12/17 水曜夜クラス:Yさんのシャドーイングの録音 ——「ちゃんと言わない」ができるようになるまで
講座に通い始めて約1年になるYさんのシャドーイングの様子を紹介します。少し長くなりますが、大事な記録として残しておきます。
Yさんは今年の4月頃から、通勤中に歩きながら1日10分くらいのシャドーイングを続けてきました。素材は、YouTubeの Peppa Pig やアメリカ政府の記者会見など。多読的シャドーイングの方向性については過去の #講座だより にゆずるとして、まずは実際の録音を聞いてください。
これ以上ないくらい「安心」で「順調」な状態だと思います!
安心なところ
- 日本語の音に置き換えていない
- 「文字に忠実な正しい発音」を持ち込んでいない
その結果、音源に淀みなくついていけているのがはっきり分かります。
順調なところ
- 強弱、リズム、抑揚、緩急など…が音源どおり再現されている
- 全体のもごもごの中に、ときどき深い音、鋭い音がある
これは、日本語の音から離れ、これから一つ一つの音が英語の音に近づいていく兆しが見えている状態と言えると思います。
Yさんのことばを紹介します。
始めた当初は「言えない敗北感」があった。
でも、適当にやっていいと言われて、すぐに適当になれた。
効果については、今も実感がない。
今回の音源は比較的ゆっくりなので、英語をたくさん勉強してきた人ほど、どんな単語が並んでいるか、はっきり分かるはずです。
すると多くの場合、「ちゃんと言おう」=文字に忠実に(発音記号通りに)正しく言おうとして、実際には言っていない音を補おうとしたり、自然なつながりや変化を無視してしまいます。主に文字を通して英語を学んできた我々大人には、よくある反応です。
同じように、聞こえてきた音を「よく知っている音」——つまり、日本語の音に置き換えてしまうことも、誰にでも起こります。
英語が好きで昔はよく勉強したというYさんは、これらのことを強く警戒していて、普段から、
わざと、ちゃんと言わないようにしている
と話していました。
実は、今回はブログ公開用に、3つのバージョンの録音をお願いしていました。
※上で紹介した録音
録音③で「ちゃんと言おう」と意識することは、Yさんが警戒している方向へ自ら進むようなものですが、実際には、録音②とそれほど変わりませんでした。そのことをYさんに伝えたところ、こう振り返っています。
ちゃんと言おうとしたが、ちゃんと言おうとしなくなってきた。
ちゃんと言ったところで、所詮それは自分流の音、自己満足だろうなと思ってきた。
もごもごで行けるといいな、と思った。
「文字通りに正しく言おう」とする反応や、日本語の音に置き換える反応がでなくなってきたというのが、今のYさんの状態のようです。つまり——子どもに戻りつつある?
ここで急に楽観的になりますが、いったん子どもに戻ってしまえば、あとは子どもが母語を身につけるように・・・ というわけで、Yさんには次の提案をしました。それについては、また今度。今後の変化が楽しみです!
なお、「見る・聞く・話す」クラスでも、先んじて同じような変化が起きています。
今回は、あくまで公開用に録音をお願いしたもので、わざわざこんな風に比較して確かめる必要はありません。快く協力してくださったYさんに感謝です!
(水曜夜クラス担当 Katobushi)






