発音練習は無意味です。
わたしは中学校1年のころから20年も30年も毎日何時間も
発音練習をやっていました。
わたし以上に熱心に発音練習をやった人には会ったことがありません。
で、その結果にまったく満足していません。
あるときわたしは教え子と米国人の友人といっしょに話していたときに、
「酒井さんの英語はわかるんだけなあ」と言われて、愕然としました。
何か違うんでしょう。何が違うかはいまも研究中ですが、
研究なんかしなくても英語独特の音を聞いて話せる道があります。
それがシャドーイングです。おとなの歴とした日本人が、短時間で、
日本語らしい音から英語らしい音へ飛躍するにはいまのところ
シャドーイング以外には見当たりません。
それでも辞書信仰や文法信仰とならんで、発音練習信仰もただ反対を
唱えてなくなるわけがありません。無意味な理由をもう一つ、
実例とともにお話ししましょう・・・
辞書にせよ、文法にせよ、発音、英作文、英会話にせよ、
英語にはあらゆる分野で「幻想、信仰、狂信、脅迫」がはびこっています。
発音練習なども典型的な例です。端的に書きましょう。
すでに 映画 My Fair Lady の例 で書いたように、音は変わります。
もちろん日本語でも変わります。そしてその変化は無段階です。
My Fair Lady の in the plain で言えば、/th/ は /n/ の音に、
さらにはまったく発音されない場合まで変化します。
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↑ ↑ ↑ ↑ ↑
/th/ /z/ /s/ /n/ ゼロ
一番左の音はわたしたちが th の音として習います。
/z/ から /s/ 、 /n/ までは別にこの順でなくてもいいのですが、
とにかく/th/とゼロつまり声にならない/th/の間にあります。
つまり、th で表される音はこの直線上に無限の数だけあることになります。
前の記事でも書きました・・・
発音練習って、どの音を練習するの?
いちばん代表的だということで、左端の/th/を練習するといましょう。
わたしはこれを「極端形」と言います。
この「極端形」という見方は大事です。
thだけではありません。Lの音も、Rの音も、aeの音も、曖昧母音も、
ほかのどんな文字の表す音でも、あるアルファベットの発音として、
一つの出し方(唇の形、舌の位置、顎の開き方などなど)を指定されたら、
それはおそらく極端形で、強い音節の最初の部分でしか使われない、
つまりそう頻繁に使われる音の出し方ではない可能性があります。
逆に言うと、極端形から解放されると、聞こえてくる英語の音が
すっきり語を形作り、意味のかたまりを成してきます。
まるで耳から鱗が落ちたように・・・
わたしたちの耳から鱗を何枚も落とすために、
特別セミナー「多読的シャドーイング」が開催されます。
本日10月31日現在で、満員まであと少しです。
これだけ反響があるなら2回目、3回目もありそうですが、
もし気持ちが急いでいるなら、申し込みも急がれることを勧めます!
この際、日本の「発音」に関する常識もすっかりひっくり返すのだ!!
そういうつもりでスタッフは張り切っています・・・