「多読の影響は英語のみならず。。」 Tさんからのメール 続

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T さんからのメールの続きです。
(このメールの前にいくつか返信がありましたが、それは別にします。)

S君は、今では本当にすっかりたくましい高校生になりました。
アーチェリー部で毎日鍛えて、身体もがっしり!外での練習なので顔も
すっかり真っ黒。休日には友達と何処どこへ遊びに行ったと、毎回楽しそうに
報告してくれます。

先日、お母様とお話したときも、
”あの子が、あんなに話をよくする子だったなんて、知りませんでした。”
と、おっしゃってました。きっとおうちでも会話が増えたんでしょうね。

”この子は、英語ができない症候群 なんじゃないでしょうか。。”
なんておっしゃりながら不安げに連れていらっしゃった3年前が嘘のようです。

中、高になって、うちの教室にくる子は、そんなこばかりなので、
返ってやりやすいのかもしれません。
”もう、学校の英語ではどうにもならない。これ以上の勉強などやらせるのも
つらいので塾にも行かせられない。このままでは本当に生涯英語に悩まされそう。
この際、成績はどうでもいいので、なんとか英語を好きにさせてやってください”

というかたが殆どで、”これより他にどうしようもない”と思って
きてくれるので、逆に多読がとても入りやすいんでしょう。

↑ これはとってもその通りで、多読を始める人も、多読支援を始める人も、
あらゆる「学習法」や「教授法」に絶望している方が入りやすいようです。
「多読のパラドックス」の最たるものに入るでしょうね。

でも、そんな”どうしようもない”と仰るお子さん、みんなとっても賢いんですよ。
こんな子が、どうしてここまで追い詰められなくてはならないんだろうと
本当に、今の暗記、テスト、脅しばかりの英語教育を苦々しく思います。
全国に、どれほどこうやって、多くの才或る子供達が
”落ちこぼれ”にさせられているのだろうかと思うと、胸が痛いです。

わたしはこの頃もっと極端なことを考えています。
つまり、「どうしようもない子」の方が「学校で何とかなっている子」や
「学校でよい成績の子」よりも まとも なのではないか?
学校があれだけゆがんでいるのだから、そのゆがみが耐えられなくて、
あるいはゆがみについていけなくて「どうしようもなく見える」だけなのではないか?

大人で、今まで従来型英語である程度成績がとれていた、ある程度使えていた
と言う方を、多読的に支援するのは、もっともっと大変だと思います。
ある程度わかっているからこそ、その知識に頼らずにはいられないし、
”感覚的に読む”っていうことが、これまでの読み方と何処がどう違うのか、
理解するのも簡単じゃないんですよね。実際自分がそうでしたもの。

私も、多読を始めて、どんなに読んでても、ある程度読めていたがために
今のように読めるようになるまでものすごく時間がかかりました。
それこそ、5年くらいはそのつもりはなくても、文法と単語で読み通して
いたんじゃないかしらと。。

うちの生徒さん達には、それこそもう10年近く来てくれてる子も何人かいますが、
やっと最近になって 多読の面白さに気づいてきた。。と言う子達もいますよ。
それこそ私の支援がへただったんですかね~~。もう、エンジンかかるのってほんと大変。。
この状態でよく10年近くも通ってきてること。。なぜきてくれるのかな~。
いいのかなこれで。。この程度で~と、情けなくも年中思っています。

けれど、そういう長く通ってきてくれる子はやっぱり底の厚さが違うなって感じることがあります。

みんながどんな花を咲かせるのかたのしみにしつつ
の~~んびりの~~んびり(時にぐだぐだ)のレッスンの毎日です。

前便でも書きました。

「多読支援とは待つことと見つけたり」

それぞれのこどもに、それぞれのおとなに、それぞれの「天の時」があるようです。
わたしもじっくりみなさんにつきあっていこう。
みなさんもわたしにじっくりつきあってくださいますよう・・・

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