きのうの記事に二人の読者から質問が来ました。

それは記事の中で留学生が試した「劇薬」シャドーイングの音声素材はなんだったのですか?

というものでした。

そこで、「シャドーイングにおける劇薬とは何か?」という話題をもう一度採り上げることにしました。

劇薬シャドーイングの目的は 学校英語の音、カタカナ英語、極端形の音 を洗い流そうということでした。 (シャドーイングのルートについてどこかに書いたのだけれど、忘れてしまった。検索しても見つからない! だれか教えて下さい。)そこで、どういう音声素材で洗い流すと効果的かは、一人一人ちがってくるのですね。

極端な例を二つ挙げると・・・

*学校英語もカタカナ英語も、まして極端形の音にも影響されていない人の場合は、普通の速さの音声素材をシャドーイングすればよい → 劇薬シャドーイングの必要はない!

*英語のお勉強も尋常ではなかった、それに一つ一つの音を一生懸命練習した、という人の場合(わたしもそうです)、高速の英語でも一つ一つの語を聞き取って、学校英語の音や極端形の音を口から出してしまう場合があります。その場合には劇薬シャドーイングとしてまったく未知の外国語をシャドーイングします。劇薬シャドーイングでまず耳と口を直結してモゴモゴ・シャドーイングにします。

上の二つのタイプの間の状態の人は、学校英語の音やカタカナ音の程度によって、どんな音声素材が劇薬に当たるか、それは、学校英語やカタカナ英語がどの程度体に染みこんでいるかで違ってきます。ひとによっては劇薬まで行かないけれども高速の英語(分速180語? 200語? 場合によっては倍速再生で300語?)でなければモゴモゴにならない場合があります。

それほど学校英語の音やカタカナ音が染みついていない場合は、中速英語でも大丈夫でしょう。人によって違うし、シャドーイングを聞かせてもらいながら速さを調整しますが、ざっと分速130語か140語くらいから160語、170語くらいかな?

だいたいのことは分かったと思います。きのうの記事の劇薬シャドーイングは映画だったので、場面や俳優によって、早いところでは分速180語くらいになるかもしれません。

けれども、留学中の大学生にそのくらいの速さが劇薬シャドーイングになるのだろうか?という疑問が湧くかもしれませんね。それはわたしもよくわかりません。でも、これまで見て聞いてきた例から考えると、留英語の映画の音声が学生にとっても劇薬になることはありえると思います。

ま、これからもっと資料が集まったら、もっとはっきり言えるようになるでしょう。ぜひみなさん、なんでもかんでも、報告を!