バナナさんは世界チャンピオン・・・じゃないそうです!

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わたしがうろ覚えで、失礼しました。

バナナさんからドラフツについて、多読について、メールが届いたのでそのまま引用します。

でもその前にわたしから一言・・・
Skypeのブックトークおしゃべり会は注目してくださいね!

酒井先生、みなさん、こんにちは。10年近く前に、バナナのハンドルネームで多読のサイトで酒井先生にお世話になってました。今回酒井先生のブログに紹介していただきましたので、「活躍」(?!)報告いたします。

■簡単な自己紹介■
10年位前に多読を始めて、4,5年で300万語くらい読んだかな。一番好きな本は、先日おしゃべり会で取り上げられていた、「Boy’s Life」です。繁村さんやErnieさんと飲み屋で熱く語り合ったのを覚えています。参加したかったよー、やってたの気が付かなかった。
数年前に、International Draughtsというゲームを知って、始めたらとてもおもしろく、毎晩インターネットでプレイしています。このゲームの教本で、英語で無料公開している良いテキストがありましたので、著者に連絡して許可をとり、日本語に翻訳するのを11月にやりました。

■翻訳者がすなる翻訳というものを我もしてみんとてするなり■
ということで、やったのですが、だれに頼まれたわけでもなく、出版するわけでもなく、無料公開の素材を翻訳して無料公開したというものです。
初めて多読に接したのが10年位前になりますが、多読やってなきゃこんなに英語を抵抗なく読めるようにもなっておらず、ましてや翻訳なんてやんなかったろうなと、感慨深いものがありましたので、「感慨深いですねー」と酒井先生に報告をしたら、ブログに紹介するので文章書きなさいと下命をいただいた次第です。

世の一部に、「さかいさんの下命はすぐ忘れるから書かなくてもいい」などという話が出回っておりますが、こんな風にきちんと書いてくれるバナナさんのような人もいるのです。(Ernieさん、覚えておくように!)

■International Draughtsの簡単なご紹介■
このゲームは、オランダ・フランス・ロシア・アフリカあたりでけっこう盛んなテーブルゲームです。日本で言うとオセロとか将棋のイメージでしょうか。オランダでは「ルールが簡単だから、誰でも知ってる。でもみんなそんなに強くはない」。セネガルでは「路地毎にやってる(縁台将棋?)」。そんなイメージのようです。

国際大会も盛んでして、毎年開催されています。また、囲碁とかチェスとかと含めて、mind sportsと呼ばれてまして、過去2回のオリンピックでは開催国でmind sportsの世界大会も開催されてました。私も第二回に参加してきました。2020年の東京オリンピックでも開催されるのでは?と思っています。

で、このゲームですが、日本の競技人口がとても少ない。毎年一回日本選手権なるものをやってるんですが、10名程度の参加です。とてもおもしろいゲームですし、東京オリンピックで世界大会やった時に日本でもある程度普及して、高校生とか何人か参加するようになるといいなと思っています。

ちなみにどんなゲームなのか簡単なルール説明をFacebookに乗せておきましたので、興味があったら見てみてください。

https://www.facebook.com/groups/990555587678698/permalink/990581287676128/

■翻訳しての感想
普及のためには、ルール説明書や基本的なテクニックの紹介、ゲームをプレイする場所の整備なんかが必要ですが、そのテクニックの紹介本(下のページの英語本のPre-Course in Draughts )が、今回翻訳した本になります。

http://www.fmjd.org/promo/cid.php

1.一番苦労したのは、基本的な用語をどう訳すか?でした。
丸いコマをつかってゲームするのですが、そのコマはPieceと呼ばれていますが、将棋でいうところの「成った」後は、king、成る前はmanです。これをどう訳すのか?
コマを動かすことをmoveと言うのだけど、将棋ライクに「指す」なのか、囲碁ライクに「打つ」なのか?
手筋の名前で、Coup Turc(フランス語だと思います)とあるのだけど、これを「クーブ・ターク」と訳すのか「トルコ・ショット」と訳すのか?そもそも開き直って「Coup Turc」と書いちゃうか?どうしようかな?とか

もともとこのゲーム自体、1800年頃フランス・オランダで盛んだったようで手筋の名前には、フランス語名・オランダ語名がついています。そういう意味では、英語の用語をそのまま日本語に訳して良いのか?そういう悩みもありました。実際英語の本自体殆ど無くて、英語としての用語もたぶんそもそも決まってない段階なんだと思います。
たとえばオランダ語で「hielslag」(hiel=かかと+slag=ショット)という手筋があるのですが、この本では「Kanfu-Shot」となっている。なんかイメージ違うなーと思いつつ、「カンフーショット」と訳しておりました(訳すって言わないですね、これは)。

少しずつ明らかになると思いますが、10年くらい前に多読を始めた人の中から、翻訳をする人が出てきています。大阪のけんさんもそうですね。そしてバナナさん、そして○○○さん、×××さん・・・

みなさん同じような悩みを抱えます。すでに翻訳関係の閉じたフォーラムはできているので、
バナナさん、加わりますか?

2.翻訳のとき辞書もよく使ったのですが、一番使ったのは、日本語の同義語辞書だったことも面白かったです。
「attack」って書いてあるけど、攻撃?イマイチだな。ほかになんかない?
「freezing out」これは相手がまったく動けなくなってしまうことなんだけど、[動きがとれない」の同義語は?
とかですね。本当にたすかりました。下の3のこともあり、英語の辞書はほとんど引かなかったのですが(多読的読み飛ばしですね)、同義語辞書は何度も引きました。

これはたいしたものです! この辺が「多読的翻訳」の真骨頂かな?
わたしも使うのはGoogleの画像検索か、同義語、類義語の検索ですね。

3.あと意識したのは、逐語訳はやんないってことでしょうか?
一回目訳した時は逐語訳したんですけど、日本語としてなんだかひどいなーという状態で、途中で翻訳するときのスタンスを替えました。
英文で書いてある内容を自分なりに咀嚼して、それを本の中にある図を使って日本の入門者に説明するとしたら、どう説明するか?それを意識して、書き直しました。そうすると、格段に読みやすくなりました。普及のために訳してるんだから、英語-日本語を正確に訳すよりそっちが大切だろうって判断したということです。小説だとかだと、こんな翻訳はできないんでしょうね。

これもすばらしい。言ってよければまさしく多読的翻訳です。
原文と日本語文をくらべても、どの語をどう訳したか分からないっていうのが、
多読的翻訳の一つの特徴ですね。バナナさん、お見事!
(そういう大事なことを初めての翻訳で感得するというところ!)

4.翻訳を通して実感したのは、こういったゲームの本のような特殊分野の翻訳は、英語ー日本語のスキルよりも、その分野がわかるかどうかってほうが大切なんだなとろうなと。まあ、あたりまえの話なんでしょうが、翻訳しててそれは痛感しました。

いや、ゲームだけではないと思います。特殊分野だけじゃなくて、あらゆる分野の翻訳に
「その分野」(家庭内の心理でも、素粒子物理の論理でも)をよく知っていることが大切だと思う。

■多読でやったことが、いろいろとつながっています■
このゲームをやり始めてから、日本語のテキストはもちろんない、英語のテキストもほとんどない、いいテキストはオランダ語とかロシア語。てな状態で勉強するのにとても苦労しています。
でも、多読で英語に抵抗なくなってとても助かっています。ヨーロッパ系の言語は、Google翻訳で英語に訳せば、まあなんとか意味を推測できますし。

また、こういう特殊な趣味の世界は、同好の士を見つけると親切にしてくれるようです。多読のコミュニティとおんなじ感じがします。多読のコミュニティに向かうのと同じスタンスでいろいろ情報発信してると、同じように皆が助けてくれます。
海外で強い人達にいろいろ教えてもらおうとそういう場(https://www.facebook.com/groups/134231686680023/) を作ったら、いろんな人が参加してくれて、いろいろ教えてくれますし。
今でもとても感謝しているのは、私がうまくなりたいと言っているのを知ったオランダの方が、ボランティアで教えてもいいよっていう強い人を探してくれて、強豪のオランダ人(アルゼンチン在住)を紹介してもらい、Skypeで週に二回毎回2時間位、特訓してもらったことです。3ヶ月間毎週2回やってもらいました。しかも無料で!「日本人で、このゲームをやってるやつがいるなんて知らなかった!」「世界大会でプレーする時すこしでもうまくなろう!」「震災大丈夫だったか?」なんてことを言いながら親切にしていただきました。ありがたいことです。

やっぱり仲間ですか!? いいですね、そういうコミュニティ!

■最後に■
酒井先生のブログで、「世界チャンピオン」云々ってかいてありましたけど、まったく違います(笑)。日本のレベルは、本場の国でいうとアマチュアの初級~中級者レベル。日本でやった(10人規模)の大会では、何度か優勝させてもらってますが、若い人が始めるとあっという間に追い越されるのは確実です。

みなさん、あるいは、みなさんのお子さんなんかいかがです?今から勉強すれば、2020年に日本代表の看板しょって世界大会に出れる可能性は、とても高いです。少なくとも体操競技で「内村航平」と競うよりはずっといいですよ(笑)。

ではでは、失礼いたします。

バナナより

ということで、世界チャンピオンではなかったようですね。
半分そうかなと思いつつ、タイトルを派手にしてしまった・・・

でも、おもしろい話だったでしょう? 古い仲間がこうやって世界とつながっている!
Tadoku の醍醐味です!! バナナさん、また何かあったら知らせてください。
そしてSkypeおしゃべり会を忘れないでください!!!

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