日本語教育業界では、最近、日本語教師が集まってあちこちで勉強会が開かれるようになってきました。「遠めがね勉強会」もその一つです。カイ日本語スクールの先生方が中心になって、さまざまなゲストを迎えて勉強会を開催しています。その遠めがね勉強会に、今回、NPO多言語多読を呼んでいただきました。スピーカーとしてうかがったのは理事長、粟野と正会員、作田です。
遠めがね勉強会→Twitter:@telescope_study Facebook:facebook.com/telescopestudy/
当日、会場のカイ日本語スクールにお集まりくださったのは15名のみなさん。日本語学校の先生が中心で、関西から駆けつけてくださった方も。
まず、多読について話し始める前に、「多読を説明してください」と、現時点でご存知のことを紙に書いていただきました。
みなさん、たくさん、お書きくださいました。しかも、多読について既にもうよくご存知です。「私はもう何も話さなくていいのでは」と思うほどです。日本語教師のみなさんの間で、多読はかなり知られてきているようです。うれしく思いながら、まずは、「多読の意義とやり方」と題して、粟野がプレゼンテーションしました。
カイ日本語スクールでは、既に多読を取り入れた授業を実施しています。担当した先生にも、少し様子を話していただきました。学生さんたちの評判は上々とのことです!
休憩時間をはさんで、次は多読体験コーナーです。文字のない絵本、文字が少ししかない英語、韓国語、スペイン語の本を、学習者の立場になって多読をします。
知らない言葉の意味を絵から推測したり、おもしろい場面を隣の人と見せ合ったり、写真集をじっくり眺めたりと、みなさんそれぞれに楽しそうです。
そして、続いてやはり学習者の気持ちでブックトーク。おもしろかったところを見せ合ったり、言葉がわからない本について自分の解釈を披露したりして、話し合います。「おもしろいところがあるとつい話したくなる。ストーリーを話したくなる学習者の気持ちがわかる」という声も。
さて、多読についてのプレゼンテーションを聞き、学習者の立場に立って多読を体験した後、もう一度、「多読を説明してください」と、紙に書いていただきました。そして、最初に書いたものと何か変化があったか考え、グループ内でシェアしました。
「遠めがね勉強会」は、参加者間の話し合いを重視しているそうです。少しずつテーマを変えながら話し合う、この時間が中心と言えるかもしれません。
最後のテーマは、自分の授業に多読を取り入れられるかどうか、これからどうしたいと思うか、です。グループ内で話し合ったのち、全体でシェアしました。多読にますます積極的になって授業に取り入れようと考えた方、評価はどうするかなど疑問を口にする方、さまざまな意見や疑問点について、みなさんでディスカッション。少し時間を超過してしまいましたが、有意義な時間でした。
NPO多言語多読主催とは違う勉強会で多読についてお話しさせていただいたこと、参加者のみなさんにお話をうかがえたこと、とても良い機会になりました。遠めがね勉強会の世話人の先生方、ご参加くださったみなさま、ありがとうございました!
(作田)