難読症に多読は助けになるか?

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難読症のことを数日前に書きました

すると思いがけず反響が多くて、Facebook の記事にはたくさんコメントがつきました。
その中の一つを紹介します。

「多読は学習障害全般に向いている」というのですが・・・

Dyslexiaだけでなくて、学習障害全般の多くに多読は向いていると思います。
でもまだ気づいている人がすごく少ないという実感があります。
(私も当事者であり、娘もそうです。)私にとっては当たり前な感じですが、
根拠となるようなケースをいくつも知っています。
(現在もディスレクシアを疑われた学習障害の中学生をオンラインで指導しています。)
最近英語教育のユニバーサルデザイン研究会に参加するようになったのですが、
前提でいくつも???となるような事が多いです。一般に理解されるのは難しいのかな?

私からすると、”文字が反転するからアルファベットをどう教えるかも大事”かもしれない
けど、まず絵本の読み聞かせでしょう?とか文字を指で追いながら大人が読んであげる
ことが大事でしょう?とか。。。
娘はカナダから帰国していますが、カナダの図書館でディスレクシアの子供達への
学習サポートとして絵本の読み聞かせや簡単な絵本を一緒に読む活動をしていましたよ。
英語圏でさえ読み書きが困難な子達は簡単な絵本から始めるのに、
音や文字に触れる機会の少ない日本の子達の支援の方向性というか取り組みの中に
絵本が含まれていないことへの不思議さがあります。

いくつもこれから考えたい話題が含まれていると思いました。
そのうちいくつかを心覚えとして抜き出しておきます。

* 学習障害全般の多くに多読は向いているか?
立証は簡単ではないでしょう。
dyslexia が知られていなくて、研究が進んでいなくて、その上多読が知られていない!
たくさん例を集めなきゃいけないのに、まず二つを知ってもらうところから始めなきゃいけない。

(「ことばの氷山」仮説(?)が関係してくるか?)

* アルファベットをどう教えるか、よりも、まず絵本の読み聞かせ?
わたし自身の今の感想としては大賛成です。
フォニックスに懐疑的なのも、音に十分に慣れていないところで
文字と音の規則性を習うのはちょっと早いのではないかと考えるからですが、

(フォニックスには遊びの面があって、そこはこども向けにはいいようです。)

それと同じことが難読症についても言えるのだろうか?
日本語の場合は文字の種類が多いので、問題はさらに深刻な可能性があります。

一方で「漢字は絵のようだから難読症を生みにくい」という話も聞いたことがあります。
いったいどうなんだろう?

* 日本語母語話者の「日本語難読症」と「アルファベット難読症」には関係があるのか?
ううう、分かっていないことが重なって、これについてはなにも言えません。

難読症を話題にするときにいつも言うことですが、難読症があるために学校の勉強に
ついていけず、「自分はだめだ」と思い込むこどもたちがいるかもしれません。
なんとしてもそういうこどもが増えないようにできたらという希望を持っています。
みなさんの感想や意見や疑問や質問を待ちます!

連絡先は・・・
Twitter: @kunisakai
Facebook: 酒井邦秀
メール:
tadokuorgあっとまーくgmail.com (NPO多言語多読事務局宛て)
sakaikunihideアトマアクgmail.com (さかい個人宛て)
LINE: さかい@多言語多読

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