きのうNPO多言語多読主催の「第6回多読支援セミナー」が開かれました。
昨年より人数は少なめ.
(第5回のわたしの基調講演がいけなかった。昨年のセミナー修了後、
わたしは第6回では講演はしない、と宣言したのでした。)
でも、多読体験者の素直な感想がたくさん聞けて、とても好評でした。
(アンケートの結果はいずれNPO多言語多読のブログでお知らせします。)
昨年も格別好評だった文京Tadokuガールズは今回3人登場ーー
3人とも初々しい大学生になっていました。
三人の体験談と明るい様子から伝わってきたのは、文京学院女子中学校
高等学校の多読授業が楽しくて、relaxing だったらしいことです・・・
「楽しい、気楽」というのはまるで今回のテーマのように繰り返されました。
その点昨年の4人が描いてくれた授業の様子とまったく変わらないことが驚き!
昨年の4人は多読の真髄を(なんていうことばを使いたくなるくらい)
何の屈託もなく伝えてくれました。
( 去年の支援セミナーの報告はここ です。)
今年は加えて、大学生になったからこその感想を聞けました。
「大学に入って、初めて文京の授業の良さがわかった」というのです。
文京の時は回りがみんなそうだったから「自分は埋もれていた」けれど、
大学に入って、回りの友だちにくらべて、授業で英文を読むのが速かったり、
先生の英語を即座にわかって反応できたりということから、
「普通」とちがう授業を受けていたことがわかったというわけです。
楽しいだけではなくて、英語の授業に素直に入り込めたわけですね。
でももう一つ、今回3人には加わらなかったS.H.さんが卒業後に答えた
アンケートを紹介島師匠。同校の I 先生がきょう、送ってくれました。
1.多読は好きですか?その理由も教えてください
はい。多読だと英語の勉強をしていることを忘れて没頭できるからです。
2.好きな本、シリーズは何ですか?あらすじとおすすめポイントを簡単に教えてください。
先生がお勧めしてくださった、ONCEシリーズです。世界大戦中でナチ支配下でのユダヤ人の子供のお話です。ストーリーが劇的なので、次はどんなことが起こるのか気になって、長くても最後まで読み続けることができるところがおすすめポイントです。
3.多読関連のアクティビティの中で、何が好きですか?その理由も教えてください。
好きというと少し違うかもしれませんが、シャドーイングです。家ではしにくいので。どこが文の切れ目かがわかるようになるのも良いです。
4.多読で英語力が伸びたと感じますか?どのような時にそれを感じますか?
はい。1年の最初の頃と比べて、模試で長文問題の出来が安定して良くなったことです。普段から英語の文章を読むことに慣れていると、読む速度も速くなります。模試の度に、長文以外の他の問題に費やせる時間が多くなっていることを実感していました。
5.大学受験に多読は役立ったと思いますか?その理由も教えて下さい。
はい。4でも述べましたが、多読のおかげで長文読解で大きなアドバンテージを得ました。
6.多読をしていて困ったことはありますか?具体的に教えてください。
辞書で意味を調べてはいけないというルールだったので、推測はできるとしてもその推測が違かった場合、ストーリーを思い違えて読んでしまったということがしばしばありました。
文京の授業の中で、多読は長文問題に大いに役立ったと・・・
これは多読を楽しんだ人が試験問題について語るとき、よく聞く多読の利点ですね。
また、多読授業終了後に多読がどう役立ったかを追加報告してくれました。
I 先生によると、「追加でもらったコメントにも感動した」とのこと・・・
今日から、イスラエル・パレスチナ学生会議に参加します!イスラエル人、パレスチナ人とディスカッションや広島観光をする予定です。
将来的にパレスチナ問題や難民問題に関われたらと思っているのですが、
そもそもは飯野先生がお勧めしてくださったOnceや、授業で扱っていたと思うのですが、Number the Starsなどの話から、衝撃を受けたのが大きいです。
良い授業を受けられたことに感謝しています!
うーん、すごい・・・
多読授業で I 先生が薦めた本が、将来の希望につながった!
多読・Tadokuの成果を「測る」ことはむずかしいと思いますが、
もし評価の尺度があるとしたら、文京Tadokuガールズの生き生きとした様子や、
S.H.さんのアンケートなどは「測る」ための大きな手がかりになるのでは
ないでしょうか。
おっと、日本多読学会の話が吹っ飛んでしまった。
あまりに雰囲気が違うので、文京Tadokuガールズの話と一緒に書くことは
できませんね。いつかまた書きましょう。そのための覚え書きの代わりに、
件名は変更せずにおきます。
なお、来年度の第7回支援セミナーはきっとたくさんの人が参加すると、
わたしは見ています。なにしろ今回はわたしの講演がなかったから。
来年もやらないので、どうぞいらっしゃってください!