Bite-Size が大事だということを言い始めてから1年ほどでしょうか。
わたし自身がいわば山勘で、大事だ、大事だと言い出したわけで、
なかなか講座のみなさんにも納得してもらえませんでした。
もちろんうまく説明できないでいるわたしがいけないのです。
で、昨年の最後の金曜日の講座で、Kさんが見事なBite-Size Book Talkを
披露してくれました。それを写真付きで紹介して、bite-sizeというとらえ方を
もう一歩前に進めたいと考えます・・・
Yさんのほぼ完成形という「名作絵本のYouTube風読み聞かせ」の次の回とあって、
ひどくハードルが高くなってしまい(とうてい長くは続かないだろう、と思われるほど!)、
その中でもKさんのBite-Size Book Talkは話も見事、オチがまたすばらしくて、
(オチはKさんの創作!)、それに小道具まで見事なでき、そして音がすべて
何の苦労もなく分かるという仕上がりで、わたしはひたすら息を呑んだのでした。
Josef の緑のオーバーはくたびれて、ぼろぼろになって、
でもお気に入りだったので、仕立て直してまたぼろぼろになるまで着ます。
何に仕立て直したかを、写真の大きな紙を折りたたみながら語っていきます。
その先はKさんの bite-size メモを見てください。
Joseph Had a Little Overcoat
Once upon a time,
There was a man who made a green overcoat (like this).
His name was Joseph.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So he decided to make a jacket.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So he decided to make a vest.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So he decided to make a cap.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So he decided to make a bow tie.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So he decided to make a button.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So…
(What do you think Joseph would do?)
He decided to make a ????? about it.
????? doesn’t get old and worn.
すばらしいでしょう? 一文一文が短くて、一息で言える長さで、
その上 old and worn なんていう日本語にはない音が英語らしい特徴を備えて、
繰り返される・・・
しかも話は単純化されています(元の民話(?)はもっと細かいところまで
描写している)が、おもしろさは小道具の助けで十分に伝わりました。
いわば、bite-sizeの大切さと、英語らしい音と、book talk メモと、
渾然一体となっていて、その全体をこのお話しを伝えたいという愛が包んでいる!?
(元旦だから許してもらいましょう)
最後に、話し言葉で話す、書く、という目標へもう一歩進むために・・・
Kさんのメモで、decided は少し固いんじゃないか、という感想が出ました。
おおー、そうですね! そういうことまで感じ取れるというのはすごいと思いました。
で、わたしはなんでもかんでもやさしい(=基本的な)ことばに翻訳することが
支援だと思うので、提案します。
So he decided to make a button と同じ行は、ただ
So he made a button. にしてしまうのはどうでしょう?
それに置き換えて、もう一度Kさんのメモはこんな風になります。
Joseph Had a Little Overcoat
Once upon a time,
There was a man who made a green overcoat (like this).
His name was Joseph.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So he made a jacket.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So he made a vest.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So he made a cap.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So he made a bow tie.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So he made a button.
Joseph loved it very much.
But it got old and worn.
So…
(What do you think Joseph would do?)
He made a ????? about it.
????? doesn’t get old and worn.
どうですか? decided to make の方が感じは出ますが、
まずはやさしい(=基本的な)ことばだけで語ることに慣れるには少々
表現が大づかみになることは我慢しなければならないかもしれませんね。
でもやさしいことばでもう一息付け加えるとしたら
So he made a jacket out of it.
という風にしてもいいかもしれません。でも、out of it は当面なくてもいいでしょう。
ところで、最後の最後に緑のオーバーはいったい何になったのでしょう?
民話では ??? になりましたが、Kさんが読んだ本では ??? になりました。
けれどもKさんは実に巧みに ??? にしました。これも見事だった!!!!
さて、ここで pop quiz です。Kさんの ??? はなんだったか?
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当たった人にはもれなくお年玉を差し上げる・・・かもしれません!
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