神宮輝夫さんといえばアーサー・ランサムの「つばめ号とアマゾン号」シリーズですね。
このシリーズが原書で読みたくて多読を始めたという人はAMINOさんだけではないでしょう。
先日このシリーズの全巻改訳を成し遂げて、そのお祝いのパーティーがありました。
多読的翻訳
すべては多読仲間との交流から・・・ 先行詞なんて関係ない!
いま学研から出す本の原稿を書いているところだということは何度も書きました。
その中でつくづく多読も Tadoku もみんなで作っていることを確認する毎日です。
そうした事例の一つです。最近動きの出てきた翻訳について話し合っているうちに・・・
翻訳が出ました! 学校英語を洗い流すために
いろいろあって3年くらいかかったと思いますが・・・出ました!
「リキッド・モダニティーを読みとく: 液状化した現代世界からの44通の手紙 」
ジグムント バウマン (著), Zygmunt Bauman (原著), 酒井 邦秀 (翻訳)(ちくま学芸文庫)
原著は 44 Letters From the Liquid Modern World
kindle版のページにPaperback版のリンクがあります。
イギリスのamazonでは次にリンク先で第1章を読むことが出来ます。
http://www.amazon.co.uk/dp/B00CGGXMTW/ref=rdr_kindle_ext_tmb
日本のamazonでは第1章を読むことができないようです。
サンプルもダウンロードできないらしい・・・
この翻訳には「こんにゃく屋さん」フォーラムで何人かの人に
第一稿からくわしく注文をつけてもらいました。
そのおかげでずいぶんよくなったと思っています。
意見をくださったみなさん、ありがとうございました!
できるだけ英文和訳や学校文法と関係ない翻訳にしたいと考えました。
主語や動詞や現在形や過去形や関係代名詞や比較や仮定法や・・・
それから決まり切った「定番、お定まり」の訳語、そういった約束事を
すっかり忘れて訳すように心がけました。
どの程度成功しているか見てみたいという人、そして翻訳に興味が
ある人、さらには学校英語を洗い流す必要を感じている人は、
翻訳と原著の第1章を比べてください。
(「さよなら英文法 多読が育てる英語力」(ちくま学芸文庫)では、
有名な翻訳家の翻訳にどれほど学校英語が影響しているかを
詳しく吟味しました。あの本で批判された翻訳家たちが、
「酒井は文法を知らない!」と怒ってくれるといいのですが、
筑摩書房の編集者によると、「無視されるだけです」とのこと・・・)
まだまだ英文和訳ではない翻訳をめざして、NPOが監修する
翻訳は次々に(?)出版されます。お楽しみに!