目標はぼんやりと・・・

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前から考えていて、いつか書きたいと思っていましたが、
一つ前の記事のようにdenkoさんの記事からニール・ゲイマンさんの講演を朗読した
ものにぶつかって、次のような文を見つけて、これを機会にと・・・

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ゲイマンさん曰く・・・

First of all: When you start out on a career in the arts you have no idea what you are doing.

つまり、arts に関しては「先が見えない方がいい」と言うのですね。

ビジネスだったら、株主のこともあるし、従業員のこともあるし、
思い切ったことはできないでしょうが、ゲイマンさんは arts のことを言っているので、
個人的な営みだからほかの人のことを気にしなくていい、先なんか見えない方がおもしろいと。

arts だけじゃないと思う。

最近時々 スモール・ステップ ということを耳にします。
遠い先を目標にしても一気には達成できないから、少しずつ、達成できることを積み重ねて行こう・・・

いかにもそれらしいけれど、そういうもんだろうか?

第一、そんなのって、楽しくないんじゃないかな?

これはもう単に生き方の問題かもしれないけれど、予定通りに何かを積み重ねて、
何がおもしろいのかな? 「積み重ねた」という満足感はわかる。でもそれだけじゃないかな?
やっていることの中身は予定通りのことができただけだからおもしろくはない。

先は分からないからこそ一つ一つの展開が意外で、楽しいと思えるわけで、
予定通りに行ったらちっともうれしくない。(サリンジャーの短編にそういう台詞があった。)

うれしい、楽しい--にはどうしても「意外な、思いがけない、想定外の」展開が必要なのでは?

たくさんの人が多読を堪能しているのも、こんなことになるなんて予想しなかった! というのが
楽しさの大本なのではないだろうか? 棚ぼた? もらえると思わなかったプレゼント?

第二に、詳しい、細かい目標はかならず外れる!

今いるところから遠い先の目標なんて、立てられるわけがない、本当は。
くわしければくわしいほど外れる!
だって、そこにいないからそこに行きたいわけだ。目標地点のことをどうやって、今分かる?
そんなもん、わかるわけない! 目標地点のことがわからないのだから、そこまでの
道のりが分かるはずはない。分からない道のりを細かく分けるなんてできるわけがない!

そうすると、そういう目標はだれか先にそのあたりに到着した人の言うことをそのまま
信じて立てることになる。もうその時点で、外れることは決まったようなもんだ。

人の到達した目標が自分に合っているなんて、どうしてありえる?

(世の中に 自己啓発本 というのがありますが、
自己 なのに、他人の書いた本に 啓発してもらう っていうのが、よくわからない・・・)

そういうわけで、目標は漠然としている方がいい! あこがれでいい。夢でいい。
他の人の目標地点や道のりじゃなくて、漠然といいなと思う方向に歩き出して、
一歩一歩、意外な展開を喜んで、楽しんで、それで到着したところが 目標地点・・・

目標地点に着いたら、もっとおもしろいことがしたくて、次の意外な展開へ向かって
歩き出すことになると思うよ。

ゲイマンさんの講演はこんなことばで終わってます。どこかの大学卒業生への
はなむけのことばです。(ゲイマンさんはそういうわけで、大学は行ってない。)

And now go, and make interesting mistakes, make amazing mistakes, make glorious and fantastic mistakes. Break rules. Leave the world more interesting for your being here. Make good art.

まさに「鼻向け」です。卒業生に方向を示している--内に向かうのではなくて外に行きなさい!

これは当然、arts だけではないのですよ。

そういうわけで、みなさん、Happy journey!

わたしも、glorious and fantastic mistakes へ向かって、突進だ!

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