今朝、朝日新聞にあった記事からの抜粋です。

講義を配信するのは「日本オープンオンライン教育推進協議会」
(理事長=白井克彦・放送大学学園理事長)。11日、東京で設立された。
略称はJMOOC(ジェー・ムーク)。ムークは大規模公開オンライン講座の通称。
現在は主に米国の3機関で世界の大学の550以上の講座が公開されているが、
(1)講義が英語で多くの日本人は学びにくい
(2)世界の著名大学に事実上限定され、多くの日本の大学は配信できない、という課題があった。

(1)の「学びにくい」は「学ぶことが不可能」ということを、また(2)の「事実上」というのは、
「日本の大学の先生は英語で講義ができない」ということを婉曲的に言ったのでしょうね。
はっきり言えばいいのに・・・

そうした課題があるのは重々わかります。でも、解決の方向が逆じゃないでしょうか?
その課題を解決するために、

(3) 日本は日本に(だけ)通用するオンライン講座を配信する

のではなくて・・・

(1)世界の(著名な)大学の講座を学びやすくする
(2)日本の大学を著名大学にする

そのために・・・

(3) 日本人が外国語で受講できるように、
また日本の大学の先生が外国語で講座ができるように、

外国語の授業を変える!

わたしは多読普及当初から、日本人は高校卒業時にはどんな外国語であれ、
その外国語を母語とする高校卒業生と同じようにその外国語の大学課程に参加できること
(つまり、スペイン語ならスペインの大学の講義を聴く、討論に参加する、論文を読む、
研究発表をする、論文を書く練習をするといったこと)を大学入学時の到達目標に
したいと言ってきました。

(別に大学で講座を取るつもりはないという人はもちろん別の目標をどうぞ!
読書でも、旅行でも、ボランティア活動でも、なんでも自分のやりたいことを
お望みの外国語でやりましょう。ここは大学の講座の記事なので、
こういう目標を掲げました。わたしが常々掲げる目標は町の八百屋さんが
お客さんのいない時に店先で趣味のペーパーバックを読んでいる風景・・・)

まさかそんなことが可能だとは日本の教育関係者はだれも思っていないでしょうね。
絵に描いた餅、または誇大妄想狂の譫のように聞こえるかもしれませんが、
上に挙げた目標はすでに部分的には到達できています。

NPO多言語多読のウェブサイトにあるフォーラムでは、オンライン大学について
最先端の情報交換が熱く、楽しそうに行われています。

http://forum.tadoku.org/viewtopic.php?f=21&t=765

をご覧ください。

たまたまこのトピックをきのう東中野に遊びに来た大学1年生に読んでもらったら、
何十分も食い入るように見つめたあと、来週の金曜日の講座にまた来て、
オンライン大学を受講中の人にくわしく聞くそうです。

ほら、pie in the sky と見えたわたしたちの夢に、もうすぐ手が届くのです。