物語の力--トランプ台風を利用して語彙増強!(ちょっと誘ってみる・・・)

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今こそ語彙力増強の滅多にないくらいよい機会!
なにしろ世界で一番の権力者がどたーっと倒れようとしているのだから、
シェイクスピアだって描けなかった一大ドラマ!

(悲劇であり、喜劇であり・・・)

シェイクスピアをもちだすほどのことはない--イソップに
膨らみすぎて破裂する蛙の話がありますが、あれですね、トランプ氏は。

トランプ氏と語彙増強がどう関係あるかというと、直接は関係ないですよ。
あの人のしゃべることばはまさに bitesize 中心で、あとはおおげさな
形容詞や副詞がいくつか決まって出てくる程度。

そうじゃなくて、トランプ氏とマスコミの闘い、普通の人の抵抗とその
報道をリアルタイムで追っていくと、語彙増強どころか英語力全般に
とても役立つのではないかと思われます。

たとえばわたしがよい例です。
わたしは電気通信大学で教え始めた頃、何よりもうれしかったのは、
研究費で週刊誌の TIME と Newsweek と London Times が
購読できたことでした。

(多読を始めるまでは授業が楽しみということはなかった。)

ところがわたしは30歳の頃、どれもさらさらとは読めなかった!
積ん読状態です。ところがある日、ニクソン大統領を弾劾直前に追い詰め、
辞任に追い込んだウォーターゲート事件というものが始まった。

それからは TIME と Newsweek を両方とも、舐めるように読みました。
ウォーターゲート事件ばかり追いかけて・・・
ウォーターゲート事件はわたしが追いかけ始めてから1年半ほど経って
ニクソン大統領の辞任で決着を見ましたが、そのあと、わたしは
TIME も Newsweek も London Times も読むのにちっとも苦が
なくなっていた!

辞書なんて引きませんでしたよ。わたしが最初から守っていた唯一の
原則ですから。subpoena なんていうことばまで覚えてしまって、
その後40年経っても覚えています。

それもちっとも不思議はない。なにしろ米国の大統領という権力者が
ほんの小さな蟻の一穴からぐゎら、ぐゎらと崩れていったのです。
毎週毎週の development が劇的で、人間ドラマや、印象的な場面も
たっぷりあって、1年半息を呑んで見守りましたよ。最後の爽快だったこと!

トランプ大統領の行く末がどうなるかはわかりませんが、
ひょっとするとウォーターゲート事件以来の大ドラマになるかもしれません。
もし世界がどうなるか、その中で日本がどうなるか
(逆行勢力が勢いづくことは間違いありませんが)
人類がどこまで愚かなのか、
George Orwell の1984をはじめとするディストピア小説は現実になるのか、
そういったことに関心がある人はぜひあらゆるメディア、
中でもインターネットのメディアでトランプ政権の行方を追いかけると
おもしろいと思います。

最近Facebookで届いたコメントで・・・

最近、読むべきニュースがあまりにつぎつぎ早く出てくるので、
本を多読する暇がありません。。。
こうなってくると読むスピードを上げないといけないのか~とつくづく。。^^;)

まったくです。トランプ政権関係のニュースを追いかけているだけで一日が終わりそう。

最初はむずかしいだろうけれど、日本語の新聞やテレビの知識を使って
辞書を使わずに追っていけば、トランプ氏が impeach されるころには
(impeach もウォーターゲート事件で知ったことば)
あなたの英語力は非常に上がっている!
たぶんわたしの読む速度(1分間に120語)もトランプさんがimpeach
されるころには速くなっている!?

問題はトランプ氏が100日持たずにimpeachされる可能性ですね。
世界のためにはいいだろうけれど、語彙力増強には短すぎるかもしれない。
でも、いまはなんと言っても映像と音声付きで追いかけることができるので、
語や文法をことばの氷山として吸収できます。
つまり、ウォーターゲート事件のときの1年半より短い時間でより大きな
ことばの氷山が育つかもしれない!

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いずれにせよ、語彙力増強なんて言い出すとろくなことはない。
ことばを相手にするときに、「語」を中心や基盤とすること--
それがそもそも見当外れ(というのがことばの氷山的見方)。

それは当然なんですが、Tadokuへ誘うのに、普通の人向けには
「語彙力強化」なんていうスローガンが効くことがあるだろうと・・・
そして、語彙力増強のつもりで始めたTadokuに語彙力増強以上の魅力が
あることに気がつく人も中にはいるかもしれないと・・・

語彙や文法ではないです。やっぱりことばの氷山でしょう。
トランプ事件にはなんといっても壮大にしてせせこましい 物語 がある!