いわゆる「ネイティブ」はいつまで「ネイティブ」か?

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日本人英語で何が悪い! カタカナ英語でも堂々と!!

・・・という半可通の意見があります。
わたしはそういう意見はよほど自分の知識や才能や人間性に自信がないと
主張できないはずだと考えています。

意地悪な言い方をすれば、そういう主張は
*日本にいるぬくぬくさにあぐらをかいている か、
*外国で厳しい対決を経験したことがない か、
*自分の殻に籠もって外国の人とつきあわないようにしている か
そんなところだと思います。

カタカナ英語が通じない実例をKさんが体験してきました・・・

時間ができたのでこないだとは別の英会話喫茶へ寄ってきた。intermediateのテーブルに空きがなくて、思い切ってadvancedへ。ちょうど高校の英語の先生だという人が2人加わって、ネイティブと4人で始まった。先生達、完全なるカタカナ英語。でも言葉につまることはない。さすが…

そうなんです。変に開き直って、とにかくカタカナでしゃべる、しゃべる・・・

でも僕は、彼女達の言ってることがよくわからない。語彙が難し過ぎる。そしてネイティブもわからない。なぜなら彼は日本に来てまだ3ヶ月のイングランド人、カタカナ発音が聞き取れない。一方、英語の先生方はネイティブのイングランド訛りが聞き取れない。。。なんてこった

来てから3ヶ月たってようやく「普通に話したのでは日本人には通じない」
と意識しはじめて、日本人に伝わるように話し方を変えようするころですね。

先生達のカタカナ英語があまりにも伝わらないので、僕が通訳する。でも僕は彼女たちの難しい語彙がよくわからなくて、とても単純化してしまう。それが彼女達の言ったニュアンスと微妙に違うらしく、さりげなくコレクトしてくる。なら自分でつたえろ!!こちとら金払ってんだ!

正直、カタカナでももう少し伝わると思ってた。だってね、たとえば、castleとかyenとかが全く通じないんだよ?あと、余計な母音がちょっとでも(あの人達のはちょっとじゃないか、笑)はいったら、もう文脈さえ拾えないみたいだった。 一時間ですぐ撤退しました。

カタカナ英語でなんとか通じるのは、日本にいる外国人相手だからです。
日本人の「英語」に慣れてくると、かなりひどくても分かってくれる。
なぜって、日本人の英語を理解することは暮らしにじかに影響するからです。
次には日本人に分かってもらえるように、話す速さをゆっくり、音の切れを
極端にします。NHKの英語講座のほとんど「ネイティブ・スピーカー」は
そういう調整をほどこした「英語」を話しています。

次の引用はKさんの体験談にTWさんが返信したもの・・・

すごい経験を積んでいるね。3語しか話さなかったり、難しい言葉をたくさん並べて でも伝わらなかったり、、なかなかちょうどいい英語喫茶ってないものなんだね〜。しかし、そのお互いの通じなさはすごいね。そりゃその先生の元で学んだ生徒は話せるように…はならないね…。

わたしはこのKさんの聞いた英語の先生二人の英語を聞いていませんが、
これまでの経験から想像はつきます。むずかしいことばをいっぱい使って、
文が長くて、典型的な「英作文スピーキング」だろうと推測します。
(英作文スピーキング、英作文ライティングの実例はすでに下書きに入れています。)

わたしがあまりに学校英語や学校英語の先生を非難するので、
辟易なさる人もいると思います。けれども、実際ひどいのです。
辟易している人も、実際の英語の授業を見たら、試験を見たら、
こういう教科書を使って、こういう先生に教えられたら、
外国語が使えるようになんて金輪際ならない、こどもたちがかわいそうだと
思うはずです。

次はまたKさんが書いています・・・

うん、日本人に慣れてないとあそこまで通じないこともあるんだね…
多分ネイティブさんも1番上のレベルで慣れようとしてたんだよきっと(笑) twも行ってみなよ!一時間1000円が相場だから、スタバ替わりにふらっと立ち寄ればいいんじゃない?

わたしはよく「ネイティブ・スピーカーはいつまでもネイティブ/スピーカーではない」と
言いますが、Kさんの体験談はまだ「ネイティブ・スピーカー」ぎりぎりの英語母語人が
カタカナ英語をどう受け取るか、つまりわたしたちが外国に行ったとして、
カタカナ英語がどう扱われるか、それを幸運にも目撃したことになります。

日本でどんなに「通じる」ように見えても、わたしたちの英語には、
実際に世界で使われている英語にくらべてスピードがない、音量が足りない、
音がひ弱という特徴があります。

とはいえ、わたしは世界の英語に方を並べるスピードや音量や分厚さに
なってから話しましょう、と言っているのではありません。そういう方向を
目指して日本語を離れる努力をしつつ、今は今のままでとにかく英語を
話してしまいましょうと提案します! これも多読のパラドックスの一つですね。

Good luck, friends. We all need it.