NPO主催セミナー/講座

1月24日(土)第8回「ゼロから始める英語多読体験会」報告

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24日(土)に英語多読体験会を行いました(新宿NPO協働推進センター)。
参加者15名。遠くは福島からの参加、当日、サイトのお知らせを見つけて駆けつけてくださった方もいらっしゃいました。また、『図書館多読への招待』を読んで参加してくださった方も。

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講師の繁村理事の自己紹介を兼ねた英語多読体験は、毎度のことながらみなさんを引きつけていたようでした。そして、多読のやり方、三原則の紹介と続き、そしていよいよ体験の時間にはごくやさしい絵本の絵を「読んで」いただきました。
絵の中にいろいろなものを見つけて楽しむ方、聞き読みしながら慎重にページを繰る方など反応はさまざまで、休憩時間にもみなさん席を立たずに熱心に読んでいらっしゃいました。

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「このやさしい本は字面を読んで終わり、ではありません。まず絵に描かれているものやことをじっくり見て、本の世界を味わいましょう。そうやって頭に世界を描く。そして最後に字を読むと、残されたジグゾーパズルがきっちりはまって、全体像が完成するんです」と、講師も絵の大切さを強調。
すでに多読体験を1年以上続けている方からも「やっぱり、絵本はいいですね。このレベルにたまに戻らなくちゃ」という声も上がっていました。
その後、参加者から、音読や自分に合った本を見つける方法についての質問、体に溜めてからでなくては口から出ないということが納得できた、などの感想が出ました。
さらに「読む」から「話す」や「書く」へのつながりについての講師のレクチャーが続き、気がつけば、予定の時間を30分もオーバー! ほとんどだれも立たずに聞いてくださいました。
やさしい本を実際に読みに、ぜひ東中野の事務所に見学に来てくださるといいなと、センターを後にしました。
次回は、同じく新宿NPO協働推進センターで、2月28日(土)13時半~を予定しています。
どうぞよろしくお願いします。
(粟野)

支援者養成英語多読講座を終えて

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9月より全6回で行われた支援者向け英語多読講座が無事に終了しました。のべ30名近い参加があり、初めての連続した講座としては手応えを感じるものになりました。

講師の方には実際に多読支援を行っている先生を迎え、それぞれの体験を元にたくさんのお話をしていただきました。多読用図書を揃えるまでの環境作りや図書の管理方法、ほかの先生方との連携など、多岐にわたり参加してくださったみなさんで共有できる内容でした。

既に多読支援を行っている先生方、これから多読支援を始めようとしている先生方、いつかは多読支援を始めたいと思っている先生方と、参加してくださった先生方の背景はそれぞれですが、共有できることや、共通する質問や疑問を通して、これからも支援する方たちを応援していきたいと強く感じました。
多読の道のりはそれぞれで違うように、多読支援の道のりも1通りではありません。今回の講座を通して、みなさんだけの多読支援の道のりを見つけていただけたらと思っています。

今後は、参加してくださる先生方同士の交流や、実際に本を手に取り読んでもらえるような時間を作ることが大事だと思いました。年が明け、新年度になる前にはまた新たな支援者のみなさんを支援する集まりを開催する予定です。決まり次第ウェブサイトにてお知らせいたします。今回参加した先生たちだけでなく、興味をもたれた方はぜひご参加ください。

(参考)

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(大賀)

火曜、水曜 英語多読講座の報告と 無料体験会のお知らせ!

第一、三火曜と毎週水曜の午前 英語多読講座担当の山谷です。
前のご報告から、ずいぶんと日がたってしまいました。(すみません…)

どちらの講座も同じ手順・心構えで進めているつもりですが、
火曜と水曜では雰囲気というか空気が異なるような気がします。
もちろん、それぞれにやさしい絵本から楽しんでいることには変わりはありません。
火曜講座はなんだかおだやか~な感じ。
水曜講座は自由~な感じ。
講座生のみなさんは、どう感じていらっしゃるのかな?

今日は、講座生の方々からお聞きした「多読を始めてからの変化」をご紹介します。

・読むことが楽しくなってきた。

・いろいろな本が さらっとわかるようになってきた。

・文をかたまりでパッととらえられるようになった。

・和訳しないで読めるようになってきた。

・英文は「左→右に読む」ということが実感できた。

・”Frog and Toad”で、絵の力の持つすごさを再認識した。

・字の小さい本でも、細かさが気にならなくなった。

・読み終わったあとに想像した単語を調べるのをやめた。きっとまたどこかで出会えるから。

・squirrelという単語がわかって感激した。

・CDがついていない本でも、リズムがよいと音がきこえてくるように感じる。

みなさん、それぞれに変化を感じていらっしゃるようです。

もちろん、なんだか読む気になれないとか、おもしろい本に出会えないなど
調子の出ないときもあります。
そんなときこそ、つい持ってしまいがちな「やらなきゃ!」というお勉強の気持ちを捨てて
のんびりお茶でも飲んで一息ついてください。
素敵な絵本が事務所にはたくさんそろっていますから、その絵だけ眺めてもいいし、
好きなドラマをぼーっと眺めるのもいい。
借りていった本も無理に読もうとしなくてよいのです。

そして、講座ではほかの仲間たちの声に耳をすましてください。
きっと、また素晴らしい出会いがそこにあるはずです。

さて、最後に無料体験会のお知らせです!
まだ多読をご存知ないかた、
多読ってなんだろうと気になっているかた、
英語をなんとかしたいけど、どうしたらよいのかわからないかた
ぜひ、今月25日(火曜)午前の 英語多読無料体験会にお越しください。
(詳しくはこちらをご覧ください。 http://tadoku.org/seminar/2014/10/22/1642

受講生の方も、体験談をお話に来てくださいね!

(山谷 麻由美)

9月25日(木) 第1回「支援者養成 英語多読講座」報告

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6月に前身として「英語多読指導入門講座」を開催しましたが、9月から多読支援者を育てる講座が正式に開講しました。現在、年内に全6回で開催予定です。くわしくはこちらをご覧ください。

報告が遅れてしまいましたが、第1回の様子をお知らせします。講師は伊藤幸子先生(渋谷教育学園渋谷中学高等学校英語科教諭・帰国英語科主任)です。

まずは講師だけでなく、参加のみなさん全員で自己紹介をしました。ここではご自身の多読経験、多読指導経験などを話していただきました。これにより後半での多読体験では、それぞれに事務所の本棚を見ながら本を紹介しあったりと、交流に繋がりました。

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その後、講師より、多読が自然に習慣になること、絵から体験すること、音を取り入れること、読むことは訳すことではないことなどについての話がありました。そして本の紹介から、読み聞かせの話題になり、気づけば “An Elephant and Piggie Book” シリーズの読み聞かせが始まっていました。この自然さに、みなさんあっという間に本に引き込まれ、笑いが絶えない読み聞かせのひとときになりました。

また質疑応答では、「訳を聞かれたらどうするのか」「本当に本を読んでいるのかどうかどうしたら分かるのか」「音源は必ず必要か」といったさまざまな質問がありました。こういった質問は本当によく耳にしますが、答えはいつも一つではありません。これからも多くの支援者同士、経験をシェアしていけたらと思っています。

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次回の伊藤先生の講座(10月23日)予告ですが、ブックトークについて、そのやり方に関する提案をし、実際にも行ってみたいと考えています。その他、「読む」ということについて、あらためて多読三原則の解説を含めながらお話する予定です。

第2回支援者養成講座は10月12日(日)13時から。講師は鈴木徹先生(都立国分寺高等学校英語科主任教諭)です。まだどの講座も参加可能です。くわしくはこちらをご覧ください。

(大賀)

8月3日第3回多読支援セミナー 分科会(英語)報告

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日本語に続けて8月3日第3回多読支援セミナー英語分科会の報告です。

まずは当NPO英語多読講座支援者の繁村と山谷講師が自身の講座を振り返り、支援について話をしました。

多読は英語に「慣れる」ということ。最初分からない単語を気にしている人が、多読が進むうち、単語に関する質問がなくなり、単語が自然にわかる体験をしている。ブックトークであらすじだけを言っておしまいだった人も熱く語るようになり、本に対する入り込み方が深くなっていく。多読で講座生は確かに進歩しているが、それに講座生自身が気づかないことが多くあるため、気づいてもらうよう支援することが大事だと思っている。

最初はそれぞれに読書、シャドーイング、聞き読みをしてもらう。その間に講座生を回って、何を読んだか、どう感じたかなど話をする。次にブックトークや絵本の読み聞かせをしている。「絵本がきらい」と言っていた講座生が、「絵本大好きになったの!」と言って、講座終了後も残ってブックトークするまでになった。講座生が自分にあった本選びをできるようになってきている。講座生にいかに楽しんでもらえるかが重要。課題としては、多読による変化の実感がなく、自分をテストしてみたくなる講座生や、英語の音の変化がいつ頃現れるのか心配している講座生への、日々の進歩への実感を伝えることが大事であり、課題だと思っている。

どちらも異口同音に、多読支援には、多読を楽しめるようにすること、そして、多読で実感しにくい自身の進歩へを気づかせながら後押しすることが大切だと強調していました。この後、質疑応答を行いました。抜粋してご紹介します。

Q:学校全体で多読授業を始める場合、生徒のモチベーションをどのようにして高めていけばいいか?
→ 自分の場合映画が好きだったので、映画を楽しむのには英語が分かった方がいいだろうと思った。生徒本人が気づいていない「英語ができた方がいいだろうな」というタネをみつけるお手伝いをするとよいのでは。

Q:絵本から文字の多い本に移る難しさに、どのように対処しているのか?
→ 文字ばかりの本に移る必要が本当にあるのか。「PBを読みたい」というなら必要かもしれないが、そうでなければレベル2~3の本までで十分。むしろ生徒がレベルを上げようと焦るのを抑えるくらいがよい。

Q:生徒に「達成に気づかせる」のはどうしたらよいか?
→ 声掛けした時、生徒が話したことに新鮮に反応する。また、以前読んだ同じ本を読むことを奨励している。間をあけて同じ本を読むと、本人が自分の進歩に気づく。

続いて、酒井理事長の講演です。
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「言葉は、読む、書く、話す、聞く、の4技能からなる」という通説はウソだと思う。4つに分かれているように見えて、実は1つの同じものが違うように見えているだけ。学校英語の害は大きい。学校英語を一生懸命やってきた人は、音、物語、言葉を楽しむ方になかなか移れない。

「英作文スピーキング」の特徴は、一語一語を頭の中で作文しながらしゃべること。殆どの英語の先生は、「英作文スピーキング」をしているのではないだろうか。(「英作文スピーキング」「英作文ライティング」について)

「一口大」で一息でポンと言える長さから始めてはどうか。「英作文スピーキング」は文が長くて、リズムがなく、するっと入ってこない。コミュニケーションの第一歩は笑顔や泣き顔。その次の段階が「一口大」がある。(「bite-size」「一口大」「一口サイズ」について)

一般的に、言葉は「文字」であり、白い紙の上に黒い活字で印刷したものと考えられている。しかし、言葉は「文字」ではなく「音」である。(「ことばの氷山」について)

絵が沢山ある本を多く楽しみ、絵(・画像・映像)が身体にたまっていく経験を多くすると、文字が多い本を読んでも心がそれらを補ってくれて、言葉が分かる。(「絵から」「絵本の魔法」について)

以上、NPO英語多読講座を通してみえてきた多読の持つ可能性や広がりについての話でした。

その後、全体の質疑応答を行いました。英語分科会には、大学、高校、中学、児童英語とさまざまな先生が参加していますが、いつも全体で質疑応答を行っています。お互いに新たな視点を持つきっかけになったり、垣根を越えて話題を共有することでみえてくるものを大切にしたいと思っているからです。今年も多くの意見交換がされました。

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Q:(公立校の英語教諭)多読しているが忙しくて中断してしまう。①多読を継続できる秘訣と②多読を中断して再開するとき、どこに戻っていけばいいのか?
→ 一年くらい中断していたことがあったが、絵本で復活できた。簡単なレベルに戻る方がよい。絵本と英語マンガとDVDで復活した。
→ 気にしないで好きなものを好きなだけ読むとよい。
→ 「習慣化」することがポイント。

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Q:(中学の英語教諭)夏休みの前後では子供が成長して変質していて、教室がうるさくなって、多読授業がつらくなった。どのように対処すればよいか?
→ 先生自身が本の内容を知ることが重要。
→ 中2男子が “Elephant and Piggie” シリーズを気に入っている。
ペアを作りお互いに読み聞かせをさせている。読み聞かせで、Jon Klassen の絵本に男の子が感激。「感想を書いてみよう」というと書く手が止まらないくらいだった。
→ 一人一人を見て、一人一人に対応していくしか方法がないとは思うが、生徒が20~30人いると実際難しい。

Q:(中高一貫校の非常勤英語教諭)学校の方針により、英語で授業を行う必要がある。「ネイティブのような英語を目指さなくてもいい」という考え方と、酒井先生の「『英作文スピーキング』を脱するためシャドーイング等でネイティブのリズムを獲得する」という考え方の、どちらをとればいいのか混乱している。
→ 英語の学園ものなど、「先生」が出てくるドラマや映画をたくさん見て、「先生はこういう風に話す」というのを身につけるのはどうか

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(今年も、なるべく多くの方に発言していただきたくというスタイルをとりました。なお、写真は、順不同です)

他にもたくさんの意見が交わされました。

今回のセミナーで印象深かったのは、ほとんどの話題で出てきた「ブックトークが大事」という言葉です。これは単に、感想文を書かせる、本の内容への理解確認というものではありません。むしろブックトークをしたくなるような本を紹介したり、お気に入りの1冊を一緒に探していくことが支援者として大事な支援だと思います。

毎年反省は尽きませんが、次回もまた気持ちを新たにパワーアップした英語分科会を開催したいと考えています。興味を持たれましたら、ぜひ来年の多読支援セミナーへお越しください。(大賀)

8月3日第3回多読支援セミナー 分科会(日本語)報告

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遅ればせながら、8月3日の午後の日本語部会の報告です。

今回、参加された方の内訳は、リピーター3分の2、初参加が3分の1。
初めて参加される方には、多読や多読授業について一から知っていただきたい、でもリピーターの方には新しい話もしたいし、みなさんの実践についても聞きたい。いつも、このバランスに悩みます。今回は悩んだ結果、実に7年ぶりぐらい?に絵本のレベル分けワークショップをやってみることにしました。

私たちがこつこつと作ってきた多読用読みものは、ようやく100冊を超えて、なんとか多読授業を始めるスターターキットぐらいにはなったと思うのですが、英語多読同様、graded readersだけ読み続けていると、どうも居心地がよく(?)、なかなか生の本へ移行できない人が出てきてしまいます。そうならないためにも、初期の段階からGR以外の本を読み慣れていくことはとても大切なことだと思われます。そこで、絵本の登場です。絵が主体の絵本を見ながら、日本語のリズム、生き生きとした幅広い語彙に触れる「冒険」を学習者にもっとしてもらいたいーーーみなさんと一緒に、「難しい」「子どもっぽい」と思われがちな絵本を多読という視点からもう一度眺め直したい、と思いました。

まず、国内大学、海外大学、国内日本語学校などと教えている教育機関別に6つの島に分かれて座っていただきました。机の上には15冊ほどの絵本。それを、みんなであれこれ相談しながら、レベル分けをしていきました。我々が作っている多読用読みもののレベルに合わせて分けるのですが、基準は語彙や文法というわけではありません。絵と文字の割合、絵を見るだけで話の展開がわかるかどうか、繰り返しが多いか、活字の大きさ、など「わかりやすさ」をあらゆる要素を考慮して総合的に判断するのです。そして、これには正解もありません。どうして、そう思うのか、お互いにいろいろな観点や考えを出し合うことこそがこのワークショップの意義です。

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わいわい楽しみながらのレベル分けが終わった後、それぞれの班から「お勧めの絵本」をピックアップして紹介してもらいました。

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なかなか魅力的な絵本をみなさん選んで下さいました。その詳細については、多読フォーラムでも紹介してありますので、興味のある方はご覧ください。さて、その本が実際に、学習者にどう受け止められるのか、いろいろな学習者に読んでもらって意見を聞きたいところです。

その後、休憩をはさんで、多読授業実践をしていらっしゃる方から簡単に報告していただきました。
日本語学校で選択授業としてやっている、あるいは読解授業の一部に取り入れているなどの報告、新学期から正規のカリキュラムの中で多読クラスを始めるというアメリカの大学の先生、日本語初級者にまず、本に興味をもってもらう工夫をされている先生のお話、学校でオリジナル多読教材を作っているという先生もいらっしゃいました。

最後は、班の中で、自己紹介を兼ねて多読授業実践の報告をしたり、疑問、質問を出し合ってみんなで考えたりの時間をとりました。一部を紹介すると・・・。

<ボランティア教室>
・本を貸すことが難しく、多読指導しにくい。
・学習者のレベルや熱意などが、うまく揃ったときは多読指導は効果を上げた。読んだ本を薦め合うブックトークもできた。
・同じ学習者が毎回来るわけではないので、多読指導はしにくい。

<日本語学校>
・子どもが英語多読をやっていて、効果がはっきりと出ている。日本語の授業でもやってみたい。しかし、カリキュラムがぎっしりとつまっていて、なかなか取り入れられない。
→短い時間でも、一回だけでも、チャンスがあったら、とにかくやってみてはどうか。そういう経験を積みつつ、広げるきっかけを待つ。
→専任や校長などカリキュラムを組んでいる人に良さを知ってもらう。
・絵本をおもしろがらない人にはどうする?
→ノンフィクションなどその人が興味を持ちそうなジャンルを試す。
→無理に絵本を勧めなくてもいいのでは?
・多読授業を行うと他の先生から、不公平だと言う声が上がる(「教師が教えていない」と思われるため)ことがあるが、多読を実践されている方は、そのような批判に対してどのように対応しているのか知りたい。

<国内大学>
・読後感を一行ぐらいで書かせているうちに、一言感想を言うようになる。その時に、教師が文法、助詞などの間違いを我慢して訂正しなければ、次第に学生達は感想、ブックトークなどをスラスラ言えるようになってくる。多くの学生が普通の授業では考えられないくらい発話量が増えてくる。
・初級読解クラスで教科書を使っていたが、学生が喜ぶような授業ができなかった。教科書の替わりによむよむ文庫を授業で使ってみると、皆が楽しんで読解の勉強ができるようになった。

<海外大学>
・多読は、自律学習につながるものとしてとても効果があるものだと思う。
・多読では、いわゆる読解テストをしないので、「どうして内容が読めているのかわかるのか」という先生がいる。
・学生にfacebookで呼びかけ、市立図書館で課外に多読をやっている。学外の日本語学習中の社会人も参加している。しかし、最近、場所が狭くなって存続が危ぶまれている。

<年少教育その他>
・レベル差のあるクラスに適しているのではないか。
・各機関に、「よむよむ文庫」はたいていあるが、使い方がわからないので宝の持ち腐れになっている。
・多読をどのあたりの段階で導入するのがいいのか
→ゼロの段階から導入できるが、その場合は人手が必要。一緒に読んであげるなど、かかりきりになれるならできる。現実的に、一番やりやすいのは初級後半くらいから。

今年は昨年の反省を活かし、話し合いに時間を長目にとったつもりでしたが、終わってみれば、やっぱり時間が足りなかった!!!
来年もまた、みなさんとの意見交換を主体にした会にしたいと思います。

(粟野)

第3回多読支援セミナー「多読で何が変わるのか?」無事終了!

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8月3日(日)、第3回多読支援セミナーが行われました。参加者は96名!

詳しくはそれぞれの議事録の準備ができ次第あらためて報告しますが、、まずは猛暑のなか参加していだいたみなさん、事前準備から当日の設営、運営をお手伝いいただいた会場の先生のみなさん、スタッフに感謝し、ざっと当日の流れをご紹介します。

開会の宣言は、今年の会場である、文京学院大学女子中学校女子高等学校の佐藤芳孝校長。
次に、「多読で変わること~支援者であり実践者からの視点」という講演を文京学院大学女子中学校女子高等学校教諭村岡千秋さんよりお話しいただきました。
読むというのは、単に文法と語彙で並んだ活字を読むことではなく、書かれた世界を読むこと、だから、多読の入門には、絵を見ることがとてもの大切だと村岡先生は強調されました。自らのスペイン語獲得の例もなるほどと思わせられました。

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つづけて当NPO理事の粟野真紀子が「日本語多読の歴史と現状」について話しました。多読を始めるにあたって、レベル別読みものを自ら作らなければならないという英語にはない苦労、そして、それの読みものを使った入門者への多読授業、在日歴が長いけれど読み書きが出来なかった人への多読の効果を示す動画が披露されました。

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その後は、英語tadokuクラブのみなさんによるワークショップ「多読はここから~絵を読む~」です。ここでは実際にORT(Oxford Reading Tree)を使って「絵から始める多読」を体験していただきました。アンケートでは「楽しかった!」「目から鱗が落ちた」という回答をいただきました。こういう回答をいただくことからも、まさに「絵から始める多読」は百聞は一見にしかずですね。これからも講座やセミナーなどで、実際に体験していただく機会を増やしていきたいです。

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多読入門はまず、絵から。

Exif_JPEG_PICTUREグループに分かれて、絵をよく見て気づいたことをメモ。そしてそれをみんなでシェアしました。

Exif_JPEG_PICTURE「ここにこんなものが落ちている」「ヘンなおじさんがいる・・・」 絵をよく見て、物語の世界に入りました。

このように午前中は、言語を問わず共有できることを中心とした講演、体験の時間を全体で過ごしました。そして午後は日本語、英語と言語ごとに分かれ、それぞれで実践報告や、質疑応答を行い、充実した1日となりました。

午後の英語部会

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さまざまな意見交換が活発に行われました。

日本語部会では、レベル別読みもの以外に目を向けようということで、まず、多読図書(おもに絵本)のレベル分けをしました。

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絵と字のバランス、繰り返し、絵で内容がわかるもの等々をものさしに、レベル分けしていきます。

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レベル分け結果発表。おすすめの本を披露し合いました。

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多読実践をしている先生から簡単な実践報告のあと、グループに分かれて意見交換をしました。

またこの日は、アスク出版、オックスフォード大学出版局、Mary Glasgow / Scholastic UK、ネリーズ、ロイヤルブックス(順不同、敬称略)より協賛をいただき、多読図書の展示、販売も行われました。協賛いただき、ありがとうございました。

私たちの多読支援セミナーは、個々の研究発表をする学会ではなく、年に1度集まって、多読に関してさまざまな角度から多くの支援者の方と語り、学び合えるセミナーにしていきたいと思います。初めての方、リピーターの方の両方に満足していただけるよう、今回の会をよく振り返り、反省点は来年に活かしたいと思います。(粟野・大賀)

シンガポール大学との多読WS 報告第2弾

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7月11日(金)のシンガポール大学のみなさんとの多読ワークショップは、多読クラス授業に飢えている?私たちにとって、いまだに興奮さめやらぬ素敵なセッションとなりました。
さて、そのときみなさんにアンケートに答えてもらいました。ちょっと驚いたのは、「本を読むことは好きですか」という問いに、全員が、好き、または大好きと答えていたことです。これまでの経験では、20名いたら2,3名は「ほとんど読まない」「あまり好きじゃない」と答えるのですが・・・。確かに、みなさんの本に向かう姿勢は、すばらしかった!
以下に、「多読の読み方について思ったこと」と「今日の感想」をほぼそのまま掲載しました。
入門者でもいっしょうけんめい、日本語を使おうとしているのがわかります。英語で書かれたコメントもぜひ、読んでみてください。「多読」についてごく簡単な説明しかしなかったのにもかかわらず、深い理解が伝わってきます。

回答者の学習歴の内訳は次の通りです。
11名 2または3週間
7名  1年~1年半
2名  5年以上
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Exif_JPEG_PICTURE★「多読」の読み方について、どう思いましたか。

・すごい。

・おもしろい。

・いい読み方だと思います。本をはやく読むことができます。

・たのしかったです。  I picked up some new vocabulary from the books so I feel this is a good way to encourage students of the language.

・It is a great institution as it allows people with many different background and Japanese language skills to  learn more.  This can develop our Japanese reading and comprehension skills further.

・Tadoku enhances our learning by providing books that matches our current proficiency level.  Through reading, we are able to learn new vocabulary and see how the vocabulary we already know is being used.  Tadoku has a unique perspective towards learning—active learning instead of rote learning off textbooks.

・Interesting; enriching; good method of learning Japanese.

・Interesting and different from usual language learning.

・It is very effective in helping me learn.  More importantly, it is making learning Japanese much more enjoyable and faster.

・Tadoku gives me a very interesting perspective on my study and reading.  It is a very effective and very enjoyable experience.  I would like to continue on Tadoku in my further study in the Japanese language.

・Very interesting and it helps me improve my Japanese in a fun way.

・とてもおもしろくて、読むことがたのしくて、やさしいになりました。本からたくさん日本のぶんかに習いました。

・ It’s a stress-free way of practising  and  learning a language I am unfamiliar with.

・It teaches an new  and interesting method of learning a new language; breaking previously established conventions of referring to the dictionary whenever on encounters an unknown word but instead to look at the picture to figure out the meaning on your own. By doing so, we are able to build a better association between the words and the images they represent, thus remembering the word for a longer period of time.

・大学で読む資料が多いので、「多読」の読み方は役に立つと思います。

・外国語の勉強に役立つ読み方だと思います。辞書を引かないで読み続けると、段々本を読むことが面白くなっていく感じがします。(でも、一冊読み終わった後、ちゃんと知らない単語を調べるのも大事だと思います)

・こんな学習方法は日本語を初めて勉強する人はとてもいいと思いますが、JLPT(日本語能力)試験のために言葉や文法や覚えなければなりません。

★今日の感想を書いて下さい。

・色々な本が読めて、面白かったです。

・とても楽しい一時間を過ごすことができました。いつも忙しくて、あまりリラックスの状態で本を読む時間がないからです。

・たのしかったです。もっと読みたいです。Japanese Folktales are very interesting.

・本は全部とてもおもしろいです。

・もっと時間がほしいです。

・今日はとても嬉しかったです! 本を沢山読みました。

・あたらしのexperience.  A unique and interesting experience in learning a new language.

・I learnt a lot though reading so many interesting books.  I think it encourages me to study Japanese harder when I can understand these Japanese words.

・It was fun to read the books made by the teachers at Tadoku.  The teachers were very patient.

・Tadoku is an interesting experience.  It made learning new Japanese words fun and easy.

・Today is the day that makes my reading so happy!

・i felt happy and accomplished to find myself being able to understand the storybooks in the Japanese language.

・Thank you for such a good experience with many interesting books.

・Singapore needs to stock more easy-to-read Japanese books.

・I enjoyed myself a lot.  It was like learning a new language when I was young, which make me feel like a curious child once again, so thank you very much for bringing joy into my life!

・I like the Japanese  Graded Readers Series books.  They teach me many Japanese general knowledge.

・It is still a bit hard for me to understand all the sentences in the books, but I can briefly understand the content.

(粟野)

7月11日(金)シンガポール大学学生と多読ワークショップ!

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7月11日(金)、日本研修旅行中のシンガポール大学の学生さんたち24名と多読ワークショップを行いました。4日から京都、大阪、東京と回ってきて、ほぼ最終のアクティビティです。

前の晩までは台風を心配していましたが、夜のうちに東京を通過してくれたようで、一安心。無事に事務所から大量の本を運び、7つの島を作って、一行を出迎えることができました。メンバーの内訳は、日本語を始めてまだ3週間という学生が半分ぐらいで他に1年以上の学生もちらほら。

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簡単な日本語での自己紹介がてらの「チャット」の後、多読の読み方の説明をして、早速、多読が始まりました。

日本語を始めて3週間というのに、レベル別日本語多読ライブラリーのレベル0
を快調にどんどん読んでいく人が多かったのにはびっくり。

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声を出しながら順調に読む・・・。

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ときどき「ふふっ」と笑いながら・・・。

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昔話が面白いそうです。お気に入りは「舌切り雀」

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ひとつのイヤホンを分け合って、聞き読みを楽しむ。

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先生に助けてもらいながら読む・・・。

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右端の彼は、1時間のワーショップ中に20冊も読んだ強者!
みなさん、真剣な顔をしてどんどん読んでくれました!
特に一番人気があったのが「西町交番の良さん」シリーズ。作者の松田緑センセーが来られなかったのが残念!

最後に、学生3人からお礼の言葉とお土産までいただきました。

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お気に入りの一冊を持って、記念写真。

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「はい、チ~ズ!」じゃなくて、「良さ~ん!」

あっという間の楽しいセッションでした。
明日は、第2弾、学生さんたちからのフィードバックをお知らせします。お楽しみに!
(粟野)

 

 

 

 

6月29日(日)「英語多読指導入門」(第2回)の報告

6月29日(日)13時半~15時、『英語多読指導入門』(第2回)が開催されました。

講師は都立国分寺高校英語科教諭(前都立大田桜台高校)の鈴木徹さん。講座の参加者は、多読指導を始めてみたい中学・高校の先生方を中心に15名でほぼ満席でした。
鈴木さんは、前任校の大田桜台高校の多読授業がテレビ朝日で放映された映像を紹介し、多読授業の実践結果を基に次のようにお話をされました。
「日本の英語教育に足りないものは『量(experience)』と『経験(meaningful use)』であり、多読ならこの両方を同時に達成できる」
「太田桜台高校では、多読多聴によってGTEC等の外部試験でReading, Listening, Writingすべての分野において全国平均以上の伸び率で生徒が伸びている。文法問題集等は一切生徒にやらせていない。大田桜台高校では多読しても英語の成績に加算されないのに生徒は3年間読み続け、しかも年を追うごとに生徒の集中度が高まっている。これは楽しくなくてはできない。楽しく、自分の意思で、たくさん読むことが大切」
「いま、“多読”と称して、“Tadoku(やさしいものからたくさん読む)”とは全く異なる授業をしている中学・高校があちこちで見られる。いきなり難しいレベルの本を読ませたり、各学期や長期休暇に課題図書として強制的に読ませたり、試験範囲に入れたりして縛るのでは“多読”とはいえない」
参加者の皆さんは鈴木さんの話に熱心に聞き入り「生徒はどのように多読した結果を振り返っているのか?」「多読の時間を捻出するには?」「どのように多読図書を選定しているのか?」など質問が続き、講座終了後も鈴木さんを囲んで活発な質疑応答が続きました。
上記と同一内容の「英語多読指導入門」(第3回)が7月13日(日)に開催されます(参加費無料)。参加を希望される方は当NPOまでFAX又はメールにてご連絡ください。

さらに具体的な多読授業の運営については、当NPOで9月以降、開講が予定されている「多読支援者講座」で紹介いたします(開講が正式に決定次第、当NPOのホームページにて告知いたしますのでお楽しみに!)。
(伊藤)