音は落ちる に 「杏樹」さんからメール
2010年5月 6日
カテゴリ : 多読的シャドーイング, みんなの集まり, ウンチク
タグ: Skype, 「発音」, カタカナ英語, 劇薬シャドーイング
かつて杏樹さんはいみじくも
「聞き取るべきなのは「音」ではなくて「意味」なんです。
英語の音声を聞いて意味を捉えられるようになったら、映画を見ているうちに
英語がわかってくるだろうと思います。 」
という投稿をしました。 (どの投稿だったかわからなくなりました。上の引用は
わたしのメモ帳から貼り付けました。) その後投稿ではなかったことが判明・・・
「リスニングはむずかしい」ということになっています。
そんなことはないです。多読でわからない部分を飛ばせるようになれば、
リスニングなんて簡単なものです・・・
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ではなぜこれまで「リスニングはむずかしい」とされてきたのか?
それは一音一音や一語一語を聞き取ろうとしたからなのですね。
杏樹さんの言っていることはまるで禅の公案のようですな。
「一音一語は捨てよ。意味を感じ取れ」ってなもんです。
わたしは前にくらべればずいぶん「聞き取れる」ようになりましたが、
一音一音、一語一語を「聞き取ろう」とした瞬間、意味や内容はわからなくなります。
そのわからなさは見事なものです。そこで気持ちを一音一語から意味へと切り
替えると、これもまた見事に意味や内容が入ってくる・・・
ではどうして一音一語を捨ててもいいのか?
それは「一音一語は言っていない」からです。
酒井先生、こんにちは。
「音は落ちる」ですが、音は落ちる場合もありますが、日本人が認識できない場合も多いのではないでしょうか。以前酒井先生が言っていたことで、Joelくんという名前の男の子の名前をずっとJoeくんだと思っていた…とか。一応Joelくんのお父さんは語尾のLをかすかに発音はしていたんですよね?
まあ、そういう風に表現すると、受け入れられやすいとは思うのです、わたしも。
「落ちる」のか、「かすかだが声にしている」のか?
ここはみなさんにショックを与えるために、「辞書は捨てよ」のでんで、
「落ちる」と言い切った方がみなさんの背中をよりよく押せる、または蹴飛ばせると
わたしは判断しました。
(それに実際音が落ちている場合はわたしが考えるよりもはるかに多かった!
それがわかったのはかみさんも海外ドラマにはまって、ふたりで違うドラマを
ヘッドフォンをしながら聞くようになったからかもしれません。
朗読よりも普段の生活」では見事に音が「落ちる」ようです。)
特に英語の音に慣れていない日本人にとっては、語尾の子音は認識しにくいです。でもネイティブは一応発音しているつもり、という場合が多いのではないかと思います。
はい、「ネイティブ」は母語を話すときに一音一音すべてを声にしているつもりで
います。日本人が「ありあっしたー」というときも頭の中では「ありがとうございました」
と言っているつもりですよね。
私が多言語カラオケでよく歌う歌にウエストサイド物語の「Tonight」があります。
Tonighit, Tonight~で始まりますが、語尾のTをはっきり発音するのは難しいです。しかし最近ウエストサイド物語の新演出で上演された新しいCDが出たので買いました。それでずーっと聞いてたら、語尾のTがものすごくはっきり聞こえるようになりました。そうしたら歌うときもはっきり発音できるようになりました。
さきほど「普段の生活では」と書いたのは、このことです。
芝居も朗読も「普段の生活」にくらべると音を落とさないようです。
けれども、杏樹さんご指摘の Joel の最後の L も、わたしの経験では
6年に1回くらいは聞こえる程度には声になっていると言えるでしょう。
英語の音は文章がひとつながりになることが多いです。ですから一音、一音の発音練習は役に立たないのは確かです。だからこそシャドウイングが発音練習にいいんじゃないですか。とにかく文章丸ごとまねをする、つながった音はつながったまま真似できるように練習するのが大切だと思います。
ウエストサイド物語に「アメリカ」という歌もありますが、これはかなり早口で難しいです。でもずっと聞いてたらかなり音が認識できるようになり、メロディーの早さに合わせてひとつながりで歌えるようになって来ました。(まだまだカンペキじゃありませんよ!)
そのうち聞かせてくださいな。
それでいつかみんなでウエストサイド物語ごっこをするというのはどうでしょう?
わたしは映画で何度見たかわかりません。細部の細部まで覚えています。
みんなでリハーサルなどやったら楽しいだろうなあ!
特に日本人は語尾の子音を認識するのも発音するのも難しいです。「落ちる」んじゃなくて、認識できない、聞き取れない、という場合が多いはずです。ですから「落ちる」ことを意識するより、ひとつながりでどう聞こえるか、どう発音するか、を覚えていくのが大切なんじゃないかと思います。
それでは…。
その通りです。「ひとつながりでどう聞こえるか、どう声にするか」--それが
大切だと思います。
で、ひとつひとつの音の練習をしてきた人に対して、そこから抜け出しやすいように、
「音は落ちる」と強調したいわけです。unlearn を促したいのです。
その話題を次回の蘊蓄オフで提案しようと思います。
音の話題ということになったら、杏樹さん、Skype参加、しませんか?
ほかのみなさんも、音のウンチクは文法や語のウンチクより毒が少ないと
思われるので、参加を歓迎します! オフ会の掲示板をご注目ください。
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