という話題が今月2日の記事でした。
それからはや、またしてもひと月近く・・・
そしてまたしても同じ話題です。
今回は「字幕なし多観」について、講座卒業生の PさんとMiyaさんの感想から。
まずPさん、
字幕なし多観についてですが、ほんとにほんとにわからなくて見続けるっていうのは結構苦しくて、私は、いきなり難しいものを人に勧めるのはやめようと思っています。
そうですね。
字幕なし多観を強調しすぎると、ほとんどの人は投げ出すでしょうね。
いきなりペーパーバックを勧めるようなものです。
それがとてもハードルが高いので、取っつきやすい絵本から始めましょう、
というのが「多読」でした。同じように、音声のない動画から始めましょう、
というのが「多観」ですね。
わたしの勧め方はどうも「とにかく字幕なし!」と強調する押しつけがましさが
ありそうだ、と反省しました・・・
多読始める前、念力で難しい洋書を読んで全然違う話を生成したことがあるんですが、
あの経験を字幕なし多観でもよくしています。
最近もやらかしました。
無料配信していたアンドリュー・スコットの一人芝居Sea
Wallなんですが、予備知識もまったくなく見始めました。
ひとり芝居だから、セットとかもなくて雰囲気もよくわからないのです。
で、聞いていて、主人公が結婚して子どもができて、その子どもが・・・って
いうのはなんとなくわかったんですが、その子どもにつきまとう第2の男性の
正体がよくわからなくて、これは絶対ストーカー系ホラーだよねと思いながら見終わりました。
でも、もやもやするので、台本を買って斜め読みしたら、全然違いました。
普通に考えればわかることでした。ああ。
そのあとTwitterとかで、あのお芝居よかった!という感想をみるたびに、おのれのだめさに傷ついていました。
いいんじゃないかな?「全然違う話を生成」しても!
昔、川端康成の「山の音」を読んで、目の醒めるような場面を思い描いたことがありました。
でも、川端康成が「意図した」場面かどうかは分かりません。たぶん違う。
でもでも、わたしはわたしが「生成した全然違う話」の方が川端康成の話より
はるかにすばらしいと思ったので、作者の意図した正しい話にはまったく関心がありませんでした。
Pさん、問題はPさんが作った話がおもしろかったかどうかじゃないかな?
ぼくらは多かれ少なかれ人の話を読んで自分の話を作り上げるわけで、
だめなりに想像力があればいい!?
そしてもう一人はMiyaさん。
『Game of Thrones』の字幕無し多観体験談を話しました。
https://www.hbo.com/game-of-thrones
何人かの人から「これ、めちゃめちゃおもしろいよ」と聞いて、何年も前にほとんど聞こえないままseason1,2ぐらいを見たのが最初です。目を背けたくなるような場面が多く、そこに抵抗も感じながらも、これは抜群におもしろいドラマだと感じました。
一人芝居じゃないせいかな、ほとんど「分からない」のに、
「これは抜群におもしろいドラマだ」と感じたのですね。
そして、昨年, ワイヤレスヘッドホンを手に入れてから、台所仕事しながらの「ながら見」で、season1~7まで見続けた。あいかわらず聞き取れているわけでもないけれど、おもしろかった。さらにごく最近、season6~8を再視聴。このときはかなり聞き取れる場面もあり、十分に楽しんだ。Season8はほぼイッキ見でした。登場人物・設定などがかなり複雑なため、この頃から、ネットで Viewer’s Guideなどを参照。現在、season1から再視聴中です。この話は、3巡目が見終わってからしようかと思っていたのですが、たまたまゲスト参加された方がこの原作本について話をされたので、今日、話してしまいました。
大きく感情が動く場面や自分が物語に深く入りこんだときに聞こえてくるという体験を話しました。字幕無し多観するときに大切なのは、耳より気持ち?
一人芝居はたしかにむずかしいですね、きっと。
Game of Thrones のように映像として「わかりやすい、入り込みやすい」作品の方が
字幕なし多観に慣れるにはいいかもしれませんね。
字幕なし多観をやみくもに勧めるのはよくないなと、お二人の投稿からも察して、
このところわたしは作品の紹介のときに「字幕なし多観」と「字幕あり多観」の両方の
タグをつけ始めました。
まだまだ字幕なし多観については分からないことがいっぱいあります。
みなさんの感想や意見や疑問を土台に、多読のときとおなじように深めていきます。
TwitterでもFacebookでも、#字幕なし多観 #字幕あり多観 というタグで
いろいろな字幕なし多観向きの作品を紹介していますから、
ぜひ参考にしてください。
また、みなさんも何か見つけたら知らせてください!
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