多読的翻訳

多読から翻訳へ!

今月はNPOの「話す・書く中心クラス」で講座卒業後の夢が語られました。

まるで歩調を合わせるかのように、今月は翻訳関係のうれしい知らせがいくつも届きました。

そのうち公開してもいいけんさんの翻訳についてお知らせしておきます 続きを読む

翻訳が出ました! 学校英語を洗い流すために

いろいろあって3年くらいかかったと思いますが・・・出ました!

リキッド・モダニティを読みとく: 液状化した現代世界からの44通の手紙 (ちくま学芸文庫)
「リキッド・モダニティーを読みとく: 液状化した現代世界からの44通の手紙 」
ジグムント バウマン (著), Zygmunt Bauman (原著), 酒井 邦秀 (翻訳)(ちくま学芸文庫)

44 Letters From the Liquid Modern World
原著は 44 Letters From the Liquid Modern World
kindle版のページにPaperback版のリンクがあります。

イギリスのamazonでは次にリンク先で第1章を読むことが出来ます。

http://www.amazon.co.uk/dp/B00CGGXMTW/ref=rdr_kindle_ext_tmb

日本のamazonでは第1章を読むことができないようです。
サンプルもダウンロードできないらしい・・・

この翻訳には「こんにゃく屋さん」フォーラムで何人かの人に
第一稿からくわしく注文をつけてもらいました。
そのおかげでずいぶんよくなったと思っています。
意見をくださったみなさん、ありがとうございました!

できるだけ英文和訳や学校文法と関係ない翻訳にしたいと考えました。
主語や動詞や現在形や過去形や関係代名詞や比較や仮定法や・・・
それから決まり切った「定番、お定まり」の訳語、そういった約束事を
すっかり忘れて訳すように心がけました。
どの程度成功しているか見てみたいという人、そして翻訳に興味が
ある人、さらには学校英語を洗い流す必要を感じている人は、
翻訳と原著の第1章を比べてください。

(「さよなら英文法 多読が育てる英語力」(ちくま学芸文庫)では、
有名な翻訳家の翻訳にどれほど学校英語が影響しているかを
詳しく吟味しました。あの本で批判された翻訳家たちが、
「酒井は文法を知らない!」と怒ってくれるといいのですが、
筑摩書房の編集者によると、「無視されるだけです」とのこと・・・)

まだまだ英文和訳ではない翻訳をめざして、NPOが監修する
翻訳は次々に(?)出版されます。お楽しみに!

離陸の図解のために 朝令暮改--昨日の晩の今日の朝でもう?!

たとえというのは気をつけなきゃいけませんね。

「離陸」というのは多読にぴったりのたとえだと思うんですが、
(その点は変更の必要はない。なにしろ「独り立ち」が目的だから)
離陸する飛行機というのはいわば一直線に昇っていきますが、
多読でみなさんが学校英語から自由になる経路は決して一つではない!

それこそぴ~ママさんやakoさんのように、多読の途中で絵本に引っかかって
ずーっと絵本を読む人、児童書に引っかかって当初のペーパーバックを楽しむ
という目的を忘れたYYYさん、本は読まずに俳優の追っかけに英語を使っている
YYYさん、ロマンス本にはまったYYYさん(多数)、XXXさん(一人)、
BLにはまったYYYさん(複数)、翻訳に向かっているYYYさん(複数)などなど、
「完全に離陸」したあとはいろいろ楽しみ方があるわけです。

従って、離陸を図解するとしても、各段階を・・・

1冊の語数やラベルの色 で決めつけてはいけない!

そんなものは本棚から本を取り出すまでの目安に過ぎない!

逆に言うと、語数も色ラベルも気にしないで好きなものを好きなように楽しむことが
本格的離陸ですね。楽しめないものを一言「いまのわたしには合わない!」
と切り捨てる自由さえ手にする!

反省とともに、語数や色ラベルに囚われない図解を考えることにします。