民主主義が芽を出した日

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抗議内容に対する賛否はともかく、国会周辺と日本全国に広がった抗議行動はこれまでとはまったく違っているように見えます。過去の参加者は政党や組合による動員による参加が主だったおと思われますが、3・11以来の抗議行動では基本的に個人が、自分の意志で、政治に対する意見を表明しているように見えます。

敗戦後70年を経て、民主主義は密かに根を下ろしていたのかもしれません。わたしは抗議行動に何度も参加しましたが、その目的は今回の参加者がどこまで本気かを見たかったからでした。動員されているのかどうか、どんな主張があるのか、そういったことを間近で確かめて、生まれかけているように見える日本の民主主義の健康度を知りたかったのです。

さまざまな呼びかけがありました。その中でわたしがいちばん希望の光と見たのは、「民主主義って何だ?」という問いかけでした。(そして行動が全国各地に広がったこと!)これまでの抗議行動の呼びかけは主に党や組合の利益に関わるものだったと思います。「民主主義って何だ!」という問いかけは、「安保反対」や「日韓条約反対」や「TPP反対」といった呼びかけよりもはるかに「深い問い」だとわたしは考えます。この問い一つをとっても、日本の民主主義は歴史上はじめて、たしかな芽を出したのだとわたしは思います。国会前の抗議行動の熱気と、それとは裏腹の整然とした行動は、この芽がしぶとく、しなやかな知性を芯に持っている可能性を示していると思いました。

いままさに国会参議院では「安保法制」が可決されました。けれどもこれは終わりではありません。わたしの抵抗はこれから始まります。ついに芽を出した民主主義、国民主権、平和主義を育てるために・・・

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