近く出版の運びとなるはずの学研の本の打ち合わせで、

by the way = ところで

という一対一対応に話が及んで、みんなで大笑い。つまり・・・

学校では「by the way = ところで」と習うので、英語で話をするときに
「ところで」を by the way と英訳してしまいます。
それが実はおかしい場合があることは、例によってわたし自身、
痛烈な「失敗」をしてはじめて分かったのでした。

だれだったか忘れましたが、ある英語母語話者がわたしに

「なんで日本人は by the way と言ってから話が戻ってこないのか?」

一瞬何のことか分からなくて、でもすぐに分かって、自分の誤解に愕然としたのでした。

by the way はそういえば 話の本筋にちょっと離れた話題を持ち込んで、
でもそれはとても軽い話で、すぐに元の本筋に戻ることが基本らしい・・・

(ま、例によって「基本」だから、そうじゃないこともあるでしょうね。
あらゆる例を確かめたわけではないです。実際、「ところで」の意味で
いつも使っているけれど、文句を言われたことはないという人がいます。
もっとも、「文句を言ってもいい」関係になっていないと文句は言って
くれないことがあります。これはいつか「ネイティブ・チェック」について
別に書きましょう。覚えていれば・・・!)

一方、「ところで」は話題を変える場面で使いますね。
もし by the way =ところで なら、by the way と言って話題を変えていいけれど、
by the way = ちょっとだけ本筋から脇に外れるけどね という決まり文句だと
すると、「なぜ元に戻ってこないのか!」という不審、疑問、疑い(わざと話題を
かえようとしているのではないか?)と思われることになりかねませんね。

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・・・という話を今週の火曜日に学研との打ち合わせでしたところ、
木曜日にある人が by the way のあとで元に戻る例を見たそうです。
それは Star Trek の中だったそうですが、いずれDVDが出たら確かめますね。
そしてどんな場面か紹介します。

そのある人は 「アンテナが立つとどんどん引っかかってくる」と言いました。
そうなんです。辞書を引くと、その語にすぐに出くわす、という経験のある人は
多いでしょう。それが多読のすごいところですね。大量の英語に触れるので、
気にし始めた表現にはすぐに出会うことになる・・・

それにしてもだれが by the way =ところで にしたんでしょうね?
そして、それが少なくとも60年くらい修正されなかったのはなぜでしょうね。
わたしの見るところ、それが 学校英語のしつこさですね。
早い時期に覚えたずれにはなかなか気がつかない・・・