Unlearn: Let it go は「ありのままで」か? Hさんのメール

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このメールをいただいたのは少し前のことになります。(だいぶ前かな?)

「カイさんからのメッセージ」というブログを読んで、ふと、思い出しました。
let it go という表現にふれるたび、わたしが心の底に、おもいだすのは、
Eleanor Farjeon さんの、Pannychis を読んだときの、感覚なのだ、ということです。

Eleanor Farjeon さんの The Little Bookroom という本はわたしにとっては
とても特別な本です。かなり読みやすい英語で書かれた短編集ですが、
ほかのどんな作家のどんな作品にも代えられない大切な短編がいくつも収められています。

石井桃子さんの訳で「ムギと王さま」という短編集の掉尾を飾るのが Pannychis です。

Pannychisのことが、大好きで、大好きで、ずっと自分のそばにまもっておいておきたいと、ぎゅっと、握りしめるCymonの、手を、Pannychisが、さっと、ふりほどいて、笑いながら、森のなかに走って行ってしまう、あのときの、感覚。
行かないで、って、追おうとするのに、Pannychisは、すっかり自由で、笑いながら、木々の向こうへと、消えて行ってしまう。
そして、そのあと、Cymonが手にすることになったものまで、すべてふくめての、ものがたり全体が、let it go ときくと、心の中に、思い出される感覚の、ひとかたまりに、なっているなあと、なんか、いつも、感じていたもので。それを思い出して、ちょっと、メールしたくなりました。では。

そういえば、Eleanor Farjeon さんのこの短編集には大切なものを手放す作品がいくつもある・・・
それなのに、どれも、まるで春の日のようなおだやかな日差しを感じます。

(「春の日の花と輝く」)

いつかぼくも The Little Bookroom のことを心ゆくまで語りたいと思うけれども、
果たしてことばにできるだろうか?

なお、この本はNPOの事務所に2冊くらい買っておいてあります。
まだ誰も読んでいないかもしれません。

Hさん、メールをありがとう・・・

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