるように思います。で、それはなんなんでしょう?

みなさんの学校英語に対する信頼を揺らがせたくて、こんな質問をしています。
別にわたしの理解をみなさんに押しつけようということではありません。
ぜひ info アッとまアくtadoku.org にあなたの考えを送って下さい!
どんな理解や意見や感想が出てくるか、楽しみです!

学校英語を洗い流す belong は 「所属する」か?

お気づきかもしれませんが、ここまで「学校英語批判」という題名で等してきた投稿を
「学校英語を洗い流す」に変更しました。

その変更後第一弾は引き続き belong についてです。
次のようなメールをいただきました。

さかい先生

こんにちは。
先生のブログを「そうなんだよなぁ」と思いながら読みました。

わたしはいまでも「学校のクラブに所属している」といえば
I belong to xxx
しか、思いつきませんが、belongの後ろにはほかの語がくることもあることは多読前から知っていました。

というのも、わたしが仕事をどうしようかと悩んでいるときに
当時の同僚(?)のアメリカ人女性が丁寧な励ましのお手紙をくださり、そこには

You belong in class.

とあったからです。
そのとき初めて、belong in という表現を見ましたが、「こういう言い方があるのか」と思うと同時に
とても温かい気持ちになり、ありがたく思ったのを覚えています。

ところで、関連して(?)思い出したのが be good at です。
これもどうやら怪しいようで…。

ある人がtwitterで英語の練習用のアカウントを作ったときに
「英語は得意じゃないので、間違いがあったら直して下さい」とつぶやいたのですね。
そうしたら、早速英語nativeという人から

I’m not good at English. ではない。
I’m not good in English. であると。

そのやりとりを見ていて「ひえーっ、good atよ、おまえもか!」ってなりましたよ。(笑

まだまだ、たくさんありそうです。
自分で発見できたら楽しいだろうなぁと思いますが、
それにしても、それを現在の職業柄、こどもに教えなければいけないというこのジレンマ!

元同僚のYou belong in class.を信じてもうしばらくがんばります。

では、また。
slo

You belong in class. は大変な褒め言葉です。
「所属する」では何の意味もありませんね、この場合。

「あなたの生きている意味は教室で生徒を相手していることにあるのよ!」

ということです。こんな風な感じ方をした元同僚もえらいと思うなあ・・・

そして「ひえーっ、good at よ、おまえもか!」っていうのが、おかしくも真実を衝いている!
そうなんですよ、学校英語の害はあらゆるところにあるわけで、
学校で習ったことはほとんどすべて「見直し、洗い流し」が必要なのです。

わたしの頭を、みなさんの頭から学校英語を洗い流すために、
これからも記事を書いていきます。感想や意見や疑問や注文を送ってください

よろしくお願いします!

学校英語を洗い流す belong は 「所属する」よりはるかに強い!

さて、1週間前に投稿した記事についてです。
今回もブログの記事を読んですぐに返事をくれた人がいました。

I belong to XXX club は、わたしも、ふつうに「わたしクラブに入ってるんだ~」、という文脈では、ちょっと違和感あるかな、という気がする。もしそのように言うとしたら、クラブを追い出されそうになっているとき、とか? みんなはわたしをここから追い出そうとするけど、わたしはテコでも動かないぞ、なぜなら、わたしは“生来ここに属するもの”なのだから、みたいな感じで、“I belong to this club!!”って、叫ぶ…とか?(笑)

わたしの意見も同じです。

belong は 「所属する」 よりも相当強い場合が多いような気がしますね。
ジャズのスタンダード・ナンバーでMy Heart Belongs to You というのがありましたね。
この場合は強烈な愛の伝え方、というよりは脅迫か?

それからわたしがよく引用する映画「ショーシャンクの空に」 Shawshank
Redemption の冒頭にも belong の重い役割をほのめかす例があります。
新入りの囚人たちに向かって、銀行の重役か大学教授のような身なりの
刑務所長(これも名演!)が聖書をかざして垂れる訓示が
こわい!

I believe in two things. Discipline and the Bible.
Here, you’ll receive both. 
(holds up a Bible)
Put your faith in the Lord. Your ass belongs to me.
Welcome to Shawshank.

つまり、非常に強くて、切れないことが前提の帰属を語るのが belong の
基本な役割なのだとわたしは今のところ考えています。
メールの主も同じ感想のようですね。

だから I belong to XXX club. と言うのは、繋がりが切られるかもしれない
瀬戸際で「叫ぶ」ことになると感じたのですね。

(なお、Your ass belongs to … は決まり文句です。
あちこちに出てくるはずなので、出てきたら出現箇所を知らせてください!)

さて、あなたの I belong to XXX club. への反応はどうだったでしょう?
もし・・・

「belong は 「所属する」 っていう意味だから別におかしくないんじゃないかな?」

ということだったら、学校英語のしつこさを少し考えてもいいかもしれませんね。
次回の話題を楽しみにしてください!

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「学校英語批判」という題名からすると意外かもしれませんが、
わたしは学校英語が間違っているということを言いたいのではありません。

意外に聞こえるとしたらまだまだこのことを繰り返し書く必要がありそうですが、
「学校英語批判」という記事の最終的な目的は「学校英語の間違いを指摘すること」
ではありません。そうではなくて、わたしの頭の中の、そしてみなさんの頭の中の
学校英語を洗い流したいのです。

「間違っているか、正しいか」はどうでもいいです。言葉に「正答・誤答」なんてない!

(あるとすれば伝わりやすい言い方と伝わりにくい言い方がある程度。
伝わりにくい「言い方」でも、身振り手振りや実物を見せるなどで伝わりやすくする
手はあります。マルバツでは決められません。)

学校英語の「決まり事」を洗い流せば、みんなそれぞれの日本語の上に育った
「誤答」を平気でするようになる--その全体を Japanese English と呼ぶとすれば、
それはむしろ美しい光景だろうと思います。

今は次のような二つの「誤答、間違い」が混在して、実にきたならしい光景なのです。
二つとは・・・

*日本語を母語とする人が当然犯す間違い
--これは日本語と英語の根本的なずれに原因があります。
したがって、日本語を使うひとならだれでも同じように間違える傾向があり、
これは根絶はありえません。

(むしろ日本語使用者の証し、誇りとも言えます。)

ただし、「だれでも」同じように間違えるので、
日本語話者が英語でどんどん発言するようになれば、いずれ Japanese English とは
そういうものだと了解され、受け入れられるようになるはずです。

*学校英語がわたしたちに学習させている間違い
--こちらは日本語との違いから「自然に出てくる」間違い・ずれではないので、
学習しなければ犯すはずがない「間違い・誤り」です。いわば
「雉も鳴かずば打たれまい」に当たる?

こちらの具合の悪い点は、「学習」の程度によって、間違える人と間違えない
(学校英語をちゃんとやらなかった)人に分かれることです。
つまり間違え方がバラバラ! いつの日か、間違えているなりに「整った」
Japanese English と了解される可能性は小さい・・・

ORT マトリョーシュカ!

わたしたちの仲間 K2さん がこういう人形を作りました!

Exif_JPEG_PICTURE

とてもよいできばえだったので、作者に送ったらとK2さんに言いました。
で、Oxford Reading Tree の作者に送ったところ・・・

Alex Brychtaさん

いいでしょう!
仕事をしているのはORTの画家 Alex Brychta さん。
いま描いているのはKipperたちが日本に来る話だそうです。
楽しみですね。

上の画像はぜひクリックで大きくしてください。
Kipper も Floppy も、ぬいぐるみたちも生きているようです。
そして、Magic Key がいちばん奥に入っている!
そしてマトリョーシカの後ろに見えるのはKipper たちの住む町の地図!
実在の町がモデルだそうです。Googleで見ることもできるそうです。
町の名前は・・・ ORTの絵をしっかり見ると出てくるそうです。
わたしは知らない・・・

じゃ、メガネはどこ? と思った人、NPOの事務所に見に来てください!
来られない人はどこにあるか、メールで送ってください。
当たった人がいたら、答を明かします。

K2さん、ありがとう!!

追補
K2さんからわたしのfacebookページに新しい写真の投稿がありました。
これも壮観! やはり「多読は愛」なのではないだろうか? (ね、Kian!)

K2さんのKipperたち

目標はぼんやりと・・・

前から考えていて、いつか書きたいと思っていましたが、
一つ前の記事のようにdenkoさんの記事からニール・ゲイマンさんの講演を朗読した
ものにぶつかって、次のような文を見つけて、これを機会にと・・・

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ゲイマンさん曰く・・・

First of all: When you start out on a career in the arts you have no idea what you are doing.

つまり、arts に関しては「先が見えない方がいい」と言うのですね。

ビジネスだったら、株主のこともあるし、従業員のこともあるし、
思い切ったことはできないでしょうが、ゲイマンさんは arts のことを言っているので、
個人的な営みだからほかの人のことを気にしなくていい、先なんか見えない方がおもしろいと。

arts だけじゃないと思う。

最近時々 スモール・ステップ ということを耳にします。
遠い先を目標にしても一気には達成できないから、少しずつ、達成できることを積み重ねて行こう・・・

いかにもそれらしいけれど、そういうもんだろうか?

第一、そんなのって、楽しくないんじゃないかな?

これはもう単に生き方の問題かもしれないけれど、予定通りに何かを積み重ねて、
何がおもしろいのかな? 「積み重ねた」という満足感はわかる。でもそれだけじゃないかな?
やっていることの中身は予定通りのことができただけだからおもしろくはない。

先は分からないからこそ一つ一つの展開が意外で、楽しいと思えるわけで、
予定通りに行ったらちっともうれしくない。(サリンジャーの短編にそういう台詞があった。)

うれしい、楽しい--にはどうしても「意外な、思いがけない、想定外の」展開が必要なのでは?

たくさんの人が多読を堪能しているのも、こんなことになるなんて予想しなかった! というのが
楽しさの大本なのではないだろうか? 棚ぼた? もらえると思わなかったプレゼント?

第二に、詳しい、細かい目標はかならず外れる!

今いるところから遠い先の目標なんて、立てられるわけがない、本当は。
くわしければくわしいほど外れる!
だって、そこにいないからそこに行きたいわけだ。目標地点のことをどうやって、今分かる?
そんなもん、わかるわけない! 目標地点のことがわからないのだから、そこまでの
道のりが分かるはずはない。分からない道のりを細かく分けるなんてできるわけがない!

そうすると、そういう目標はだれか先にそのあたりに到着した人の言うことをそのまま
信じて立てることになる。もうその時点で、外れることは決まったようなもんだ。

人の到達した目標が自分に合っているなんて、どうしてありえる?

(世の中に 自己啓発本 というのがありますが、
自己 なのに、他人の書いた本に 啓発してもらう っていうのが、よくわからない・・・)

そういうわけで、目標は漠然としている方がいい! あこがれでいい。夢でいい。
他の人の目標地点や道のりじゃなくて、漠然といいなと思う方向に歩き出して、
一歩一歩、意外な展開を喜んで、楽しんで、それで到着したところが 目標地点・・・

目標地点に着いたら、もっとおもしろいことがしたくて、次の意外な展開へ向かって
歩き出すことになると思うよ。

ゲイマンさんの講演はこんなことばで終わってます。どこかの大学卒業生への
はなむけのことばです。(ゲイマンさんはそういうわけで、大学は行ってない。)

And now go, and make interesting mistakes, make amazing mistakes, make glorious and fantastic mistakes. Break rules. Leave the world more interesting for your being here. Make good art.

まさに「鼻向け」です。卒業生に方向を示している--内に向かうのではなくて外に行きなさい!

これは当然、arts だけではないのですよ。

そういうわけで、みなさん、Happy journey!

わたしも、glorious and fantastic mistakes へ向かって、突進だ!