劇薬シャドーイングをはじめるために・・・ 2/2

2011年8月15日
カテゴリ : 多読的シャドーイング
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この話題の続きが大変遅くなりました。

さて、わたしはバンクーさんの悩みを聞き、さらにおなじような悩みを持つ場合が
かなり多読をしてきた人たちの中に少なくないように思えて、
「多読の危機」だと思ったのでした。

現在の結論は、結局学校英語が足を引っ張っているのではないか、と・・・

・・・で、それを少々乱暴ながら、一気にひっくり返すために劇薬シャドーイングを、
提案してきました。

今晩(8月14日)、「XYZ」さんのシャドーイングを聞かせてもらって、

(そのいきさつは

http://bbs.tadoku.org/kb7.cgi?b=kodomoshiki&c=t&id=2283

にあります。)

そして、「雲山」さんや「Kippa」さんと意見を交換して、劇薬シャドーイングの
目指すところをきちんと書いておくことにしました・・・

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では、劇薬シャドーイングで何が起きるのか?

これまでに劇薬シャドーイングを試みた人たちの報告を通観すると、
劇薬シャドーイングの効果は

「頭の中を引っかき回すこと」

にあるような気がします。(「気がする」とはなんとも頼りない言い方ですが、
今のところはまだその程度の信頼性です。)

たとえば、Potさん、Yくん、XYZさんの場合は 劇薬シャドーイングによって、
カタカナ英語が洗い流される可能性を示しているように思われます。

さらにYくんの場合はカタカナ英語はほぼ消え去って、英語らしい音が口から
出るようになりました。

また、XYZさんの場合は、英語らしい音はまだわずかですが、
大量のやさしい本の多読とTOEIC960点という英語の学習が、
劇薬シャドーイングで、うまく「撹拌」されたとでもいうのか、
多読と学習で吸収した英語がうまい具合に整理されつつあると言えないこともない
ような気がしないでもない、という思いがそこはかとなくあります。

そういう話を今晩Skype日本語おしゃべり会でしているうちに、
これはちょうど 過冷却 に似ているのではないかと思いました。

つまり、たとえば水がゆっくり冷やされて、零度以下になっても凍らないでいる
ところへ、何かちょっと刺激を与えると一瞬で氷になる・・・

たしかそんなのが過冷却ではなかったかと思いますが、ま、少々間違っていると
しても、劇薬シャドーイングの役目はそういう「刺激」だと考えてみてください。

とくにXYZさんの場合は、6月のはじめには朗読を聞いてもさっぱりわからなかった
そうですが、劇薬シャドーイングをはじめて2週間くらいで、朗読を楽しめるように
なってきたということです。その変化の早さを 過冷却 に喩えたくなります。

長い間多読をしている人で、「もう一つ壁を越えられない・・・」という焦燥感の
ある場合は、ぜひ 劇薬シャドーイング を試してください。体の中に大量の
英語が入っているけれども、それがきちんと整理されず、英文の理解も、
朗読を聞く楽しみも 「どうももう一つ・・・」 という場合は、過冷却の水を
一瞬にして結晶させる刺激をぜひ試してください・・・ そして、報告をお願いします。
過冷却とそれに対する刺激にも人それぞれの変化があるに違いありません。
みなさんの報告を精査して、次の手を考えます。

最後に・・・

7月末の電通大の授業でYくんの英語を聞いたCくんのコメントがすばらしいもの
でした。

いわく、リズムがよい、と・・・ 日本人の口から出る英語を聞いて、リズムに注目する
なんてことは、劇薬シャドーイングをやったCくんならではの感想だったと思います。