2009年の1月に電気通信大学の だれでも多読サークル に現れた二人の女性については何度か記事にしています。わたしは二人を多読の人間国宝と呼んでいますが、それはお二人ともその年の9月にペーパーバックを読み始めたからでした。
つい先日、わたしは三鷹駅近くの蕎麦屋桂庵で飲みつつ食べつつ、楽しくお話ししました。国宝二人の近況をお知らせします。
この二人ほどゼロに近いところから多読を始めた人は珍しいと思いますが、8ヶ月でロアルド・ダールのペーパーバックを読み始めたNさんは、来年キューバに行くので、ヘミングウェイの「老人と海」の再読を始めました。同じく8ヶ月で「大草原の小さな家」の原作を読んだAさんはNさんと一緒にいま源氏物語の英訳を読んでいます。
それで、すごいのは宇治十帖から読んだ方が分かりやすいだろうと判断したことです。人間関係も複雑ではなくなるし、というわけです。それに、辞書の引き方もすごいです。べたべた分からない語を全部調べるなんていうことはしていないのですね。
で、Aさんはこの部分をわたしに見せて、どういうことが書いてあるか説明してくれと言ったのです。わたしはざっと日本語に訳しました。するとNさんは「それなら大体わたしが受け取ったのと同じです」と言って、「源氏物語」の口語訳と比べて意見を言いました。
何とも言えませんね。多読が読書になっていて、常に自分がしっかりとある。さすがは人間国宝です。またいずれ様子をお知らせします。
それにこの二人についてはほかにもいろいろ書きます。お楽しみに!