わたしはいつもTwitter で英国の新聞 The Guardian のツイートを見ています。
児童文学関係のツイートもあって、全体にリベラル寄りで、気に入っているのです。
で、とてもめずらしいことだと思いますが、今朝の記事に編集の痕が残っていて、
それを見ると、母語として英語を書く人の間違いまたは逡巡が読みとれてとてもおもしろかった!
Any suggestion that votes could have been were bought will be hugely embarrassing for the IOC, which has set great store by the probity of its bidding process since reforms following the bribery scandal which that erupted that preceded the 2002 Salt Lake City Winter Games
赤字の部分、最初は「国際オリンピック委員会にとっては招致決定の投票に金がからんだという噂はきわめて面目失墜になる」 votes were bought と書いたのですね。
でも were では断定的で、まだ捜査中なのだから訴訟になるかもしれないというので、
were を could have been と、推測した形に修正したのでしょう。で、were を削除するのを
忘れてしまった!
同じような修正が次の段落にもあります。
In response to questions from the Guardian, aA Dentsu spokesman said it had no knowledge of any Black Tidings payment and Tan was never employed as a consultant.
aA となっているところは、最初この文を A Dentsu spokesman said で書き始めて、
あとから発言の出所を明らかにする必要があるので、In response to questions from
the Guardian 「本紙の質問に答えて」と付け加えたのですね。
そこで、文頭ではなくなった A を a に書き換えた、けれども A を消し忘れた・・・!
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と、まあ、新聞記者の編集過程が分かるめずらしい例ですが、この記事でわたしは
いろいろ考えました。たとえば・・・
Possible wrongdoing in the 2020 race was referred to in a footnote to Pound’s report that suggested Lamine Diack dropped his support for Istanbul and switched to Tokyo because a Japanese sponsor signed a deal with the IAAF.
賄賂を受け取ったとされる息子(オリンピックの企業などへの売り込み担当)の父親(招致に
大きな力を持つとされる)は自分が会長をしていた陸上競技連盟に日本のスポンサーが
ついたので、イスタンブール支持から東京支持に意見を変えたと「言われている」とのこと。
わたしは小学校のころからオリンピック全体には批判的で(かなり小賢しい?)、走ったり、
投げたり、泳いだり、競技しているのは個人なのに、なんで最後に国旗を揚げて表彰するのか?
と思っていました。
いまや(いやおそらくずいぶん前から、サマランチ会長のあたりで極端になった?)オリンピックは
国威発揚に加えて、上から下まで金まみれになっているように見えます。
バドミントン選手の賭博行為はそういう全体の構図とぴったりつながっているとわたしは
思います。
一人一人の選手の中には「ただ走るのがおもしろくて、泳ぐのが楽しくて」努力している
人もたくさんいるはずです。オリンピックという巨大な行事は観客も選手も裏切っている
のです。
もう一つ、電通のことが何度も記事に出てきます。電通だけでなく、今の世の中では
広告業界が世論を作り、政治を操っている面も、今度の東京オリンピック招致疑惑から
はっきり浮かび上がらなければならないと思います。