劇薬シャドーイングの不思議--二通目のメールをいただきました!

2012年7月13日
カテゴリ : 多読的シャドーイング, をさなごのやうに
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オーストラリアからSkypeおしゃべり会に参加している「yukaffe」さんから
メールをいただきました・・・

・・・発音記号。そういえばそういうものがあったのでした。

あれは、なんだったのか? いまはもうほとんど目にすることがありませんが、
なぜか月球儀を思い出します。なぜだろう?

ま、要するに、実物(実際の英語の音)とはまったく違う、いわば枯れ果てて
命のかけらもない--という連想かな?

一つ一つの音を「発音練習」した覚えのある人はたいてい「発音記号」を
知っていますよね。

でも、「わたしは知らない!」という人、パニックにならないでください。
知らなくていいのだし、むしろ知らない方がよいと思われます。

それでも気になる人は「続き」を読んで、さっぱり忘れてください!

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学校の授業で発音記号を教わって、この記号は、この口の格好で・・・ みたいなね^^; この発音記号。 学校(中・高)で習った時には、発音記号は全世界共通だから、どんな言語でもこの記号で読み方が分かる。みたいに習った気がしたんですよね。

「その口の格好で・・・みたいな」固定観念を、わたしは極端形と呼ぶわけです。
その音を力を入れて声にするときしか使わない形です。

力を入れない場合は、極端形ではなく、いわゆる「崩れた音」を使います。
実は極端形の典型的な音を出す場合より、「崩れた音」の場合の方が
はるかに多い!

でも現実は、、、というか、オーストラリアに来てみたら、誰も発音記号なんて使わない、使っていない・・・絵本を読んでいたら、読み方をアルファベットのフォニックス読みで表現しているんですよね。あれには、びっくりしました@@あの発音記号は何だったの????ってね。 それ以来、発音記号を気にすることは、止めました。

外国語を獲得使用という場合、発音記号というのはあらゆる意味で用無しですね。
特にインターネットや電子辞書で音を聞けるようになって、音声学者以外には
何の意味もなくなってしまった・・・

一面、悲しいです。わたしは「マイ・フェア・レディ」のヒギンズ教授になり
たかったので。

英語を使う国で暮らすと、発音記号の無意味さはつとに身に沁みる・・・

でもそれまでは、正確な発音を知りたければ、辞書の発音記号見て・・・なんて自己流なことして、無駄だったな・・・ しかも、人に寄ってもちょっとずつ発音が違うしね。 これが正確!なんて発音無いんだもん。

まったくそうですね。「これが正確!」なんてない。
その上、同じ人でもちょっとずつ違う音になります。

わたしがよく映画「マイ・フェア・レディ」から引用するのは、
花売り娘のイライザが厳しい練習の末についに

The Rain in Spain stays mainly on the plane.

をちゃんと言えるようになるところ。 ついに言えた! というので、
ヒギンズ教授に もう一度と促されて繰り返した時には、on the plane の
the が a と聞こえるように変化している!

極端形の(学校英語で習う) the の音は、うまく言えた最初の1回だけで、
あとはすべて a と聞こえる・・・

だから、劇薬シャドーイングして、何にも考えずに英語のリズム、流れをつかんだら、すっごく楽になった気がします。XXさんが、意味も分からないのに、あんなに滑らかに音読したのも、いまだにすごく不思議ですが、でもわかるような気もします。リズム、流れ、英語を塊で! みたいな感じが劇薬では自然に見つくような。やればやるだけ、口から出まかせのような感じが身についてきたような気もします?! あとは、たくさん本を読んで自分なりに意味をつかんで行くのが自然なやり方なのかも知れませんね。

「リズム、流れ、英語を塊で! みたいな感じが劇薬では自然に見つくような。」

そこだと思います。言葉を「要素に分解してはいけない!」
なぜなら言葉は流れであり、リズムであり、塊だから!?

(これはとっても大胆な考え方なので、? がとれるにはもう少し待って、
   ください。)

つまり、yukaffeさんの言うように、劇薬シャドーイングで、リズムや流れや塊を
吸収して、同時並行でたくさん本を読んで、音を聞いて、実際の場面を絵本や
映画やドラマで見て、「意味」をつかむ--それがたしかに「自然なやり方」、
わたしの言う「をさなごのやうに」だという気がします。

yukaffeさん、ありがとう! 
そしてSkypeシャドーイングのみなさん、ありがとう!