最近の多読を言い出したのはわたしですが、その後の進化・深化はすべて多読を実践する
人たちが作り出したと言っていいでしょう。わたしはじっと観察して、変化の様子を
見極めたり、方向を予想したりしてきただけでした。
Tadoku新サイトについて、わたしがいちばんすばらしいと思うのは、
作る人たちが多読の仲間だということです。
Tadoku新サイトが始まったら、Tadokuについての議論で忙しくなります。
その前に、ここまでのみなさんの力添えをまとめておきましょう。
ここでは大きな変化しか拾いませんが、その進展の原動力は
多読を実践していた人たちみんなだということを最初に書いておきます。
*SSSの掲示板
多読は読むことから始まりましたが、それを聞くことへ、話すことへと
広げる入り口をつけてくれたのはSSSの掲示板でした。SSSの掲示板は
2001年の秋に始まって、何千人という人が熱に冒されたように
たくさんの報告や、質問や、情報交換をし合いました。
あの頃のSSSの掲示板は楽しかった! この世の天国と思えました。
「楽しい」と「進化・深化」はたがいに欠かせないものでしたが、
わたしには多読に関する豊かな知識と知恵の宝庫でもありました。
多読の歴史を語るにはSSSの掲示板は絶対に欠かせないものです。
*SSSの書評システム
多読を実践する人たちの貢献ということでは、SSSのウェブサイトの
「書評システム」がいちばん目に見えやすい貢献と言えるでしょう。
ここに集まった多読用図書の情報は驚くべきものです。
多読を一人で進めていく場合には大きな助けになったはずです。
*多読村サイト
2008年にわたしはSSSとは別に「こども式」と称する多読を推進する
サイトを作りました。考え方はわたしでしたが、実際に作ったのは
多読仲間でした。
また多読村掲示板もSSSの掲示板と同じように、多読仲間の情報交換、
質疑応答など、楽しい交流の場でした。
*NPO多言語多読サイト (このサイトです。トップページは ここ 。
2012年に立ち上がりました。2006年に発足していた「日本語多読研究会」と
多読村サイトが一つになって日本語英語以外のことばにも多読を広げていこう
ということになりました。その考えを具体的にウェブサイトにするにはやはり
また多読仲間と、「サービス・グラント」というプロボノNPOが力を尽くしてくれました。
***そしていまTadoku新サイトが立ち上がろうとしています***
今回はわたしはほとんど関わらずに、構想から原稿書きまで、
多読仲間だけで作ったと言っていいでしょう。
くわしくは新サイトが公開されたら About us を見てください。
SSSの掲示板時代からの仲間のハンドル・ネームがいくつも見つかるはずです。
なお、これまでも多読仲間だけで作って形になったものが二つあります。
*一つは「多読村瓦版」で、2010年に電気通信大学でやった第1回多読村祭りに
合わせて多読仲間が作ってくれました。
あまりにすばらしいので、今でも東京以外で講演する場合は
多読村瓦版のPDFファイルを送って、印刷して参加者に渡してもらいます。
あした講演する宮城県多賀城市の図書館にも送ってあります。
あした多賀城市に来られないみなさんは下のファイルをダウンロードして、
できればA3両面に印刷してお友だち、お知り合いに渡してくださるとうれしいです!
*もう一つ、多読仲間が作ったものがあります。
いわゆるペンギン本とも初心者本とも呼ばれるもので、
Skype を使って毎週編集会議をやって2年半くらいかかりました。
表紙は・・・
裏表紙は・・・
そして作った人たちは・・・
ぜひどんな人たちが作ったのか、見てください。
古くからの仲間には懐かしい名前がいくつもあるはず。
この本は1冊300円で各地の講演会のあと販売していて、
郵送の注文も受け付けています。
とういわけで、多読はみなさん一人一人が進化・深化させてくださったのです。
もうすぐ生まれる Tadoku サイトは何ヶ月もかけてやっと公開にこぎ着けます。
Tadoku そのものがまだ全体が見えてきたばかり!
生むのも育てるのもみなさんの力です。そのことを実感するためにも、
5月5日に公開されたらぜひ About us のページを見てくださいますよう。
なお、About us のページはみなさんのお手伝いに合わせて、
次第にたくさんの名前が並ぶ予定です!