字幕なし多観報告! Mさんのメールから

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字幕なしで映画、テレビドラマを楽しむ--これまでは「上級者」のみに許される
贅沢(?)と考えられてきましたが、わたしは、英語を身につけはじめた
ばかりの人も字幕なしで楽しみましょうとしばらく前から言ってきました。

今回はMさんからの報告を紹介しながら、なぜ字幕なしで観るのか、少し説明を
加えます。だんだんどなたも最初から字幕なしを試すようになってほしいからです。

 4月からBSプレミアムで放送始まった連続ドラマ「キャシーの big C 」
(原題「The Big C 」2010年,米)を視聴しています。
http://www9.nhk.or.jp/kaigai/bigc/

以下の通り視聴したところ、

1回目→日本語字幕&英語音声
2回目→字幕なし&英語音声のみ

2回目は英語音声にしっかり集中できて、
細かい部分まで聞こえるようになりました。
酒井先生が「字幕なしで!」と仰った意味はコレだったのか!と唸りました。

初見の映画やドラマをいきなり字幕なしで観るのはハードルが高すぎるかも
しれませんね。もちろん内容や相性によってはいきなり字幕なしをどんどん試して
ください。だめだったら最初に戻って日本語字幕&英語音声で楽しんで、
2回目も観たいというくらいおもしろかったら、英語音声のみで観ましょう。
別に罰ゲームがあるわけじゃなし、そのあたりはどうぞ、入りやすいやりかたで!

ただ、Mさんが書いているように、字幕がないと音声と画面に集中できます。
日本語字幕であれ英語字幕であれ、字幕を読んでいるときには気がつかなかった
おもしろさを見つるはず。

内容的には、「ブレイキング バッド」 http://www.breakingbad.jp/
(未視聴ですが)をかなりソフトにしてコメディにした主婦版、といったようで、
有りそうでなかったジャンルのように思います。

主婦層を考慮してか、30分番組で手軽です。

1本の長さは結構問題ですね。忙しい人は2時間近い映画はそうそう観る時間が
作れません。そういう時に30分というのは、手軽にして、気軽!
Mさん、よいものを見つけてくれました!

公式サイトや吹き替えはかなり日本向けにしてあるのでコメディ要素が
強いですが、かなりシリアスでスパイシーな部分あり、ここまでは英語でないと
理解できないと思いました。言葉と文化は不可分なのだな…と改めて思いました。

ことばと文化は不可分--その通りだと思います。
当たり前に聞こえるかもしれませんが、いわゆる英語学習はそこに気がついて
いなかった! (いや、一応おざなりに「文化が分からなければ言葉は分からない」
なんて言う人もいたと思いますが、映画やドラマを字幕なしで観ると、
「どれほど分からないものか」がやっと実感できる気がします。

以下、既知の部分も多いかと思いますが私が今回考察した点を申し上げます。

私が米国のドラマを楽しめる(抵抗がない)理由としては、滞在経験があるので、
やはり日常描写のリアリティが圧倒的にあることです。
同様に訪問したことのある土地が舞台の映像作品は内容は二の次でもつい
観てしまいます。やはり実体験は圧倒的に強いな、と感じております。

また同時に思うのは、特に米国の映像作品は世界的市場なので外国人にも
リアリティのある普遍的な「あるある」ネタで構成されていて、
その国の経験なくとも、その世界観に入り込めるようあの手この手の巧い造りになっているようにも思えて、本当に脚本が上手いなー、と思います。

つまり、どんな背景をお持ちの方でもご自分にしっくりくるテーマさえ見つかれば、英語で「多視聴」が楽しめると思います。

長くなりましたのでこの辺りで失礼いたします。
また後日談ありましたらご報告します。

まったくです。実体験は強いです。けれども、そのあとにMさんが書いているように、
世界を市場とする映画やドラマは、文化や歴史のちがうお客向けに、実に巧みに
作ってあるとわたしは思います。最後から二つ目の段落の2行もまったくその通りです。

そして、自分にしっくりくるドラマや映画をたくさん観るうちに、ことばと文化、歴史の
つながりが体に染みこんできます。すると今度はことばを通して、英語以外の
文化や歴史についても理解が深まると思われます。

(↑ このあたりは絵本でたっぷり世界と物語(呼び方によっては「状況」)を吸収すると、
絵がなくても状況を思い描けるのと似ています。つまり、

絵本で 状況 と ことば の関わりがわかると
            ↓
絵のない本で、ことば から 状況 を思い描ける。 

それと同じように、

映画やドラマで 文化と歴史 と ことば の関わりがわかると
            ↓
ことば から 文化と歴史 が分かる
(英語以外の状況の映画やドラマでも、英語で表現されていれば)

ということのような気がします。

Mさん、ありがとう!
またいつか報告を! 気長に待ちますからね・・・

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